この異世界住人が卑猥すぎて魔王討伐が進まない……

パイ吉

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第31話この異世界のゴブリン軍団と俺は戦う……

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 さらに森の奥深くへ進むと、大人一人がギリギリ通れるくらいの洞穴がり、ゴブリンはその中へ逃げ込んだ。
「勇者様、どうされました?」
 急に立ち止まった俺にマリアが尋ねる。
「あの中には、きっと囚われた人たちがいる。戦闘に巻き込んだら危険だし、狭い洞窟より外の方が戦いやすいから」
「外に出てくるでしょうか?」
「多分ね」
 俺たちを襲ったゴブリンは、欲求に忠実でそれほど知性があるようには見えなかった。10匹で襲撃して返り討ちにあったものの、男の俺は1人で丸腰、女のマリアも連れている。物量で勝るゴブリンたちが、目の前の餌に食いつかないわけがない。
 しばらくして、洞穴から1匹のゴブリンが出てきた。
「ケェェェェ!」
 甲高い声を合図に、続々とゴブリンたちが外に出てきた。

 そら、おいでなすった。これは確かに、すごい数だな……。

 ゴブリンの大群が俺たちを取り囲む。200匹近くいるだろうか?
「ゆ、勇者様……」
 マリアが震える手で、俺のブレザーの袖を握りしめる。
 俺は両手を広げ、ガーゴイルの翼をイメージした。
「キエッケェェェェ!」
 ゴブリンの大群が叫び声を上げ、武器を振り上げ一斉に襲いかかってきた。

 風よ、吹き荒れろ!

 疾風で周囲のゴブリンたちを吹き飛ばす。

 さらに強く! もっと激しく! 斬撃の嵐を!

 竜巻がゴブリンたちを次々に飲み込んでいく。轟々とうねりながら巨大化した竜巻は洞窟周辺の木々もへし折り、ゴブリンの大群もろとも上空へ舞い上げた。風の刃がゴブリンたちに襲い掛かる。ゴブリンの大群は竜巻の中で切り裂かれ、跡形もなく消滅した。竜巻の消えた森に再び静寂が戻る。洞窟周辺の木々が無くなったため、森に太陽の光が差し込み、この一帯だけが明るく照らされる。
 俺とマリアは洞穴へ足を踏み入れた。イメージした炎を手の平に灯す。洞窟の中も入り口と同様に、大人1人がやっと通れるくらいの大きさだった。奥へ進んでいくと、徐々に洞窟の通路は広くなっていった。
「勇者さま、見てください!」
 マリアの指さす先にひらけたスペースがあり、女性たちが身を寄せ合いかたまっていた。
「キェェェェェッ」
 2匹のゴブリンがこん棒を振り上げ襲ってくる。
 
 炎よ、大きく燃えろ!

 手の平に携えていた炎をゴブリンに投げつける。2匹のゴブリンは一瞬で黒焦げになり、灰となって散った。
「皆さん、ご無事ですか? 助けにきました」
 不安そうに身を寄せ合っていた女性たちが抱き合い、喜びを分かち合う。
「お母さんっ」
「マリア!」
 マリアが母親に抱き着いた。母親もマリアをしっかりと抱きしめる。
「勇者様が来て下さったの」
「勇者様が……」
 マリアの母親は驚いた様子で俺を見つめ「ありがとうございます」足元にひれ伏し頭を下げた。女性たちが一斉に地面にひれ伏し礼を述べる。
「ちょ、ちょっと皆さんやめてください。困ってる人を助けるのは当然のことですから。さあ、村へ帰りましょう」
 喜びに沸く村の女性たちを連れ、俺はゴブリンの根城をあとにした。
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