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第2章
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「あら、今日はカナタも早いのね」
めずらしく怒られずに起きてきた私にお母さんが驚く。まあ、つねられなきゃずっと寝てたと思うけどね、私自身も。
お父さんは出張で、もう出勤したらしい。お母さんも朝から用事があるそうで、慌ただしく出かけて行った。
私はハルカと二人で、朝ご飯を頂く。でも、なんだか心配であんまり食欲が出ないよ、私としては珍しいことに。ハルカが嫌いな納豆を全部もらって、山盛りになったお茶碗からゆっくりと口に運ぶ。
「ところでさあ、ゲノト連邦の人達は何で太陽系に来たの? わざわざあんな黒い箱送ってきてさ、ダイソン殻だっけ? 何に使うの?」
口の中でご飯と納豆をもそもそと咀嚼しながら、私は尋ねた。
「情報がまったくありませんので推測しかできませんが、それでも良いですが?」
私は次の納豆ご飯を口に入れながら、こくこくと頷く。
「最初は、単純に太陽系の領有を目論んで侵攻してきたのだと思っていました。ただ、それにしては様子が変です。エネルギーや資源を得る植民星系にしようとしているなら、もっと綿密な調査をした上で、大規模な開拓用の船団、それなりの戦闘能力を持ったものを派遣してくるはずです」
「ふうん、そんなものなの?」
「ええ。ですが、昨日戦った連邦の戦力は不十分でした。地球に対抗手段が無いとは言え、本来慎重である彼らが、いきなり太陽をダイソン殻に改造する為の膨大な資材をわずかな護衛のみで送ってくるという性急な行動を取った理由は、おそらく軍事的なものでしょう」
「軍事的?!」
あうあう、また話が危ない方向へ向いてるよ?!
「はい。相手がどこの星間国家なのか、目的が奇襲なのか陽動なのか大規模な侵攻計画の一旦なのかさっぱり分りませんが、彼らは急いでこの太陽系を前線基地に、具体的に言えば太陽のエネルギーを使って空間転移門(ワープゲート)を作ろうとしているのだと思います。恒星全てのエネルギーを必要とするのですから、他には考えられません」
「はあ…空間転移門ってあれ? よく映画とかアニメとかでやってるワープ! ってやつ?」
「はい、そうです。ただ、あんなに簡単にはいかないのですよ。私のように船内に高出力のエネルギー生成機関を持った小型艦なら出来なくはないですが、戦争に使うような大型艦ですとなかなか難しいのです」
「ふうん?」
「空間転移とは、高重力で空間と時間を歪めて、遠くの場所へと一瞬で移動する技術です」
ああ、そういえばブラックホールとかの近くでは時間とか空間が歪んでるって聞いたことあるね。そんなことまったく想像が付かないんで理解はできてないんだけど。
「大型艦が転移出来るほど時空に干渉するには膨大なエネルギーが必要です。ですが、戦艦は武装や砲弾を大量に積んでいますので、それを生成できる大型の機関を搭載するのは難しいのですよ」
「へえぇ?」
「技術的には出来ないことはないのですが、それには戦艦何十隻分ものお金が必要なので、特別な場合を除いてはそんな船は建造されません。戦争って結局効率の問題ですからね」
「ほおぉ?」
「ですから、艦隊が移動するには、空間転移門と呼ばれる巨大なワープ用の装置を建設して、艦隊を丸ごと一気に目的地へ移動させるというのが一般的な方法なのです」
「はあぁ?」
「おそらくゲノト連邦の空間転移門で移動できる限界がこの太陽系なのでしょう。だから彼らはここに中継用の空間転移門を急いで建設して、敵星間国家への攻撃を行おうとしているのだと思います」
「なるほど、良く分りました!」
私は最後の納豆ご飯を飲み込みながら、元気よく返事をする。
「…その顔は分かってない顔ですね。まあ、別に良いですけど…」
…やっぱり長い付き合いだからばれてたみたい。まあ、良いよ、難しいことは…ハルカに任せた!
めずらしく怒られずに起きてきた私にお母さんが驚く。まあ、つねられなきゃずっと寝てたと思うけどね、私自身も。
お父さんは出張で、もう出勤したらしい。お母さんも朝から用事があるそうで、慌ただしく出かけて行った。
私はハルカと二人で、朝ご飯を頂く。でも、なんだか心配であんまり食欲が出ないよ、私としては珍しいことに。ハルカが嫌いな納豆を全部もらって、山盛りになったお茶碗からゆっくりと口に運ぶ。
「ところでさあ、ゲノト連邦の人達は何で太陽系に来たの? わざわざあんな黒い箱送ってきてさ、ダイソン殻だっけ? 何に使うの?」
口の中でご飯と納豆をもそもそと咀嚼しながら、私は尋ねた。
「情報がまったくありませんので推測しかできませんが、それでも良いですが?」
私は次の納豆ご飯を口に入れながら、こくこくと頷く。
「最初は、単純に太陽系の領有を目論んで侵攻してきたのだと思っていました。ただ、それにしては様子が変です。エネルギーや資源を得る植民星系にしようとしているなら、もっと綿密な調査をした上で、大規模な開拓用の船団、それなりの戦闘能力を持ったものを派遣してくるはずです」
「ふうん、そんなものなの?」
「ええ。ですが、昨日戦った連邦の戦力は不十分でした。地球に対抗手段が無いとは言え、本来慎重である彼らが、いきなり太陽をダイソン殻に改造する為の膨大な資材をわずかな護衛のみで送ってくるという性急な行動を取った理由は、おそらく軍事的なものでしょう」
「軍事的?!」
あうあう、また話が危ない方向へ向いてるよ?!
「はい。相手がどこの星間国家なのか、目的が奇襲なのか陽動なのか大規模な侵攻計画の一旦なのかさっぱり分りませんが、彼らは急いでこの太陽系を前線基地に、具体的に言えば太陽のエネルギーを使って空間転移門(ワープゲート)を作ろうとしているのだと思います。恒星全てのエネルギーを必要とするのですから、他には考えられません」
「はあ…空間転移門ってあれ? よく映画とかアニメとかでやってるワープ! ってやつ?」
「はい、そうです。ただ、あんなに簡単にはいかないのですよ。私のように船内に高出力のエネルギー生成機関を持った小型艦なら出来なくはないですが、戦争に使うような大型艦ですとなかなか難しいのです」
「ふうん?」
「空間転移とは、高重力で空間と時間を歪めて、遠くの場所へと一瞬で移動する技術です」
ああ、そういえばブラックホールとかの近くでは時間とか空間が歪んでるって聞いたことあるね。そんなことまったく想像が付かないんで理解はできてないんだけど。
「大型艦が転移出来るほど時空に干渉するには膨大なエネルギーが必要です。ですが、戦艦は武装や砲弾を大量に積んでいますので、それを生成できる大型の機関を搭載するのは難しいのですよ」
「へえぇ?」
「技術的には出来ないことはないのですが、それには戦艦何十隻分ものお金が必要なので、特別な場合を除いてはそんな船は建造されません。戦争って結局効率の問題ですからね」
「ほおぉ?」
「ですから、艦隊が移動するには、空間転移門と呼ばれる巨大なワープ用の装置を建設して、艦隊を丸ごと一気に目的地へ移動させるというのが一般的な方法なのです」
「はあぁ?」
「おそらくゲノト連邦の空間転移門で移動できる限界がこの太陽系なのでしょう。だから彼らはここに中継用の空間転移門を急いで建設して、敵星間国家への攻撃を行おうとしているのだと思います」
「なるほど、良く分りました!」
私は最後の納豆ご飯を飲み込みながら、元気よく返事をする。
「…その顔は分かってない顔ですね。まあ、別に良いですけど…」
…やっぱり長い付き合いだからばれてたみたい。まあ、良いよ、難しいことは…ハルカに任せた!
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