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第15話この異世界で町にモンスターが出現するのは稀有らしい……
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俺VSレイドの指相撲対決が始まった。勝利条件は先に二勝すること。敗者が勝者の言うことをきくというのがルールである。
この勝負、俺がかなり有利になるよう誘導できた。指相撲という競技自体、それほど腕力が影響するものではない。さらに俺は利き腕の左手で組んでいる。対するレイドは右手で剣を抜いていたから、左手は利き手ではない。おそらく指相撲をした経験も無いだろう。この差はかなり大きい。
「レディ・ファイッ」
ギルドメンバーの合図で勝負が始まった。
俺は親指を伏せて、相手の先制を促した。おとり作戦である。レイドの動きに集中する。まんまとレイドがひっかかり、俺の指を押さえ込もうと乗り出してきた。それをかわして、カウンターをしかける。
「あっ! クソっ」
レイドが舌打ちをする。
俺はレイドの親指の根元をしっかりと押さえ込んだ。
「1,2,3……」
「クソ! 外れねぇ」
「8,9,10」
俺がレイドを押さえて10カウントを終えると、観衆から歓声と盛大な拍手が沸き起こった。
「すごい! ユージが勝った!」
「おわわわっ」
クレアが勢いよく俺に抱き着く。
「まだだ! ルールは先に二勝したほうの勝利だったな? 次は俺が勝つ!」
「では、二回戦目いきましょう!」
再び合図と共に試合を開始する。
一戦目と同様、俺は親指を浅めに伏せておとり作戦に徹した。
「同じ手が二度も通用するかっ!」
レイドが素早く俺の親指を押さえつけた。
「1,2,3……」
カウントが始まった。
俺は慌てずレイドの隙をうかがう。
押さえられているのは指先だ。十分に脱出可能だ。
「6,7,8――」
レイドが勝利を確信した一瞬の隙をついて脱出し、そのまま反撃に出る。
「あぁっ、クソ」
あと少しのところで勝利を逃し、レイドは悔しそうに吐き捨てた。
俺はレイドの指の根元をしっかり押さえ込み、10カウントして再び勝利した。
中央広場が大歓声の渦に包まれる。
「やった! やったわ! 本当に勝っちゃった」
「おわっ」
クレアが力いっぱい俺を抱きしめる。
「クソ、俺の負けだ。好きにしやがれ!」
レイドは悔しそうに言うと、その場に座り込んだ。
「皆さん、聞いてください。実はこの勝負、俺にかなり有利なものだったんです。俺が利き手で戦ったのに対して、レイドさんは利き手でない左手で勝負を受けてくれました。さらに指相撲自体初めての競技です。正々堂々と戦ってくれたこの町ナンバー1冒険者のレイドさんに、もう一度拍手を!!」
俺の呼びかけに応じて観衆から拍手喝さい、歓声が沸き起こった。
「ま、まあな。勝負がなんにしろ、正々堂々やるのが冒険者の流儀ってもんだぜ」
まんざらでもなさそうに、立ち上がったレイドが観衆の声にこたえた。
「レイドさん、そんなあなたにお願いがあるんです。聞いてもらえませんか?」
「お、おうよ。勝者のいうことをきくってのがルールだからな」
「実は、武具職人のローザさんが誰かに営業妨害を受けてるみたいなんです」
「なっ、な、なに? そ、それは許せねぇな」
レイドが慌てた様子で返答する。
「クレアさんから商工会を通じて、ギルド協会にクエストを発注しますので、受諾してくれませんか?」
「お、おうよ! 困ってるヤツを助けるのは、ナンバー1ギルド『ドラゴンブレス』の役目だからなっ。だはははははっ」
豪快に笑うレイドへ、観衆から再び拍手がおくられた。
「君って強くて、ずる賢いのね」
クレアが耳元に口づけしながら甘い声でささやいた。
ひぃ、人前でなんとハレンチな。この美人お姉さんには翻弄されっぱなしだな。
「マスター!」
「どうした?」
ギルドメンバーの1人が息を切らしながら、中央広場に駆け込んできた。
「も、モンスターです! 突然モンスターが出現して……」
「数は?」
「俺が見たのは一匹だけです」
「行くぞ! お前ら」
レイドの一声でメンバーの顔つきが引き締まった。
「町にモンスターが現れることってあるんですか?」
「そんな話聞いたことも見たこともねぇな。だが関係ねぇ。この町は俺が仕切ってんだ。好き勝手させるかよ!」
「レイドさん、お気を付けて」
「約束は守るからよ。あと、バカにして悪かったな。お前、けっこう強ぇんだな」
レイドは俺にニッと笑いかけると、マントを翻して走り出した。
この勝負、俺がかなり有利になるよう誘導できた。指相撲という競技自体、それほど腕力が影響するものではない。さらに俺は利き腕の左手で組んでいる。対するレイドは右手で剣を抜いていたから、左手は利き手ではない。おそらく指相撲をした経験も無いだろう。この差はかなり大きい。
「レディ・ファイッ」
ギルドメンバーの合図で勝負が始まった。
俺は親指を伏せて、相手の先制を促した。おとり作戦である。レイドの動きに集中する。まんまとレイドがひっかかり、俺の指を押さえ込もうと乗り出してきた。それをかわして、カウンターをしかける。
「あっ! クソっ」
レイドが舌打ちをする。
俺はレイドの親指の根元をしっかりと押さえ込んだ。
「1,2,3……」
「クソ! 外れねぇ」
「8,9,10」
俺がレイドを押さえて10カウントを終えると、観衆から歓声と盛大な拍手が沸き起こった。
「すごい! ユージが勝った!」
「おわわわっ」
クレアが勢いよく俺に抱き着く。
「まだだ! ルールは先に二勝したほうの勝利だったな? 次は俺が勝つ!」
「では、二回戦目いきましょう!」
再び合図と共に試合を開始する。
一戦目と同様、俺は親指を浅めに伏せておとり作戦に徹した。
「同じ手が二度も通用するかっ!」
レイドが素早く俺の親指を押さえつけた。
「1,2,3……」
カウントが始まった。
俺は慌てずレイドの隙をうかがう。
押さえられているのは指先だ。十分に脱出可能だ。
「6,7,8――」
レイドが勝利を確信した一瞬の隙をついて脱出し、そのまま反撃に出る。
「あぁっ、クソ」
あと少しのところで勝利を逃し、レイドは悔しそうに吐き捨てた。
俺はレイドの指の根元をしっかり押さえ込み、10カウントして再び勝利した。
中央広場が大歓声の渦に包まれる。
「やった! やったわ! 本当に勝っちゃった」
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レイドは悔しそうに言うと、その場に座り込んだ。
「皆さん、聞いてください。実はこの勝負、俺にかなり有利なものだったんです。俺が利き手で戦ったのに対して、レイドさんは利き手でない左手で勝負を受けてくれました。さらに指相撲自体初めての競技です。正々堂々と戦ってくれたこの町ナンバー1冒険者のレイドさんに、もう一度拍手を!!」
俺の呼びかけに応じて観衆から拍手喝さい、歓声が沸き起こった。
「ま、まあな。勝負がなんにしろ、正々堂々やるのが冒険者の流儀ってもんだぜ」
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「レイドさん、そんなあなたにお願いがあるんです。聞いてもらえませんか?」
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「なっ、な、なに? そ、それは許せねぇな」
レイドが慌てた様子で返答する。
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「マスター!」
「どうした?」
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「数は?」
「俺が見たのは一匹だけです」
「行くぞ! お前ら」
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「町にモンスターが現れることってあるんですか?」
「そんな話聞いたことも見たこともねぇな。だが関係ねぇ。この町は俺が仕切ってんだ。好き勝手させるかよ!」
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