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しおりを挟むお互いにご飯を食べながらテレビを眺め話す。
それだけのことがとても幸せで、でも緊張でご飯の味なんて分からなかった。
段々更けた時間になって行きテレビの内容はバラエティのような盛り上がるものでなくなっていった。
無言の時間が流れる中、悠が私の肩に寄りかかった。柔らかい髪が首筋に触れる。私はあまりの衝撃に動けなかった。
何が起こっている。
どういうことだ。
混乱する頭で何も理解出来ないまま数分が経過しいつの間にか彼は私から離れていた。
それに少し安心して少し残念だった。
「じゃあそろそろ寝る?」
「そうだね…もう2時か」
「こっちおいでよ」
こっち!?!?
おいおいおいいやそこは……
ベッドだぞ…………!?
え、そういうもの…!?私めちゃくちゃソファで寝るつもりだったけど!!
「んー?いやソファで良いよ?」
「え?でも身体痛くなるだろ。ベッド来りゃいいじゃん。」
「そっか。じゃあお言葉に甘えようかな~」
甘えていいのか!?え!?シングルだよ多分!!ベッドのサイズとか全然詳しくないから知らないけど!!!
内心の緊張を悟られないように悠の隣に寝転がる。テレビを消し、電気を消した部屋は本当に彼と二人っきりになった世界みたいで私はもう既に寝ていてこれは夢なのかな?なんて錯覚を起こしそうだった。
「あ。忘れてた」
「え?なに?」
「お前の好きな人聞くの」
なんで今思い出すかなぁ!?
「さ、寝るか。眠いなぁ私」
「誤魔化されんぞ。はやく誰なん」
いや誰なのも何も分かるだろこの状況!!好きでもないやつと宅飲みして同じ布団に入らねぇよ!!そう突っ込みたい気持ちをグッと堪える。
約30分ほど攻防を繰り広げただろうか。
既に同じバイト先のホールの人で同級生か年上の人、という情報を与えてしまっている。そしてその中で私の好みなども含めて考えると該当者は2人。私の真横で寝転がっているやつと2つ上の先輩だけだ。
ただその先輩と私はほぼ関わりがない。排除して良い対処といえる。
そして私は「そいつのどんな所が好きなのか。」という情報も渡してしまっていた。
「え、…いや…えぇ……?あの、いご、こちが良いとこ、かな……」
「言ってくれるんだ」
「言わせたんだろ!!」
先輩と業務連絡くらいしかしたことないのに居心地の良さなんて感じる訳ねーだろボケ!!!
私は火照る頬に気付かれない暗闇に感謝した。
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