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バス停
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傍から見れば小さなことだろうが、私は怒りで唇が震えてきた。
鞄を支えていた手もわなわなと震えている。
「訳わかんない…。」
時間は待ってくれないし、バスの運転手さんも待ってくれない。
そんなことは小学生でもわかることだが、私はわからない。
いや、わかりたくなかった。
なんで傘を忘れるのか。
なんでバスは待ってくれないのか。
なんで彼氏がいないのか。
最後のは関係ないか。
震える手を押さえつけて、バス停へ向かう。
15分後に来るバスを雨宿りしながら待つことにした。
「誰だろ……?」
いつも誰もいない田んぼの前のバス停に、珍しく人がいた。
座っていてもわかるくらい高い背。
ちょっぴり猫背でふわふわっとした髪。
見た事のない制服だから、多分他校の人。
少し気になって、早歩きでバス停に向かう。
その人は、すーすーと心地よさそうに寝ていた。
さりげなく顔をのぞき込む。
長いまつげに、高い鼻。
顎のラインもすらっとしている。
あまりの美形っぷりに思わず息を呑む。
ガタンッ
ぽけーとしていたら、ベンチに鞄を落としてしまった。
「ん……」
やばい!
反射的にその場から離れる。
しかし、とろい私は慌てたためか後ろに転倒。
ぐちゃっと嫌な音がして、顔が青ざめる。
終わった。
手のひらを見ると、血が滲んでいた。
転んだ時に擦れたのだろう。
「はああぁ………」
今日一番のため息が漏れる。
嗚呼、神様。
貴方は一体、何を思って、私を不幸にさせようとするのですか。
教えくださいよ。ねぇ。
「ふふっ…」
「は…?」
なんとも愉快な笑い声に若干腹を立てて顔を上げる。
そこには、さっきの美形くんが口を押さえてくっくと笑っていた。
そうでした。
私1人じゃあ、ありませんでした。
「起こしましたよね、すみません。」
「んー?全然、別にー?」
へらっと笑いながら、「大丈夫ー!」と、手を振る。
リア充感が凄い笑顔にいらっとしてきた。
「眉間のしわ寄ってるよ。将来、怖い顔になっちゃうよー?」
余計なお世話だ。
少し睨みつけながら、手をVにして眉毛を上に上げるようにほぐした。
けらけらと笑っていた。
腹立つ。
ブーン……ブルブル……………
そうこうしている内に、15分が経っていたようだ。
ウィーンと開いたバスに乗り込む。
彼奴も乗ってくるのかと思ったが、こちらに、にこにこしながら手を振っていた。
なんだ彼奴。
ふいっと目を逸らして、席に座った。
あの、きらきらとした笑顔が脳内再生されていく。
顔が熱くなってきた。
空は青くなっていた。
鞄を支えていた手もわなわなと震えている。
「訳わかんない…。」
時間は待ってくれないし、バスの運転手さんも待ってくれない。
そんなことは小学生でもわかることだが、私はわからない。
いや、わかりたくなかった。
なんで傘を忘れるのか。
なんでバスは待ってくれないのか。
なんで彼氏がいないのか。
最後のは関係ないか。
震える手を押さえつけて、バス停へ向かう。
15分後に来るバスを雨宿りしながら待つことにした。
「誰だろ……?」
いつも誰もいない田んぼの前のバス停に、珍しく人がいた。
座っていてもわかるくらい高い背。
ちょっぴり猫背でふわふわっとした髪。
見た事のない制服だから、多分他校の人。
少し気になって、早歩きでバス停に向かう。
その人は、すーすーと心地よさそうに寝ていた。
さりげなく顔をのぞき込む。
長いまつげに、高い鼻。
顎のラインもすらっとしている。
あまりの美形っぷりに思わず息を呑む。
ガタンッ
ぽけーとしていたら、ベンチに鞄を落としてしまった。
「ん……」
やばい!
反射的にその場から離れる。
しかし、とろい私は慌てたためか後ろに転倒。
ぐちゃっと嫌な音がして、顔が青ざめる。
終わった。
手のひらを見ると、血が滲んでいた。
転んだ時に擦れたのだろう。
「はああぁ………」
今日一番のため息が漏れる。
嗚呼、神様。
貴方は一体、何を思って、私を不幸にさせようとするのですか。
教えくださいよ。ねぇ。
「ふふっ…」
「は…?」
なんとも愉快な笑い声に若干腹を立てて顔を上げる。
そこには、さっきの美形くんが口を押さえてくっくと笑っていた。
そうでした。
私1人じゃあ、ありませんでした。
「起こしましたよね、すみません。」
「んー?全然、別にー?」
へらっと笑いながら、「大丈夫ー!」と、手を振る。
リア充感が凄い笑顔にいらっとしてきた。
「眉間のしわ寄ってるよ。将来、怖い顔になっちゃうよー?」
余計なお世話だ。
少し睨みつけながら、手をVにして眉毛を上に上げるようにほぐした。
けらけらと笑っていた。
腹立つ。
ブーン……ブルブル……………
そうこうしている内に、15分が経っていたようだ。
ウィーンと開いたバスに乗り込む。
彼奴も乗ってくるのかと思ったが、こちらに、にこにこしながら手を振っていた。
なんだ彼奴。
ふいっと目を逸らして、席に座った。
あの、きらきらとした笑顔が脳内再生されていく。
顔が熱くなってきた。
空は青くなっていた。
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