異世界バトルキッチン:最強料理人への道~美少女たちを添えて~

雪見クレープ

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第24話 最強料理人への道

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 料理皇帝――その名を背負う日が俺に訪れるなんて、まったく想像していなかった。

 ラズフォードとのバトルキッチンを制し、料理皇帝の座を譲り受けた俺は、複雑な気持ちでその名を受け取った。

 もちろん、ノルティア王国の平和を取り戻せたことには満足している。

 しかし、俺が料理皇帝とは……。

 ラズフォードが舞台から降り、広場中から歓声が上がり、俺たちの勝利を祝ってくれた。

 フィーナ、コーネリア、イリス、レイラ、いつの間にかに来てくれていたガーネットが、笑顔で俺の周りに集まってきた。

「リク、ついにやったわね!」

 レイラが興奮した声で言いながら、俺に抱きついてくる。

 彼女の純粋な笑顔に、俺もつい釣られて笑顔を返す。

「君なら絶対に勝てるって信じてたよ、リク君」

 ガーネットも俺の肩を叩き、励ましを送ってくれる。

「ありがとう、みんな。みんながいなかったら、こんな結果にはならなかったよ」

 俺は心からそう思っていた。

 彼女らがいなければ、こんな大きな戦いに挑むことさえできなかったかもしれない。

 しかし、ふと視線を感じて振り返ると、ラズフォードが静かに俺たちを見つめていた。

 その顔には、かつての野心や高慢さは消えていて、ただ穏やかな表情だけが残っている。

「ラズフォード……」

 俺は少し躊躇しながら、彼に声をかけた。

 彼がこの街で築いてきたもの、そしてこれからのことを考えると、何を言えばいいのか、答えはすぐには浮かばなかった。

 すると、彼は静かに口を開いた。

「リク君、私が料理皇帝の座を降り、君が継ぐことになったが、それも一つの運命だろう」

「料理皇帝の座なんて、もうなくなってもいいんじゃないか?」

「いえ、必要ですよ。その名があればこの国の、この世界の料理人たちが、名誉のために腕を磨き続けるだろう」

「……わかったよ」

 俺は、彼の言葉に静かに頷いた。

 それが彼なりの料理に対する誠実さなのだろう。

「さて、これからどうするか。私にはもう、この街で店を続ける資格はない」

 ラズフォードはそう言い、少し寂しそうに微笑んだ。

「侵略行為に手を染めた過去を、この街の人々が忘れることはないだろう、私もその重みを背負って生きていく覚悟です」

 彼の言葉には一切の後悔や未練はなく、まるで長い旅路を終えたかのような穏やかなトーンだった。

「ラズフォード……」

 なんて声を掛ければいいかわからない。

「そうだねぇ……私ははどこか田舎町で、一からやり直そう。料理に向き合い直して、本来の料理人としての道を進んでいこうか」

 俺はそれを聞いて、彼の選んだ道が正しいものだと感じた。

 彼もまた、料理に真剣に向き合い、その情熱を失わずに生きていこうとしている。

 俺たちは違う道を進むが、その目指す先にあるものはきっと同じだ。

「リク様、わたくしもラズフォード様と共に行きます」

 そこにシルヴィアが歩み寄ってきた。

 彼女もまた、ラズフォードを慕う弟子として、その道を共に進もうと決めているのだろう。

「そっか、元気でな」

 シルヴィアは笑顔になり、

「はい、ごきげんよう、リク様。わたくし、いつかまたあなたに会いに参りますわぁ」

 と、高らかに返事をした。

 俺は彼らが新しい道へと進む姿を見送った。

 ラズフォードとシルヴィア、そして他の弟子たちは街を離れ、静かな田舎町で再び料理に向き合うことだろう。

――――――――――

 そして、俺たち一行は王都ラヴェリウムに凱旋する。

 道中、仲間たちは勝利の喜びを分かち合い、疲れを見せることなく盛り上がっていた。

「やっぱりリクはすごいな! そして一晩であれを作った私もほんとにすごい、だろう?」

 ガーネットが声を上げ、俺の肩に手を置く。

「そうそう。リク、あなたはノルティア王国に平和をもたらした英雄なんだから」

 レイラも誇らしげに言う。

「英雄……か」

 俺はその言葉を心の中で繰り返したが、実感がまだ湧いてこなかった。

――――――――――

 王城に到着し、俺たちは国王にラズフォードを打倒したことを報告した。

 国王は深く感謝し、褒賞として金貨や勲章を授けてくれた。

 戦いが終わり、平和が戻った今、俺には新たな課題が待ち受けていた。

 それは――自分自身との対話だ。

 夜、王城の自室で一人考え込む。

 セレスティアルに導かれこの世界にやってきて、目標だった料理皇帝を倒し、これからどうやって生きていこうか。

 元の世界に帰る手段はイリスが探してくれているが、それがいつ見つかるのかは分からない。

 もし見つかったとして、元の世界に帰ってやりたいことはあるのか……?

 両親や友人が心配しているだろうことは理解している。

 でも、今の俺には、ここでやりたいことがあるような気がしてならない。

「リク、また悩んでいるのね」

 その声に顔を上げると、そこにはレイラが立っていた。

 彼女は俺の心を見透かしたかのように、優しく微笑んでいた。

「うん、少しだけ。これからどうすればいいのか、考えてた」

「焦らなくていいわ。あなたが自分の道を見つけるまで、私たちみんながそばにいるから」

 その言葉に、少しだけ胸の中の重みが軽くなった気がした。

 まだ答えは見つからないけれど、少なくとも今は、この世界で自分のやりたいことを見つけよう。

「ありがとう、レイラ」

「ううん、あなたをこちらに呼んだのは私の責任でもあるから。でもね、それ以上に私があなたのそばにいたい」

「こちらの世界も悪くない。みんなと一緒に過ごす時間は楽しい」

「みんなと一緒、ね……リクらしいわ」

「うん、これからもよろしくな、レイラ」

 せっかく料理皇帝になったんだから、このまま最強の料理人を目指したっていい。

 どちらの世界とか関係ない、俺は自由に料理をする。

 新たな旅路は、まだ始まったばかりだ。
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