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第3章 聖戦
5.始まり
部屋に戻るとリオルドは椅子に腰かけて僕を呼んだ。
言われるがままに側に行くと、ひょいっと僕を持ち上げて自分の膝に軽々と乗せる。
リオルドは愛しそうに僕の髪を撫でながら話を始めた。
僕にとってコンプレックスである黒髪や黒い瞳はリオルドや一部の人達には魅力的に映るらしい。
「先程の王からの話なんだが、ジブリールもキーンも帰宅を許された。俺たちも本来はドルナー別邸に帰る。だがメイがまだ回復していないし、明日から王と王妃が城を離れる。アーノルドだけでは心許ないし、しばらく城に残ろうと思う」
「うん、わかった。王様達は何かあるの?」
「隣国の王子が結婚するんだ。王も今はあまり城を離れたくないようだが、祝い事だし行かない訳にはいかない」
「そうなんだ」
「あぁ、俺達の婚姻式にも来賓で来ていたからな。こちらも行かなければ…2人は1週間ほど城をあける」
「そっか。隣国の王子はどんな方と結婚するの?」
「…?少し離れたところにある南の国の第2王女だ。その2国は昔から貿易が盛んで交流がある。産まれた時から婚約者同士だ」
「ふーん。まぁ、そうだよね」
隣国の王子はどこかの国の美しいお姫様と結婚しました。
お伽話みたいじゃないか。
ーーーでもそれが普通だよね。
そもそも男子をルーツの子なんて呼んで、それを妃にしたてあげるカナーディルの方が世界的に見れば異質な存在だ。
髪を撫で終わったリオルドは両手でユウトを抱き締めて、今度は髪に顔を埋めた。
「くすぐったいよ!何?」
「ふっ、別にいいだろう」
普段なら僕も照れるところだけど、クリスの話を聞いてまだ気持ちの整理が出来ていない。
僕はいつもそうかも知れない。
リオルドを好きだけど、何か聞くと気持ちが揺れてばかりだ。
でも、嫌なものは嫌だ。
「本当にやめて」
リオルドは僕の髪に埋めていた顔を起こすと悲しそうに
「わかった」と言った。
「あと、ドルナーの西の森付近で魔犬や魔獣が大量に出ている」
「え!大丈夫なの?」
「住民は避難させているから大丈夫だ。だが、今までより規模が大きい。明日からの王の外出にも魔術師と兵士がついていく。それとは別にドルナーにも魔術師と兵士を派遣した」
「…大丈夫かな」
「明日から城は警備が手薄になる。魔術師は俺を含めて5人。兵士も通常よりはかなり少なくなる」
「この隙に何かが…とか無いよね?」
「考えられなくはない。穢れは…魔族か。何を考えているかわからない。だが、カナーディルには結界があるし、有事の際には領民達は地下に避難する場所がある。」
「避難先?じゃあ領民は大丈夫なんだね?」
「あぁ、決まったサイレンを鳴らせば地下に避難する様に普段から訓練してる。その場所は魔法で守られているし、しばらくは大丈夫だ。問題は城だな」
ユウトはゴクリと生唾を飲んだ。
「魔族の目的はカナーディルを滅ぼすことだろう。そうなれば狙われるのは王族。俺達だ。」
「うん」
いつ魔族が襲ってくるかわからない。
それが今のカナーディルの現状だ。
そうなった時、僕は自分で自分の身を守れるだろうか?
領民達を守れるだろうか…。
クリスと話して自分の中に生まれた感情は一旦蓋をしよう。今はその時じゃない。魔族の件が解決したらゆっくりと考えよう。
「ユウト…」
「…ん?…??」
リオルドは急に口づけをしてきた。
僅かに開いた口から舌を忍ばせてきて絡み付き、長く深いキスだった。
僕は途中で息が苦しくなり、リオルドの胸を両手でドンドン叩いた。
「はぁ...はぁ…な、何?真面目な話してたんだけど」
リオルドはコバルトブルーの瞳をうっすらと細めた。
「急にキスしたくなった」
「は、はぁ?何言ってるの?」
「ふっ。大丈夫だ。さっきも言ったがカナーディルには精霊レノディアの加護がある。結界が張られてるんだ。心配はいらない、だが、一応俺の側を離れるな」
ーーーそうだ。カナーディルは精霊レノディアの加護を受ける国。だからこそ今日まで大きな事件もなく、皆が平和に暮らしてこれたんだ。
「うん、わかった」
「よし!」と言うとリオルドは僕を膝から下ろした。
その後は食堂に行き、皆で少し早いディナーを食べた。
王はジブリールとルンベルク領の話をしていたし、王妃は明日から一人になるレイルに小言を並べていた。
アーノルドは一人で静かに食べ終わるとそそくさと食堂から出ていった。
キーンはもう自邸に帰ったそうでいなかった。
僕はリオルドとクリスの3人で話した。
クリスは楽しそうにリオルドの小さい時の話を僕に教えてくれたし、リオルドはそんな事まで言わなくていいと拗ねていた。城下町にある美味しいお菓子のお店の話や、とても面白い旅一座がいること。落ち着いたらお忍びで3人で城下町に遊びに行こうと盛り上がった。
城に来てからこんなに楽しく3人で話したのは初めてだった。
僕達3人の様子を王妃は遠くから微笑んで見ていたし、レイルは話に入りたそうだった。
給仕を手伝っていたメイド長のアンナも、少し寂しそうにだけれど微笑んで僕達を見ていた。
☆ ☆ ☆
「じゃあ、アーノルドとリオルド、城を任せたぞ」
「レイル!皆の言うことを聞いて良い子にしてるのよ!」
翌朝、王と王妃は朝一番に馬車に乗り隣国の婚姻式へと出掛けていった。
数人の魔術師と兵士と使用人。隣国への贈り物を携えての慌ただしい出発だった。
アーノルド夫妻と僕達とレイルは並んで2人を見送った。
今思い返しても平和な朝だったと思う。
「ねぇ、僕一人は怖いよ。今日からユウト達と一緒に寝たい」
レイルが瞳をウルウルさせて僕を見上げた。
金髪にコバルトブルーの瞳。レイルは本当に天使のようで、見た目はミニチュア版のリオルドだから僕はめっぽうレイルに弱い。
「うーん。そうか、怖いよね。一緒に寝る?僕はいいよ」
「ダメだ。一人で寝ろ」
「えー、リオルド兄さま冷たいよぉ」
「お前なぁ…!」
横からクスクスと笑ったのはクリスだった。
「レイル、いつも一人で寝てるじゃないか。怖いなら僕と一緒に寝るかい?」
「あー、もうクリスってば。何で言っちゃうの!もういいよ!」
レイルは頬を膨らますと城内に向かってプリプリと歩きだした。
「レイル、ごめんごめん」
「全くアイツは」
「何だいつも一人で寝てたんだ…」
レイルは歩みを止めて振り返ると「何してるの?ほら行くよ!」と急かした。
僕達は顔を見合わせて笑い、レイルの後に付いていった。
☆ ☆ ☆
王と王妃が城を出発して6時間くらい経った時だった。
ランチも終わった僕達は気ままに過ごしていた。
リオルドは魔術師達と訓練をすると城の脇にある訓練棟へ行ったし、僕は自室で本を読んでいた。
最初は書庫に行ったのだけど、王達の見送りの後すぐいなくなったアーノルドが居てジェイとお茶を飲んでいた。
何だかいたたまれなくなり本だけ借りて部屋に戻った。
ーーーそろそろ王様達もカナーディルを出て隣国に入った頃かな。
僕は読みかけの本を置いて窓の外をチラリと見た。
魔女の鴉がいつも通り僕を見ている。
突然の出来事だった。
パキンッという音と共に精霊レノディアの加護の証である結界にヒビが入るのが見えた。
僕は驚いて窓際に走り寄った。
結界に入ったヒビは段々と大きくなり、パリンという音と共にガラスの様に結界は割れ、少しずつ見えなくなり消えた。
ーーーレノディアの加護が…無くなった!?
カナーディルを長年覆い続けていた精霊レノディアの加護。その証である結界が割れた。
目の前で魔女の鴉が羽をバタバタさせカァカァと大きな声で鳴いている。鴉のあんな状態は初めてみる。
呆然とする僕の耳にけたたましく鳴る大きなサイレンの音が聞こえてきた。リオルドが昨日話していた…領民達に地下への避難を促す合図だ。
ーーー僕は、どうしたらいい?ひとまず部屋を出て誰かと合流しよう。
そう思い立ち、最後にもう一度窓の外を見た。
結界が割れた空。
その空に西の森の方から赤黒い雲が涌いてきていた。青空はどんどんと赤黒く変化していく。
立ち尽くしたまま外を見ていると、ドォォォォンという音と共に部屋が大きく揺れて、僕は尻餅をついてしまった。シャンデリアは大きく揺れ、夜光貝の壁は所々ボロボロと崩れ白煙をあげている。
カナーディル城は確実に何者かに攻撃を開始されていた。
言われるがままに側に行くと、ひょいっと僕を持ち上げて自分の膝に軽々と乗せる。
リオルドは愛しそうに僕の髪を撫でながら話を始めた。
僕にとってコンプレックスである黒髪や黒い瞳はリオルドや一部の人達には魅力的に映るらしい。
「先程の王からの話なんだが、ジブリールもキーンも帰宅を許された。俺たちも本来はドルナー別邸に帰る。だがメイがまだ回復していないし、明日から王と王妃が城を離れる。アーノルドだけでは心許ないし、しばらく城に残ろうと思う」
「うん、わかった。王様達は何かあるの?」
「隣国の王子が結婚するんだ。王も今はあまり城を離れたくないようだが、祝い事だし行かない訳にはいかない」
「そうなんだ」
「あぁ、俺達の婚姻式にも来賓で来ていたからな。こちらも行かなければ…2人は1週間ほど城をあける」
「そっか。隣国の王子はどんな方と結婚するの?」
「…?少し離れたところにある南の国の第2王女だ。その2国は昔から貿易が盛んで交流がある。産まれた時から婚約者同士だ」
「ふーん。まぁ、そうだよね」
隣国の王子はどこかの国の美しいお姫様と結婚しました。
お伽話みたいじゃないか。
ーーーでもそれが普通だよね。
そもそも男子をルーツの子なんて呼んで、それを妃にしたてあげるカナーディルの方が世界的に見れば異質な存在だ。
髪を撫で終わったリオルドは両手でユウトを抱き締めて、今度は髪に顔を埋めた。
「くすぐったいよ!何?」
「ふっ、別にいいだろう」
普段なら僕も照れるところだけど、クリスの話を聞いてまだ気持ちの整理が出来ていない。
僕はいつもそうかも知れない。
リオルドを好きだけど、何か聞くと気持ちが揺れてばかりだ。
でも、嫌なものは嫌だ。
「本当にやめて」
リオルドは僕の髪に埋めていた顔を起こすと悲しそうに
「わかった」と言った。
「あと、ドルナーの西の森付近で魔犬や魔獣が大量に出ている」
「え!大丈夫なの?」
「住民は避難させているから大丈夫だ。だが、今までより規模が大きい。明日からの王の外出にも魔術師と兵士がついていく。それとは別にドルナーにも魔術師と兵士を派遣した」
「…大丈夫かな」
「明日から城は警備が手薄になる。魔術師は俺を含めて5人。兵士も通常よりはかなり少なくなる」
「この隙に何かが…とか無いよね?」
「考えられなくはない。穢れは…魔族か。何を考えているかわからない。だが、カナーディルには結界があるし、有事の際には領民達は地下に避難する場所がある。」
「避難先?じゃあ領民は大丈夫なんだね?」
「あぁ、決まったサイレンを鳴らせば地下に避難する様に普段から訓練してる。その場所は魔法で守られているし、しばらくは大丈夫だ。問題は城だな」
ユウトはゴクリと生唾を飲んだ。
「魔族の目的はカナーディルを滅ぼすことだろう。そうなれば狙われるのは王族。俺達だ。」
「うん」
いつ魔族が襲ってくるかわからない。
それが今のカナーディルの現状だ。
そうなった時、僕は自分で自分の身を守れるだろうか?
領民達を守れるだろうか…。
クリスと話して自分の中に生まれた感情は一旦蓋をしよう。今はその時じゃない。魔族の件が解決したらゆっくりと考えよう。
「ユウト…」
「…ん?…??」
リオルドは急に口づけをしてきた。
僅かに開いた口から舌を忍ばせてきて絡み付き、長く深いキスだった。
僕は途中で息が苦しくなり、リオルドの胸を両手でドンドン叩いた。
「はぁ...はぁ…な、何?真面目な話してたんだけど」
リオルドはコバルトブルーの瞳をうっすらと細めた。
「急にキスしたくなった」
「は、はぁ?何言ってるの?」
「ふっ。大丈夫だ。さっきも言ったがカナーディルには精霊レノディアの加護がある。結界が張られてるんだ。心配はいらない、だが、一応俺の側を離れるな」
ーーーそうだ。カナーディルは精霊レノディアの加護を受ける国。だからこそ今日まで大きな事件もなく、皆が平和に暮らしてこれたんだ。
「うん、わかった」
「よし!」と言うとリオルドは僕を膝から下ろした。
その後は食堂に行き、皆で少し早いディナーを食べた。
王はジブリールとルンベルク領の話をしていたし、王妃は明日から一人になるレイルに小言を並べていた。
アーノルドは一人で静かに食べ終わるとそそくさと食堂から出ていった。
キーンはもう自邸に帰ったそうでいなかった。
僕はリオルドとクリスの3人で話した。
クリスは楽しそうにリオルドの小さい時の話を僕に教えてくれたし、リオルドはそんな事まで言わなくていいと拗ねていた。城下町にある美味しいお菓子のお店の話や、とても面白い旅一座がいること。落ち着いたらお忍びで3人で城下町に遊びに行こうと盛り上がった。
城に来てからこんなに楽しく3人で話したのは初めてだった。
僕達3人の様子を王妃は遠くから微笑んで見ていたし、レイルは話に入りたそうだった。
給仕を手伝っていたメイド長のアンナも、少し寂しそうにだけれど微笑んで僕達を見ていた。
☆ ☆ ☆
「じゃあ、アーノルドとリオルド、城を任せたぞ」
「レイル!皆の言うことを聞いて良い子にしてるのよ!」
翌朝、王と王妃は朝一番に馬車に乗り隣国の婚姻式へと出掛けていった。
数人の魔術師と兵士と使用人。隣国への贈り物を携えての慌ただしい出発だった。
アーノルド夫妻と僕達とレイルは並んで2人を見送った。
今思い返しても平和な朝だったと思う。
「ねぇ、僕一人は怖いよ。今日からユウト達と一緒に寝たい」
レイルが瞳をウルウルさせて僕を見上げた。
金髪にコバルトブルーの瞳。レイルは本当に天使のようで、見た目はミニチュア版のリオルドだから僕はめっぽうレイルに弱い。
「うーん。そうか、怖いよね。一緒に寝る?僕はいいよ」
「ダメだ。一人で寝ろ」
「えー、リオルド兄さま冷たいよぉ」
「お前なぁ…!」
横からクスクスと笑ったのはクリスだった。
「レイル、いつも一人で寝てるじゃないか。怖いなら僕と一緒に寝るかい?」
「あー、もうクリスってば。何で言っちゃうの!もういいよ!」
レイルは頬を膨らますと城内に向かってプリプリと歩きだした。
「レイル、ごめんごめん」
「全くアイツは」
「何だいつも一人で寝てたんだ…」
レイルは歩みを止めて振り返ると「何してるの?ほら行くよ!」と急かした。
僕達は顔を見合わせて笑い、レイルの後に付いていった。
☆ ☆ ☆
王と王妃が城を出発して6時間くらい経った時だった。
ランチも終わった僕達は気ままに過ごしていた。
リオルドは魔術師達と訓練をすると城の脇にある訓練棟へ行ったし、僕は自室で本を読んでいた。
最初は書庫に行ったのだけど、王達の見送りの後すぐいなくなったアーノルドが居てジェイとお茶を飲んでいた。
何だかいたたまれなくなり本だけ借りて部屋に戻った。
ーーーそろそろ王様達もカナーディルを出て隣国に入った頃かな。
僕は読みかけの本を置いて窓の外をチラリと見た。
魔女の鴉がいつも通り僕を見ている。
突然の出来事だった。
パキンッという音と共に精霊レノディアの加護の証である結界にヒビが入るのが見えた。
僕は驚いて窓際に走り寄った。
結界に入ったヒビは段々と大きくなり、パリンという音と共にガラスの様に結界は割れ、少しずつ見えなくなり消えた。
ーーーレノディアの加護が…無くなった!?
カナーディルを長年覆い続けていた精霊レノディアの加護。その証である結界が割れた。
目の前で魔女の鴉が羽をバタバタさせカァカァと大きな声で鳴いている。鴉のあんな状態は初めてみる。
呆然とする僕の耳にけたたましく鳴る大きなサイレンの音が聞こえてきた。リオルドが昨日話していた…領民達に地下への避難を促す合図だ。
ーーー僕は、どうしたらいい?ひとまず部屋を出て誰かと合流しよう。
そう思い立ち、最後にもう一度窓の外を見た。
結界が割れた空。
その空に西の森の方から赤黒い雲が涌いてきていた。青空はどんどんと赤黒く変化していく。
立ち尽くしたまま外を見ていると、ドォォォォンという音と共に部屋が大きく揺れて、僕は尻餅をついてしまった。シャンデリアは大きく揺れ、夜光貝の壁は所々ボロボロと崩れ白煙をあげている。
カナーディル城は確実に何者かに攻撃を開始されていた。
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