この異世界住人が卑猥すぎて魔王討伐が進まない……

パイ吉

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第63話キューべ村が血の海に……

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「皆さん、俺のそばに集まって! 離れないようにしてください」
 俺の声かけに応じて、マリアとクレアが村人たちを誘導する。『ドラゴンブレス』のメンバーたちも負傷した仲間を連れて俺の元へ集まって来た。
「何が起こるってんだ?」
 ルイスの肩を借りて歩いてきたレイドが、険しい表情でアウリーの放つ赤い光を見つめる。
「スキルバさん、治癒を頼みます」
「任せて」
 レオンが肩に担いできたレイモンドを慎重に下ろす。スキルバが後ろからそっと抱きしめ、レイモンドの背中にGカップの胸を押し当てた。レイモンドが柔らかな光に包まれ、やがて目を開いた。
「ありがとう。助かったよ」
「どういたしまして。さ、次はレオンよ」
 スキルバが手際よく負傷者の治療に当たる。さすが元冒険者だ。
 俺は全員が集まったことを確認してドーム型防御シールドを展開した。魔術攻撃無効化、物理攻撃無効化のシールドを三重にして設置完了する。今ある力の約八割を防御に注ぐ。アウリーがどんな攻撃を仕掛けてきても、これならみんなを守り切れるはずだ。
「どう思います? アイゼンさん」
 俺の隣でアウリーの動きに目を光らせるアイゼンに尋ねた。
「あれは……呪術いや、何かの儀式なのか?」
 アイゼンにも見当がつかないみたいだ。
 アウリーが掲げる両手からいくつもの赤い光線が発射された。

 ついにきたか! 一体どんな攻撃……。

「ギャァァァァァ!」
 叫び声が上がる。

 なんで!? シールドの防御は完璧のはず。そもそもシールドには被弾していないのに。

「みんな、大丈夫っ……みたいだね」
 慌てて周囲を確認するが、誰一人としてケガを負った者はいない。
「ユージ、あれを見ろ」
 スキルバの指さす方向に視線を向けた。
 離れた場所で『スノードロップ』のメンバーたちが赤い光線に打ち抜かれて倒れていく。乱射される光線が彼らの頭を吹き飛ばし、地面にちぎれた手足が散乱する。半狂乱になった男たちが逃げ惑い泣き叫ぶ。
「助けて! 助けてぇぇぇ!」
 メンバーの一人と目が合った。
 俺はとっさに男を中心に半径5メートルほどのシールドを展開した。
 光線の乱射をシールドがはじき返す。
「死にたくなかったら、そこから絶対に出るなよ!」
 俺の言葉を聞いた男はその場にしゃがんで泣きながら頷いた。
 十数名の男たちがシールドの中で身を寄せ合い、ブルブル体を震わせながら地面にうずくまった。俺が助けた男たちを残し、『スノードロップ』は壊滅した。400人の屈強な冒険者たちが、マスターであるアウリーの手によって瞬く間に虐殺された。目の前に広がる残酷な光景に村人たちが目を背ける。しゃがみこんで嘔吐するルイスの背中をマリアが心配そうにさする。
「あいつの仲間じゃないの? ひどすぎる……」
「そもそもヤツに仲間と言う概念は無かろう。あくまでも一つの駒、人は道具にすぎぬと言うことだろう」
 言葉を失うクレアにアイゼンが呆れた声で答えた。
「これで終わりってわけじゃねぇよな?」
「俺が知るわけないでしょう。マスターが本人に直接聞いてみてはどうです?」
「おう! そうだなっ……て、そんなんできるかいっ」
 レオンの提案にレイドが軽快なノリツッコミを見せる。

 おいおい二人とも、緊張感て大事よ……。

「おいユージ! 動くぞ」
 レイモンドの声に、俺は全神経を防御に集中させた。
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