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第37話とりあえずアイゼン団長にお願いしてみる……
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「アイゼン団長のところに案内してくれる?」
「了解っす」
ルイスが先頭に立って歩き始めた。俺の後ろにクレアとマリアも続く。
ルイスはキューべ村から出て10分ほど歩き「あそこっす」と指をさした。
その方向に視線を向けると、小川のそばにテントが設営されており、焚火を囲む兵士たちの姿が見えた。
けっこう多いな。100人近くいるんじゃないか? 俺一人のためにたいそうなお迎えだな。裏を返せばそれくらい警戒されてるってことか……
騎士団の野営地へさらに近づくと、馬や馬車も見えてきた。兵士たちは食事をとっている。和やかな雰囲気ではあるものの酒を飲んでいる様子はなく、騒いでいる兵士は一人も見当たらない。一人ひとりに注目すると、決して大柄というわけではないが、みんな精悍な体つきをしている。兵士たちの良く鍛え上げられた肉体は、日ごろの鍛錬を物語っている。
「あのぉ、すみません。ユージと申しますが、団長さんはどちらに……」
一人の兵士に声をかけた。
周囲の兵士たちが食事の手を止めて一斉に注目する。
「大隊長のレイモンドです。ご案内します」
少し離れたところで男が立ち上がり、丁寧にあいさつした。
ふぅ……敵視されるかと思ったけどちょっと安心した。周囲からの突き刺さるような視線はちょっと痛いけど。
兵士たちがヤジを飛ばしたり罵声を浴びせたりすることは決して無かったが、食事を中断したまま俺のほうをジッと見据えていることに大きな威圧感をおぼえた。
「こちらです。少々お待ちください」
レイモンドはそう言うとテントの中へ入って行き、すぐに出てきた。
彼のあとに続いて騎士団長アイゼンが姿を見せる。
「夜分にすみません。えっと、ちょっとお話がありまして……」
「話とは?」
アイゼンが間髪入れずに尋ねる。
「単刀直入に言うとアイゼンさん、俺のこと疑ってますよね?」
「先刻、伝説の勇者などというおとぎ話は信じないと言ったはずだ」
「そうじゃなくて、モンスターの襲撃事件のことです」
無表情だったアイゼンの眉がピクリと動いた。
彼女の隣に控えるレイモンドがアイゼンにチラリと視線を向ける。
「そうだとしたら君はどうすると言うのか?」
「えっと、まずは俺の能力を見てもらって俺が勇者相当の実力があることを証明したいです。あと、モンスターの襲撃が俺と関係あるかどうか、ここに残って調べさせてください」
「君の口ぶりだと、事件についてはまったく身に覚えがなく、潔白を証明するためキューべ村に残りたいということになるな」
「ですね」
アイゼンは俺の相槌に対して大きく首を横に振った。
「結果から言うと無理だ。君が信用たり得る人間である証拠が一つもない。そして、私は国王陛下の勅令で君を迎えに来ている。明日の朝、君を王都へ連行する」
おいおい! 連行ってなんだよ。容疑者確定じゃねぇか!
「それっておかしくないですか? ユージはガーゴイルから市民を救った英雄ですよ。町の全員が証人です!」
クレアがすごい剣幕でアイゼンに詰め寄った。
「キューべ村もゴブリンから救っていただきました!」
マリアも大きな声で抗議する。
「アニキはけっこうスケベだけど、『ドラゴンブレス』の幹部なんすよっ」
ルイス、その情報はいらね……。
「もし彼に、モンスターを操作するユニークスキルがあるとしたら?」
「そ、そんなわけないじゃない……」
アイゼンの冷静な一言で、クレアが後ずさりする。
「精神系の魔術で人々の心を操作している可能性は?」
「勇者様がそんなことするはずないじゃないですか……」
マリアの声が小さくなる。
「その正体は無能なただのズリキチというオチもあるな」
「それは否めないっす……」
おいっ、ルイス。そこは否定しとけよ!
「了解っす」
ルイスが先頭に立って歩き始めた。俺の後ろにクレアとマリアも続く。
ルイスはキューべ村から出て10分ほど歩き「あそこっす」と指をさした。
その方向に視線を向けると、小川のそばにテントが設営されており、焚火を囲む兵士たちの姿が見えた。
けっこう多いな。100人近くいるんじゃないか? 俺一人のためにたいそうなお迎えだな。裏を返せばそれくらい警戒されてるってことか……
騎士団の野営地へさらに近づくと、馬や馬車も見えてきた。兵士たちは食事をとっている。和やかな雰囲気ではあるものの酒を飲んでいる様子はなく、騒いでいる兵士は一人も見当たらない。一人ひとりに注目すると、決して大柄というわけではないが、みんな精悍な体つきをしている。兵士たちの良く鍛え上げられた肉体は、日ごろの鍛錬を物語っている。
「あのぉ、すみません。ユージと申しますが、団長さんはどちらに……」
一人の兵士に声をかけた。
周囲の兵士たちが食事の手を止めて一斉に注目する。
「大隊長のレイモンドです。ご案内します」
少し離れたところで男が立ち上がり、丁寧にあいさつした。
ふぅ……敵視されるかと思ったけどちょっと安心した。周囲からの突き刺さるような視線はちょっと痛いけど。
兵士たちがヤジを飛ばしたり罵声を浴びせたりすることは決して無かったが、食事を中断したまま俺のほうをジッと見据えていることに大きな威圧感をおぼえた。
「こちらです。少々お待ちください」
レイモンドはそう言うとテントの中へ入って行き、すぐに出てきた。
彼のあとに続いて騎士団長アイゼンが姿を見せる。
「夜分にすみません。えっと、ちょっとお話がありまして……」
「話とは?」
アイゼンが間髪入れずに尋ねる。
「単刀直入に言うとアイゼンさん、俺のこと疑ってますよね?」
「先刻、伝説の勇者などというおとぎ話は信じないと言ったはずだ」
「そうじゃなくて、モンスターの襲撃事件のことです」
無表情だったアイゼンの眉がピクリと動いた。
彼女の隣に控えるレイモンドがアイゼンにチラリと視線を向ける。
「そうだとしたら君はどうすると言うのか?」
「えっと、まずは俺の能力を見てもらって俺が勇者相当の実力があることを証明したいです。あと、モンスターの襲撃が俺と関係あるかどうか、ここに残って調べさせてください」
「君の口ぶりだと、事件についてはまったく身に覚えがなく、潔白を証明するためキューべ村に残りたいということになるな」
「ですね」
アイゼンは俺の相槌に対して大きく首を横に振った。
「結果から言うと無理だ。君が信用たり得る人間である証拠が一つもない。そして、私は国王陛下の勅令で君を迎えに来ている。明日の朝、君を王都へ連行する」
おいおい! 連行ってなんだよ。容疑者確定じゃねぇか!
「それっておかしくないですか? ユージはガーゴイルから市民を救った英雄ですよ。町の全員が証人です!」
クレアがすごい剣幕でアイゼンに詰め寄った。
「キューべ村もゴブリンから救っていただきました!」
マリアも大きな声で抗議する。
「アニキはけっこうスケベだけど、『ドラゴンブレス』の幹部なんすよっ」
ルイス、その情報はいらね……。
「もし彼に、モンスターを操作するユニークスキルがあるとしたら?」
「そ、そんなわけないじゃない……」
アイゼンの冷静な一言で、クレアが後ずさりする。
「精神系の魔術で人々の心を操作している可能性は?」
「勇者様がそんなことするはずないじゃないですか……」
マリアの声が小さくなる。
「その正体は無能なただのズリキチというオチもあるな」
「それは否めないっす……」
おいっ、ルイス。そこは否定しとけよ!
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