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第一章【異世界出会い掲示板始めました】
第2話―はじめての掲示板
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マッシュは出会い掲示板【ファインド・ラブ】に貼られたわら半紙に目をやった。
======================
タイトル「真剣なお付き合いを求めています」
ニックネーム「テプロン・バウ・シュルシカ」
20代中・1月・バウ種族・男・74区
——————————————————————
当方バウ種族のハマ教徒です。
現在は自由神官をやっております。
最近まで冒険者をやっておりましたが、諸事情
によりパーティーが解散となりました。
そこで自由神官では無く、お勤め神官に転職を
考えております。
この王国に骨を埋める覚悟です。
わたくしと一生を共にしてくださるお方を探し
ております。
希望はバウ種族かミャウ種族ですが、わたくし
をご理解いただける方でしたら種族は問いません。
もしよければ一度お目にかかってお話などさせ
ていただけると嬉しく思います。
よろしくお願いします。
======================
テプロン・バウ・シュルシカだって?
マッシュは聞いたことのある名前に驚いた。最近解散したという74区では有名だった冒険者パーティーの回復役だったはずだ。真面目一筋の彼がこんな妖しい掲示板で生涯のパートナー……つまり嫁を募集していることに驚くしか無かった。
マッシュはさらに別の書き込みを読んでみた。
======================
タイトル「美味しいお酒を飲みませんか?」
ニックネーム「たゆたう波に煌めく月光」
20代前・6月・人間・男・74区
——————————————————————
木々の新緑が春光に映えるようになりましたね。
こんな日はお酒でも飲んでゆっくりと過ごした
いものです
しかし一人で飲むお酒というのは、どんなに高
級なワインと言えども味気なく感じてしまいます。
そこで寂しく一人飲みするわたくしに付き合っ
てくださる優しいご婦人はいらっしゃいませんか?
もちろんご婦人にお金を払わせるような無粋な
真似はいたしません。
どうぞ手ぶらでおいでください。
お時間や日にちは合わせますので、どうぞお気
軽にメールを出してください。
お待ちしております。
======================
今度は随分とキザな文章にマッシュは砂を吐きそうになった。
「……メールってなんだ?」
「ああ、この掲示板専用の手紙の事さ」
「じゃあ手紙でいいじゃないか」
「区別したかったんだよ」
「……なるほど」
マッシュは良くわからなかったが、とりあえず頷いておいた。
他のわら半紙を見ていてあることに気がつく。
「なぁ女の書き込みってのは存在しないのか?」
「そっちの黒板を見てくれ」
「黒板?」
「隣の黒い板の方だ……おっと、ちょうど今従業員が書き込む所さ」
黒い髪の青年が座っているカウンターの横にあるドアから、若い女性が出てきた。メガネを掛けた、少し知的な感じだが幼さの方が目立つ。
メガネの女は手にした木の板で出来た変わった書類留めを見ながら、黒板と呼ばれる黒い板に、白い石を使って文字を書き込んでいく。
そして元々書かれていたいくつかを布で擦って消して去っていった。
黒板には、これまた几帳面に列になって書き込まれていた。マッシュの他にも色んな男性が、この黒板とにらめっこしている。
======================
タイトル「誰かあたいを慰めてくれよ……」
ニックネーム「鉄剣ボーラ」
20代中・4月・人間・女・74区
======================
======================
タイトル「女性のお友達を募集しています」
ニックネーム「お星さま」
10代後・6月・人間・女・33区
======================
======================
タイトル「女騎士で良いと言ってくれる男性」
ニックネーム「キシリッシュ・ソード」
20代中・5月・人間・女・9区
======================
======================
タイトル「今夜9時に一緒に飲みに行きましょう?」
ニックネーム「えりか」
20代前・3月・人間・女・74区
======================
こんな風に女性の書き込みが並んでいた。鉄剣ボーラと言えば先の回復魔法の使い手と同じパーティーメンバーの女戦士だったはずだ。
さらにソード家と言ったら、この国の有名な騎士の家系である。娘の名前までは覚えていないが、キシリッシュという騎士がいた記憶はあった。
いったい何がどうなっているのかと、マッシュは頭を抱えた。
しかしそんな事よりも気になることがある。
「なあ、こっちの本文はどこにあるんだ?」
黒髪の青年はニヤリと敬語で言った。
「ラブポイントを使えば読めますよ」
マッシュにとって、悪魔が微笑んだ瞬間であった。
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タイトル「真剣なお付き合いを求めています」
ニックネーム「テプロン・バウ・シュルシカ」
20代中・1月・バウ種族・男・74区
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当方バウ種族のハマ教徒です。
現在は自由神官をやっております。
最近まで冒険者をやっておりましたが、諸事情
によりパーティーが解散となりました。
そこで自由神官では無く、お勤め神官に転職を
考えております。
この王国に骨を埋める覚悟です。
わたくしと一生を共にしてくださるお方を探し
ております。
希望はバウ種族かミャウ種族ですが、わたくし
をご理解いただける方でしたら種族は問いません。
もしよければ一度お目にかかってお話などさせ
ていただけると嬉しく思います。
よろしくお願いします。
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テプロン・バウ・シュルシカだって?
マッシュは聞いたことのある名前に驚いた。最近解散したという74区では有名だった冒険者パーティーの回復役だったはずだ。真面目一筋の彼がこんな妖しい掲示板で生涯のパートナー……つまり嫁を募集していることに驚くしか無かった。
マッシュはさらに別の書き込みを読んでみた。
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タイトル「美味しいお酒を飲みませんか?」
ニックネーム「たゆたう波に煌めく月光」
20代前・6月・人間・男・74区
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木々の新緑が春光に映えるようになりましたね。
こんな日はお酒でも飲んでゆっくりと過ごした
いものです
しかし一人で飲むお酒というのは、どんなに高
級なワインと言えども味気なく感じてしまいます。
そこで寂しく一人飲みするわたくしに付き合っ
てくださる優しいご婦人はいらっしゃいませんか?
もちろんご婦人にお金を払わせるような無粋な
真似はいたしません。
どうぞ手ぶらでおいでください。
お時間や日にちは合わせますので、どうぞお気
軽にメールを出してください。
お待ちしております。
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今度は随分とキザな文章にマッシュは砂を吐きそうになった。
「……メールってなんだ?」
「ああ、この掲示板専用の手紙の事さ」
「じゃあ手紙でいいじゃないか」
「区別したかったんだよ」
「……なるほど」
マッシュは良くわからなかったが、とりあえず頷いておいた。
他のわら半紙を見ていてあることに気がつく。
「なぁ女の書き込みってのは存在しないのか?」
「そっちの黒板を見てくれ」
「黒板?」
「隣の黒い板の方だ……おっと、ちょうど今従業員が書き込む所さ」
黒い髪の青年が座っているカウンターの横にあるドアから、若い女性が出てきた。メガネを掛けた、少し知的な感じだが幼さの方が目立つ。
メガネの女は手にした木の板で出来た変わった書類留めを見ながら、黒板と呼ばれる黒い板に、白い石を使って文字を書き込んでいく。
そして元々書かれていたいくつかを布で擦って消して去っていった。
黒板には、これまた几帳面に列になって書き込まれていた。マッシュの他にも色んな男性が、この黒板とにらめっこしている。
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タイトル「誰かあたいを慰めてくれよ……」
ニックネーム「鉄剣ボーラ」
20代中・4月・人間・女・74区
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タイトル「女性のお友達を募集しています」
ニックネーム「お星さま」
10代後・6月・人間・女・33区
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タイトル「女騎士で良いと言ってくれる男性」
ニックネーム「キシリッシュ・ソード」
20代中・5月・人間・女・9区
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タイトル「今夜9時に一緒に飲みに行きましょう?」
ニックネーム「えりか」
20代前・3月・人間・女・74区
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こんな風に女性の書き込みが並んでいた。鉄剣ボーラと言えば先の回復魔法の使い手と同じパーティーメンバーの女戦士だったはずだ。
さらにソード家と言ったら、この国の有名な騎士の家系である。娘の名前までは覚えていないが、キシリッシュという騎士がいた記憶はあった。
いったい何がどうなっているのかと、マッシュは頭を抱えた。
しかしそんな事よりも気になることがある。
「なあ、こっちの本文はどこにあるんだ?」
黒髪の青年はニヤリと敬語で言った。
「ラブポイントを使えば読めますよ」
マッシュにとって、悪魔が微笑んだ瞬間であった。
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