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独裁-1
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○日本国憲法
なし
●自民党日本国憲法改正草案
(緊急事態の宣言の効果)
第九十九条 緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。
2 前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない。
3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。
4 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。
最後に見たのはツキミの背中だった。それから彷徨って、死に損なって、こんなところで火に当たっている。寛は自分が情けなかった。
その情けなさは決して一思いに死ねなかったから、だとかいう馬鹿らしい理由ではない。おばさんとの約束を蔑ろにしてしまったことが情けなかったのだ。自殺薬を使わなければいいなどというわけがあるまい。
寛の中で多くのことが意味を失い、それは今でもそのままだ。だが、頭を巡るのはツキミのことばかりだ。
同時に社会への怒りとも不満とも言えぬ感情が内から沸々と湧き出てくるのを感じた。それは体が温まって来るに連れて大きくなった。
老人は木を削って何かを作っていた。こちらを気にする様子もなく、没頭しているようだ。声をかけては悪いかとも思ったが、気になったので寛は声をかけた。
「何を作ってるんですか?」
老人は手を止めず、しかし柔らかな表情で答えてくれた。
「猫です」
「猫?お好きなんですか?」
「はい。一番好きな動物です」
「彫刻は昔から?」
「いえ、始めたのは数年ほど前からです。唯一の趣味ですね」
「楽しいですか?」
「はい。楽しいですよ。やってみますか?」
「いえ、自分はそういうのは苦手でして」
「私も不器用なものですから、実は苦手です」
「はぁ、よく続きますね。苦手だと嫌になりませんか?」
「ここでは、私一人ですから比べる相手もいません。誰かに習ったこともありませんから、自分の好きなように努力できるのです。ですので、非常に豊かに楽しめています」
老人はこちらを見て、そうにこやかに答えてくれた。
その姿を見て、寛はこの老人に聞きたくなった。
「何で、こんな社会になってしまったんですかね?」
焚き火の火を眺めながら言った。
「こんなとは、どんなものでしょう?」
焚き火の向こうで老人が言う。
「憲法は変わり、自殺薬が配られ、金持ちはより金持ちに貧乏人はより貧乏に、自由は制限されて義務ばかり課され、都合のいいものの見方しか教えられず、偏狭なナショナリストが溢れてレイシストが跋扈し、そのくせ最低限の保障さえない。一体全体、なにが楽しくて、国民はこんな国を望んだのでしょうか?」
老人はゆっくりと頷いた。火に照らされて老人の顔に複雑な模様が浮かんだ。
「難しい問題ですね。とても私などに答えられるものではなさそうです」
そうはいっても自分よりは詳しいだろうと寛は思った。何せ憲法改正が行われた時はまだ寛は年端も行かぬ子供だったのだ。
「わかる範囲で構いませんので教えてくれませんか?」
「教科書には書いていないのですか?」
「ないですね」
小学生の時の歴史の授業には天皇による国の成り立ちが物語形式で語られていた。中学に入ると、歴史の授業は必修科目ではなくなった。代わりにプログラミングの授業が大幅に増えた。高校に入ってもそれは変わらなかったし、たとえ履修しても戦前までは念入りに学ぶのに、戦後になるとまるで軽やかにスキップするかのように終えた。
「そうですか。ではご両親は教えてくれないのですか?」
「はい」
寛の両親は昔のことを聞かれるのを嫌がった。寛の両親だけではない。多くの憲法改正前を知る人々はそのことを話したがらなかった。学校の教師も口をつぐむばかりだった。唯一ツキミの母だけが聞けば答えてくれたが、多くのことを聞く前に亡くなってしまった。
なぜ皆教えてくれないのだろう?そう聞いたこともあった。そうしたら、それはもう少し大人になったら理解ると思うと珍しく濁されてしまった。
自殺薬が届いてしばらく経って、ふと気づいたことがあった。街で老人を見かけることが異様に少ないことだ。テレビでは老人を見ることはあったが、実際に話したことはなかった。両親になぜ自分には祖父母は居ないのか?聞く機会もなかった。なぜなら、周りを見渡しても祖父母のいる家は無かったからだ。
恐らく他の地域、例えば特区などにはいるだろう。つまり、金持ちの老人以外のほとんどが自殺薬を飲んで死亡しているのである。それは今、この時も人知れず起こっていることだ。この異様さに気づいた時、多くの人々が同様の罪を背負っているのだと気づいた。
だから夜の森のなかで老人と二人きりで話している状況は、寛にとってどこかこの世のものではないような不思議な気分を生じさせていた。
老人は逡巡しているようだったが、やがて小さなナイフを折りたたんだ。
「それでは仕方がないですね。期待に応えられるかはわかりませんが、やってみましょう。しかし、その前にあなたにきちんと伝えねばならないことがあります」
「何ですか?」
「実は私は改憲の前年度位にようやく政治に興味を持ったのです。それまでは全く興味がありませんでしたから、選挙にも一切行きませんでした。何も理解らずに投票することは良しとはしなかったのです。しかし、積極的に知ろうともしませんでした。ですので、このような世の中になってしまったことは、私にも責任の一端はあるのです。当時選挙権の無かったあなたのような若い人々には、大変申し訳ないと思っています」
そう言って、老人は頭を下げた。
寛は少なからず落胆したような気持ちが浮かんだが、この老人一人にすべての責任があるでもなし、怒るわけにもいかなかった。
「頭を上げてください。別にあなた一人のせいではないですよ」
「そう言ってくれる優しさには感謝します。
しかし、やはり無関心は罪なのです。
旧憲法第十二条には『この憲法が国民に保証する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない』と書いてありました。目を離せば自由や権力は奪われ得るものであるということを日本は経験的にも知っていたのです。政治、つまり国家権力と国民の関係は決してお友達でもお上でもないのです。常に対峙し、監視していかなければならないものだったのです。それを怠った結果、私達はあなた方に償っても償いきれない罪を背負ってしまいました。
だから、せめてもの罪滅ぼしというわけではありませんが、あなたの知りたいことに精一杯答えようと思います」
炎の向こうで老人が言う。静かな声音ではあるが、内に迸る激情を寛は感じ取った。この老人は山中で一人、ずっと罪の意識と戦ってきたのだろうか。国家権力に施された自殺薬を拒否し、木と向き合うことで精神を保ちながら。それはとても辛い罰のように寛には思えた。
「わかりました。それにしても、一体なぜ憲法改正の前年度になって、政治に興味をお持ちになったのでしょう?それまで興味がなければもうずっと興味がなくてもおかしくはないと思うのですが、やはり憲法という大きなものが変わってしまうかもしれないという思いからだったのでしょうか?」
「いいえ、正直に言って、改憲だけでしたらやはり他人事のような感覚だったと思います。直前になってテレビで放送しているのを見て、なんとなく投票するかも知れないし、しないかもしれない。その程度の意識しかありませんでした。しかし、私にとって衝撃的だった出来事はその前年度に起こっており、そこで意識が変わったのです。
それはとある女性国会議員が書いた、LGBTには生産性が無いので彼らのために税金を使うのは無駄であるといった趣旨の論文でした」
なし
●自民党日本国憲法改正草案
(緊急事態の宣言の効果)
第九十九条 緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。
2 前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない。
3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。
4 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。
最後に見たのはツキミの背中だった。それから彷徨って、死に損なって、こんなところで火に当たっている。寛は自分が情けなかった。
その情けなさは決して一思いに死ねなかったから、だとかいう馬鹿らしい理由ではない。おばさんとの約束を蔑ろにしてしまったことが情けなかったのだ。自殺薬を使わなければいいなどというわけがあるまい。
寛の中で多くのことが意味を失い、それは今でもそのままだ。だが、頭を巡るのはツキミのことばかりだ。
同時に社会への怒りとも不満とも言えぬ感情が内から沸々と湧き出てくるのを感じた。それは体が温まって来るに連れて大きくなった。
老人は木を削って何かを作っていた。こちらを気にする様子もなく、没頭しているようだ。声をかけては悪いかとも思ったが、気になったので寛は声をかけた。
「何を作ってるんですか?」
老人は手を止めず、しかし柔らかな表情で答えてくれた。
「猫です」
「猫?お好きなんですか?」
「はい。一番好きな動物です」
「彫刻は昔から?」
「いえ、始めたのは数年ほど前からです。唯一の趣味ですね」
「楽しいですか?」
「はい。楽しいですよ。やってみますか?」
「いえ、自分はそういうのは苦手でして」
「私も不器用なものですから、実は苦手です」
「はぁ、よく続きますね。苦手だと嫌になりませんか?」
「ここでは、私一人ですから比べる相手もいません。誰かに習ったこともありませんから、自分の好きなように努力できるのです。ですので、非常に豊かに楽しめています」
老人はこちらを見て、そうにこやかに答えてくれた。
その姿を見て、寛はこの老人に聞きたくなった。
「何で、こんな社会になってしまったんですかね?」
焚き火の火を眺めながら言った。
「こんなとは、どんなものでしょう?」
焚き火の向こうで老人が言う。
「憲法は変わり、自殺薬が配られ、金持ちはより金持ちに貧乏人はより貧乏に、自由は制限されて義務ばかり課され、都合のいいものの見方しか教えられず、偏狭なナショナリストが溢れてレイシストが跋扈し、そのくせ最低限の保障さえない。一体全体、なにが楽しくて、国民はこんな国を望んだのでしょうか?」
老人はゆっくりと頷いた。火に照らされて老人の顔に複雑な模様が浮かんだ。
「難しい問題ですね。とても私などに答えられるものではなさそうです」
そうはいっても自分よりは詳しいだろうと寛は思った。何せ憲法改正が行われた時はまだ寛は年端も行かぬ子供だったのだ。
「わかる範囲で構いませんので教えてくれませんか?」
「教科書には書いていないのですか?」
「ないですね」
小学生の時の歴史の授業には天皇による国の成り立ちが物語形式で語られていた。中学に入ると、歴史の授業は必修科目ではなくなった。代わりにプログラミングの授業が大幅に増えた。高校に入ってもそれは変わらなかったし、たとえ履修しても戦前までは念入りに学ぶのに、戦後になるとまるで軽やかにスキップするかのように終えた。
「そうですか。ではご両親は教えてくれないのですか?」
「はい」
寛の両親は昔のことを聞かれるのを嫌がった。寛の両親だけではない。多くの憲法改正前を知る人々はそのことを話したがらなかった。学校の教師も口をつぐむばかりだった。唯一ツキミの母だけが聞けば答えてくれたが、多くのことを聞く前に亡くなってしまった。
なぜ皆教えてくれないのだろう?そう聞いたこともあった。そうしたら、それはもう少し大人になったら理解ると思うと珍しく濁されてしまった。
自殺薬が届いてしばらく経って、ふと気づいたことがあった。街で老人を見かけることが異様に少ないことだ。テレビでは老人を見ることはあったが、実際に話したことはなかった。両親になぜ自分には祖父母は居ないのか?聞く機会もなかった。なぜなら、周りを見渡しても祖父母のいる家は無かったからだ。
恐らく他の地域、例えば特区などにはいるだろう。つまり、金持ちの老人以外のほとんどが自殺薬を飲んで死亡しているのである。それは今、この時も人知れず起こっていることだ。この異様さに気づいた時、多くの人々が同様の罪を背負っているのだと気づいた。
だから夜の森のなかで老人と二人きりで話している状況は、寛にとってどこかこの世のものではないような不思議な気分を生じさせていた。
老人は逡巡しているようだったが、やがて小さなナイフを折りたたんだ。
「それでは仕方がないですね。期待に応えられるかはわかりませんが、やってみましょう。しかし、その前にあなたにきちんと伝えねばならないことがあります」
「何ですか?」
「実は私は改憲の前年度位にようやく政治に興味を持ったのです。それまでは全く興味がありませんでしたから、選挙にも一切行きませんでした。何も理解らずに投票することは良しとはしなかったのです。しかし、積極的に知ろうともしませんでした。ですので、このような世の中になってしまったことは、私にも責任の一端はあるのです。当時選挙権の無かったあなたのような若い人々には、大変申し訳ないと思っています」
そう言って、老人は頭を下げた。
寛は少なからず落胆したような気持ちが浮かんだが、この老人一人にすべての責任があるでもなし、怒るわけにもいかなかった。
「頭を上げてください。別にあなた一人のせいではないですよ」
「そう言ってくれる優しさには感謝します。
しかし、やはり無関心は罪なのです。
旧憲法第十二条には『この憲法が国民に保証する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない』と書いてありました。目を離せば自由や権力は奪われ得るものであるということを日本は経験的にも知っていたのです。政治、つまり国家権力と国民の関係は決してお友達でもお上でもないのです。常に対峙し、監視していかなければならないものだったのです。それを怠った結果、私達はあなた方に償っても償いきれない罪を背負ってしまいました。
だから、せめてもの罪滅ぼしというわけではありませんが、あなたの知りたいことに精一杯答えようと思います」
炎の向こうで老人が言う。静かな声音ではあるが、内に迸る激情を寛は感じ取った。この老人は山中で一人、ずっと罪の意識と戦ってきたのだろうか。国家権力に施された自殺薬を拒否し、木と向き合うことで精神を保ちながら。それはとても辛い罰のように寛には思えた。
「わかりました。それにしても、一体なぜ憲法改正の前年度になって、政治に興味をお持ちになったのでしょう?それまで興味がなければもうずっと興味がなくてもおかしくはないと思うのですが、やはり憲法という大きなものが変わってしまうかもしれないという思いからだったのでしょうか?」
「いいえ、正直に言って、改憲だけでしたらやはり他人事のような感覚だったと思います。直前になってテレビで放送しているのを見て、なんとなく投票するかも知れないし、しないかもしれない。その程度の意識しかありませんでした。しかし、私にとって衝撃的だった出来事はその前年度に起こっており、そこで意識が変わったのです。
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