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第2章 新天地
15話
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「さぁ諸君! 行くわよ!」
軍刀を天高く掲げ叫び、振り下ろした。
極東から取り寄せた一級品だ。
「予定通りに進めなさい!」
私の怒号と共に全軍が攻撃を開始する。
先ほどよりも士気は上がっている。
今まで軽く見ていた相手が案外強固な抵抗を示したため、対抗心が沸いているのだろう。
全軍が予定通り市街地を進んでいく。
士気は高いものの、その行動は極めて慎重だ。
敵がいると思われる家々を慎重に制圧しながら進んでいく。
彼らの背後からは戦車部隊が断続的に砲撃を実施し敵を圧迫していく。
「第1中隊。配下の部隊が敵の軽機関銃部隊と接敵、現在交戦中なるも進撃難しく」
「第2中隊。道路がふさがれており進撃困難、現在迂回路を捜索中」
「第3中隊。現在敵の2個中隊と交戦中。突破は難しいかと
「第4中隊。敵の歩兵と接敵、規模は1個中隊規模」
海蛇大隊の各中隊から次々と報告が上がって来る。
どうやら海軍歩兵まで出てきているようだ。
彼らは満足な装備を一切有しておらず、実情は海軍基地の司令部要員だと聞いている。
「各中隊、敵の主力の位置は分かったかしら」
私がそう問うと各中隊から「否」と返ってきた。
この期に及んで出し渋りをしているのだろうか。
だとすれば非常に厄介だ。
私の目的は敵主力をつり出し、その間に空いた後方へ選抜歩兵と共に突入し司令部を強襲。
のちに各個撃破というものであったのだが、それはどうやら難しいらしい。
さて、どうしたものか。
「こちらA中隊! 敵歩兵中隊と交戦中!」
「こちらD中隊及びE中隊。敵の歩兵中隊と交戦中」
「こちらF中隊。敵歩兵を完全に押しとどめました」
アレックス大佐の元に各中隊からの報告が上がって来る。
「A中隊にはB中隊を向かわせろ」
報告に合わせ手早く指示を飛ばす。
敵はなぜだかわからないが歩兵大隊のみで攻撃してきている。
遠方から戦車中隊が砲撃を加えているがさしたる影響はない。
少しばかり士気が萎縮してはいるものの、こちらが優勢と解ればそれも盛り返した。
「こちらC中隊。敵中隊に奇襲を仕掛けます」
C中隊が市街地で右往左往している敵の中隊をようやく捕捉したらしい。
「よろしい。無理はしないように」
落ち着いて一手一手を指していく。
だが、後方に待機させているH、I、J中隊は使うことができない。
再編成の結果、その多くが負傷兵で占められるそれは現在予備兵力として扱ってはいるがまともな戦力になるかは疑問がある。
つまりはロレンス少佐の手元に残っているのはE中隊のみ。
敵の新手が現れればどうしようもなくなってしまう。
すると息を切らした副官が駆け込んできた。
A中隊の潰走が彼へと伝えられた。
私は敵の効率よく張られた防衛線に感嘆しながらもある疑惑を抱いていた。
(あまりにも敵の手際がいい)ということであった。
そしてある結論に至った。
恐らくだが、敵の中隊数は9個。
そして前面に出てきているのが5個。
だがそれ以上増援が来る気配はない。
確かにこちらの第2中隊が敵中隊の奇襲を受け壊滅しそうになった。
でも、それだけだ。
敵は圧倒的に兵力で勝っている。
にもかかわらず、前面を補強するばかりで迂回機動を取らないということは敵の余裕、若しくは機動戦を行うだけの戦力が無いということになる。
一か所突破してしまえばこちらのものだ。
私はそう確信していた。
だが問題はある。
どこを突破するのか、どうやって突破するのかということだ。
「旅団長。どうせなら派手にいきませんと」
私が思案していると一人の兵がそう言ってきた。
なるほど、それもそうだ。
「では諸君、逝こうじゃないか! 勝利のために!」
私は軍刀を掲げ、歩みを進めた。
目的地は一つ。
最も大胆なことをしようじゃないか。
左手にはドイツ製の短機関銃。
これでもって敵を撃破して見せよう。
向かった先はわが軍の中央。
敵の1個中隊と交戦しながらも少しずつ後退している地点だ。
少し南では敵の2個中隊と交戦している中隊もあるが、そこはロレンス少佐が行ってしまった。
兵力自体では南の方が劣勢なのだが、中央は敵の機関銃が多く苦戦している。
敵を撃滅しつつ、中央を突破できたのならばそれは大きな価値がある。
「中隊長、どうかしら?」
戦闘が行われている地点から少し後方に下がったところに中隊長はいた。
後ろとはいっても時折銃弾は飛んでくる、
「ハッ、前方の家屋に機関銃が潜んでいるのですが、無理攻めしようとすると左右から攻撃を受けてしまい……」
なるほど。
現在戦闘している地点はT字路になっている。
突き当りの家屋に機関銃がおり、T字路の左右に伸びた道にも機関銃がいるということらしい。
なら、とる行動は一つしかないだろう。
「中隊長、現状維持しなさい。私が直々に見てくるわ」
「……またですか」
またとはどういうことかと詰め寄りたくなるがあきらめよう。
「さて諸君、続きなさい」
私は後ろに続く兵たちにそういうと銃弾飛び交う最前線へと向かった。
鳴り響く銃声。
倒れた障害物や吹き飛んで立てかけられている板などに身をかがめる。
「ねぇ。またってどういうこと?」
身をかがめながらリマイナがそう尋ねてきた。
「ちょっとアフリカで……ね?」
私はそう言葉を濁した。
頬に傷をつけたことを彼女が知ったらなんと反応するだろうか。
恐らくいい反応ではない。
「4名私に続きなさい。残りはリマイナと待機」
私は唐突にそう伝える。
驚いたように目を丸くするリマイナだが、ついてきた以上やることはやってもらう。
「リマイナ・ルーカス中尉。合図をしたら来い」
私は極めて厳しい言葉でそう言った。
歩兵士官であるには極めて厳格な統率力が必要なのだ。
選抜した5名はいずれも曹であった。
海蛇大隊の曹というのは卓越した技術を持つ。
彼らは部隊の中核で、兵たちの手本とされる。
「続け」
私は彼らを率いて、T字路の角にある3階建ての家に入る。
道路が機関銃でふさがれているのなら律義にそこを突破する必要はない。
迂回すればいいのだ。
脳からアドレナリンがあふれだす。
「諸君、我々の仕事はなにかね?」
背後の5人に尋ねる。
「殺人ですな」
一人が答えた。
「そうだ、我々は犯罪者だ何か恐れることはあるかね?」
「なにもございやせん」
驚くほどにスムーズに繰り返される問答。
戸を蹴破り、部屋を制圧しながら問答を続ける。
「我等は命を惜しまぬ精兵である」
「是」
次の戸を蹴破ると目の前にイギリスの負傷兵がいた。
いや、正確に言うと負傷している兵だ。
足から血を流し、右腕はずり落ちているのに左手で必死に拳銃をこちらに構えている。
パン。
短い乾いた銃声が響く。
「利き腕じゃなきゃぁ、当たらないわよ」
私はそうあざ笑い彼に照準を合わせた。
敵はカタカタと震える手でまた拳銃の引き金を引いた。
カチッ、カチッ。
どうやら、弾切れらしい。
私はそんな敵を哀れに思いつつ、無表情で短機関銃の引き金を引く。
ダダダダッ。
「旅団長、遊びすぎでは?」
息絶えた敵兵に銃剣を突き刺し死亡を確認した一人の兵がそう尋ねてきた。
私は無意識に口角が釣りあがっていた。
そして、こう言った。
「私が生きているという実感が欲しいのよ」
軍刀を天高く掲げ叫び、振り下ろした。
極東から取り寄せた一級品だ。
「予定通りに進めなさい!」
私の怒号と共に全軍が攻撃を開始する。
先ほどよりも士気は上がっている。
今まで軽く見ていた相手が案外強固な抵抗を示したため、対抗心が沸いているのだろう。
全軍が予定通り市街地を進んでいく。
士気は高いものの、その行動は極めて慎重だ。
敵がいると思われる家々を慎重に制圧しながら進んでいく。
彼らの背後からは戦車部隊が断続的に砲撃を実施し敵を圧迫していく。
「第1中隊。配下の部隊が敵の軽機関銃部隊と接敵、現在交戦中なるも進撃難しく」
「第2中隊。道路がふさがれており進撃困難、現在迂回路を捜索中」
「第3中隊。現在敵の2個中隊と交戦中。突破は難しいかと
「第4中隊。敵の歩兵と接敵、規模は1個中隊規模」
海蛇大隊の各中隊から次々と報告が上がって来る。
どうやら海軍歩兵まで出てきているようだ。
彼らは満足な装備を一切有しておらず、実情は海軍基地の司令部要員だと聞いている。
「各中隊、敵の主力の位置は分かったかしら」
私がそう問うと各中隊から「否」と返ってきた。
この期に及んで出し渋りをしているのだろうか。
だとすれば非常に厄介だ。
私の目的は敵主力をつり出し、その間に空いた後方へ選抜歩兵と共に突入し司令部を強襲。
のちに各個撃破というものであったのだが、それはどうやら難しいらしい。
さて、どうしたものか。
「こちらA中隊! 敵歩兵中隊と交戦中!」
「こちらD中隊及びE中隊。敵の歩兵中隊と交戦中」
「こちらF中隊。敵歩兵を完全に押しとどめました」
アレックス大佐の元に各中隊からの報告が上がって来る。
「A中隊にはB中隊を向かわせろ」
報告に合わせ手早く指示を飛ばす。
敵はなぜだかわからないが歩兵大隊のみで攻撃してきている。
遠方から戦車中隊が砲撃を加えているがさしたる影響はない。
少しばかり士気が萎縮してはいるものの、こちらが優勢と解ればそれも盛り返した。
「こちらC中隊。敵中隊に奇襲を仕掛けます」
C中隊が市街地で右往左往している敵の中隊をようやく捕捉したらしい。
「よろしい。無理はしないように」
落ち着いて一手一手を指していく。
だが、後方に待機させているH、I、J中隊は使うことができない。
再編成の結果、その多くが負傷兵で占められるそれは現在予備兵力として扱ってはいるがまともな戦力になるかは疑問がある。
つまりはロレンス少佐の手元に残っているのはE中隊のみ。
敵の新手が現れればどうしようもなくなってしまう。
すると息を切らした副官が駆け込んできた。
A中隊の潰走が彼へと伝えられた。
私は敵の効率よく張られた防衛線に感嘆しながらもある疑惑を抱いていた。
(あまりにも敵の手際がいい)ということであった。
そしてある結論に至った。
恐らくだが、敵の中隊数は9個。
そして前面に出てきているのが5個。
だがそれ以上増援が来る気配はない。
確かにこちらの第2中隊が敵中隊の奇襲を受け壊滅しそうになった。
でも、それだけだ。
敵は圧倒的に兵力で勝っている。
にもかかわらず、前面を補強するばかりで迂回機動を取らないということは敵の余裕、若しくは機動戦を行うだけの戦力が無いということになる。
一か所突破してしまえばこちらのものだ。
私はそう確信していた。
だが問題はある。
どこを突破するのか、どうやって突破するのかということだ。
「旅団長。どうせなら派手にいきませんと」
私が思案していると一人の兵がそう言ってきた。
なるほど、それもそうだ。
「では諸君、逝こうじゃないか! 勝利のために!」
私は軍刀を掲げ、歩みを進めた。
目的地は一つ。
最も大胆なことをしようじゃないか。
左手にはドイツ製の短機関銃。
これでもって敵を撃破して見せよう。
向かった先はわが軍の中央。
敵の1個中隊と交戦しながらも少しずつ後退している地点だ。
少し南では敵の2個中隊と交戦している中隊もあるが、そこはロレンス少佐が行ってしまった。
兵力自体では南の方が劣勢なのだが、中央は敵の機関銃が多く苦戦している。
敵を撃滅しつつ、中央を突破できたのならばそれは大きな価値がある。
「中隊長、どうかしら?」
戦闘が行われている地点から少し後方に下がったところに中隊長はいた。
後ろとはいっても時折銃弾は飛んでくる、
「ハッ、前方の家屋に機関銃が潜んでいるのですが、無理攻めしようとすると左右から攻撃を受けてしまい……」
なるほど。
現在戦闘している地点はT字路になっている。
突き当りの家屋に機関銃がおり、T字路の左右に伸びた道にも機関銃がいるということらしい。
なら、とる行動は一つしかないだろう。
「中隊長、現状維持しなさい。私が直々に見てくるわ」
「……またですか」
またとはどういうことかと詰め寄りたくなるがあきらめよう。
「さて諸君、続きなさい」
私は後ろに続く兵たちにそういうと銃弾飛び交う最前線へと向かった。
鳴り響く銃声。
倒れた障害物や吹き飛んで立てかけられている板などに身をかがめる。
「ねぇ。またってどういうこと?」
身をかがめながらリマイナがそう尋ねてきた。
「ちょっとアフリカで……ね?」
私はそう言葉を濁した。
頬に傷をつけたことを彼女が知ったらなんと反応するだろうか。
恐らくいい反応ではない。
「4名私に続きなさい。残りはリマイナと待機」
私は唐突にそう伝える。
驚いたように目を丸くするリマイナだが、ついてきた以上やることはやってもらう。
「リマイナ・ルーカス中尉。合図をしたら来い」
私は極めて厳しい言葉でそう言った。
歩兵士官であるには極めて厳格な統率力が必要なのだ。
選抜した5名はいずれも曹であった。
海蛇大隊の曹というのは卓越した技術を持つ。
彼らは部隊の中核で、兵たちの手本とされる。
「続け」
私は彼らを率いて、T字路の角にある3階建ての家に入る。
道路が機関銃でふさがれているのなら律義にそこを突破する必要はない。
迂回すればいいのだ。
脳からアドレナリンがあふれだす。
「諸君、我々の仕事はなにかね?」
背後の5人に尋ねる。
「殺人ですな」
一人が答えた。
「そうだ、我々は犯罪者だ何か恐れることはあるかね?」
「なにもございやせん」
驚くほどにスムーズに繰り返される問答。
戸を蹴破り、部屋を制圧しながら問答を続ける。
「我等は命を惜しまぬ精兵である」
「是」
次の戸を蹴破ると目の前にイギリスの負傷兵がいた。
いや、正確に言うと負傷している兵だ。
足から血を流し、右腕はずり落ちているのに左手で必死に拳銃をこちらに構えている。
パン。
短い乾いた銃声が響く。
「利き腕じゃなきゃぁ、当たらないわよ」
私はそうあざ笑い彼に照準を合わせた。
敵はカタカタと震える手でまた拳銃の引き金を引いた。
カチッ、カチッ。
どうやら、弾切れらしい。
私はそんな敵を哀れに思いつつ、無表情で短機関銃の引き金を引く。
ダダダダッ。
「旅団長、遊びすぎでは?」
息絶えた敵兵に銃剣を突き刺し死亡を確認した一人の兵がそう尋ねてきた。
私は無意識に口角が釣りあがっていた。
そして、こう言った。
「私が生きているという実感が欲しいのよ」
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