この異世界住人が卑猥すぎて魔王討伐が進まない……

パイ吉

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第59話このアイゼンのソードスキルがすごすぎる

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「ほほう。レアスキル・リミットブレイカーとな。ランクURの私にどこまで通用するかな?」
 アウリーがステッキを振りかざし、魔術で生成した巨大な氷柱をアイゼンめがけて発射した。
 アイゼンに直撃したかのように見えた氷柱が粉々に砕け散る。

 すげぇ……斬ったのか? 太刀筋が全然見えなかった。

「ならばこれはどうだ!」
 アウリーが巨大な炎の球体を放つ。その火力で周辺の家屋が燃え上がる。

 おいおい、あんなの直撃したら村が吹き飛ぶぞ!

「ソードスキル・剣風」
 アイゼンが目前に迫る火球に向かって剣を一突きする。火球の中央に小さな穴が開き、その空洞が大きく広がり火球が消し飛んだ。
「魔術攻撃を剣術で防ぐとは大したものだ。だが、次は……グハッ」
 アウリーが膝を折り両手を地面につける。
「防いだのではない。貴様を貫いたのだ。私の剣は攻めあるのみ」
「ば、バカな……私の魔術の反応速度よりも速いというのか!?」
 アウリーの腹にはぽっかりと大きな空洞ができていた。アウリーが苦痛で顔を歪める。出血は見られないがダメージを負わせたことは間違いない。
「貴様の防御魔術の反応速度、私の攻撃速度にどこまでついてこられるか試してみよう」
 アイゼンが覇気でアウリーを吹き飛ばした。地面に転がるアウリーに向かって離れた位置から連続で突きを繰り出す。
「グアァァァァァッ」
 体中穴だらけになったアウリーが悲鳴を上げた。咳込みながら立ち上がるアウリーの口元から血が流れ落ちる。時間が経過しても体中にできた空洞はふさがらない。今にも倒れそうな足取りで歩く姿が与えたダメージの大きさを物語っている。
「ふっ……ふははははは!」 
 アウリーが急に大声で笑い出した。
「どうした? あまりの絶望的状況に気でも狂ったか?」
「なあ、アイゼン。お前のレアスキルの制限時間は何分だ?」
「さあ、何分だろうな? 時間稼ぎのつもりだろうが、瀕死の貴様相手ならスキル無しで十分さ」
 アイゼンがアウリーに近づいていく。

 レアスキルの制限時間? なんのことだ?

「ソフィのレアスキル・リミットブレイカーは、あらゆるステータスの限界を超越するものなんだが、タイムリミットがあるんだ」
 首をかしげる俺にレイモンドが説明してくれた。
「すごいスキルですね。ていうか、もはやチートですね。ははは」
「確かにその効果は絶大だ。だがその代償に相当な負荷がのしかかる。今ソフィは第五段階まで限界突破してる。ランクURと互角以上に渡り合える力だが、長引くほど命に危険がともなうんだ……」
 レイモンドが心配そうに目を細めてアイゼンを見つめた。

 アイゼンのレアスキル・リミットブレイカーは、強さの限界突破を重ねるたびに命の危険がともなう諸刃の剣だったんだ。それなら早く決着を……。

 アウリーの手に握られているものを見て俺は言葉を失った。それは紛れもなく、レイドが持ってきたエリクサーの小瓶と同じものだった。

 ――飛んで来た時に落としちまった。テヘ。

 レイドの言葉が脳裏をかすめる。
「ふぅ。実に爽快だ。勝ったつもりのメスブタを地獄に転落させるのは最高の気分だよ」
 アウリーがエリクサーの空きビンを投げ捨てた。
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