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第1章 僕は君を守りたかった
6. -守れなかった-
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「アレク!よかった無事だったんだね!」
「お おいユズハ」
教会の扉を開けるとユズハが今にも泣きそうな顔で俺に抱き着いてきた。
「心配したんだからね!アレクが死んじゃったらどうしようって・・・」
「あ、あぁありがとな」
ユズハって、こんな事言う奴だったけ?
何だか普通に女の子っぽいんだけど・・・
「ほぉ~アレク殿は中々モテますなぁ~」
「そうですねぇ~♪」
「い いやそういうわけでは」
レイラとフェイトが俺を見ながらニヤニヤしている。
ホントそう言うのじゃないし・・・
「あ、あのその人たちは?」
2人の声に正気?に戻ったのか少し恥ずかしそうにしながらユズハが俺に訊ねてきた。
紹介してなかったっていうか、その前に抱き付かれたもんな。
「レイラとフェイト。さっきの冒険者の仲間だよ。
残念だけど・・・生き残ったのはこの人達だけだった」
「・・・そう なんだ」
「あ、そうだ。あの人は?」
「奥の部屋で寝てる。さっきまで神父様が治癒魔法をかけてくれてたの」
「そっか・・・」
結構重症だったからな。治癒魔法で外傷を直せても失った血や体力までは直ぐに戻らないだろうし寝かせておいてあげた方が良さそうだな。
「どうする?会うのは明日にして宿に行くか?レイラ達も疲れてるだろ?
シャザムも寝てるみたいだし少し休ませた方がいいと思うんだけど」
「そうだな。無事なのはわかったしそうさせてもらうよ」
シャザムに会うのは明日にするということで俺はレイラ達を教会の近くにある宿屋に案内した。
この町では一番大きい宿屋だ。
昔はこの町も賑わいがあって宿屋も沢山あったらしいんだけど観光名所らしい場所も無いし今は数軒だけになってしまったらしい。
「こんばんわ アンナさん」
「なんだい。アレクじゃないか。こんな時間にどうしたんだい?
ってそちらの方々は?」
30代半ば(正確な年齢は不詳)のアンナさんはこの宿の女将だ。
本人曰く実家は貴族らしいが・・・そういう風には全く見えないお方。
俺も色々と世話になっている人なので頭が上がらない。
「冒険者の人たちだよ。近くで魔獣が出て怪我もしていたから町に来てもらったんだ。泊めてもらいたいんだけど今から大丈夫かな?」
「あら♪お客さんなのかい。もちろん大歓迎だよ!」
さっきまで愛想の無い返事だったのにお客とわかった途端・・・相変わらず現金な人だよな。
まぁ宿屋と言いつつ客はほとんど居ないからな。
「「お世話になります」」
そう言いながらレイラとフェイトが頭を下げる。
・・・レイラもフェイトも普段の言葉遣いは冒険者らしく乱暴な感じもするけど挨拶の仕方やちょっとした立ち振る舞いとかは何というか綺麗でちょっと気品を感じるくらいなんだよな・・・元貴族令嬢ってのもあながち嘘じゃないのかも。
「いいのいいの。こちとら商売だしね。
それにしても2人ともよく見ると中々の別嬪さんだねぇ~
アレクも隅に置けないね全く。こんな綺麗な知り合いが居るなんて」
「い いやそういう関係じゃ」
「あ、2人とも食事はどうするね」
俺の話聞いてねえし・・・
レイラ達もアンリさんに何だか圧倒されてる。
「・・・え~と。あ、それじゃ軽くいただけますか?」
「了解。じゃ今から作るから出来たら声掛けるよ。
アレク!2階の奥の部屋案内してあげてくれるかい」
「え?俺が案内するの?俺ここの従業員じゃないぜ」
「つべこべ言わんとほら早く行った行った」
厨房へ向かうアンナさんに半ば追い立てられながら俺はレイラ達を連れて2階にある客室へと向かった。
・・・本当人使いが荒い。
「中々威勢のいい女将さんだな」
「元気すぎて困るんだけどな・・・」
「まぁ元気なのはいい事じゃないか」
「それはまぁそうだけどな」
「アレクさんとも随分仲がよろしいんですね」
「まぁそうだな。俺も2年前にこの町に来たんだけど、しばらくこの宿に世話になってたんだよ。アンナさんには仕事の事含め色々と世話になったからな」
「ふふ 頭が上がらないわけですね」
「そういう事」
今日レイラ達が泊る部屋は2階の一番奥の部屋だ。
ベッドが2つ置かれただけのシンプルな部屋だけど広さもゆったりしていて、この宿では一番いい部屋だ(多分)掃除もしっかりされているようだ。
まぁ他に客も居ないだろうし宿泊費も町長が出すんだろうし妥当なところだよな。
「いい部屋だな。何だか落ち着く」
「はは そう言ってくれるとアンナさんも喜ぶと思うよ。
でもレイラ達はBランクだろ?普段はもっといい宿に泊まってるんじゃないのか?」
Bランクならそれなりに依頼料も高いし、国からのサービスも受けられるはずだ。
宿にしても贅沢出来るはずだからな。
「う~ん。まぁ確かに大きな町では贅沢してそれなりのところに泊まるけど、私達のパーティって探索や護衛の依頼を受けることが多かったんだよね。
だから野営も多いかったし、ここみたいな町の宿屋に泊まることも多かったんだよ」
「そうなんだ。Bランクなのに珍しいな」
「・・・旅をするのがね。好きだったんだよ私達。
いろんなところに行って美味しいもの食べたり景色を見たり・・・でも・・・どうしようかなこの先」
「え?」
「シャザムは助かったけど・・・ラークもケインもあいつにやられちまったからね。私は団長とか言われてたのにあいつらを守れなかったんだ。パーティも解散かも」
「レイラ姉さん・・・・」
緊張が切れたのかレイラは失った仲間を想い静かに涙を流した。
守れなかったか・・・
「お おいユズハ」
教会の扉を開けるとユズハが今にも泣きそうな顔で俺に抱き着いてきた。
「心配したんだからね!アレクが死んじゃったらどうしようって・・・」
「あ、あぁありがとな」
ユズハって、こんな事言う奴だったけ?
何だか普通に女の子っぽいんだけど・・・
「ほぉ~アレク殿は中々モテますなぁ~」
「そうですねぇ~♪」
「い いやそういうわけでは」
レイラとフェイトが俺を見ながらニヤニヤしている。
ホントそう言うのじゃないし・・・
「あ、あのその人たちは?」
2人の声に正気?に戻ったのか少し恥ずかしそうにしながらユズハが俺に訊ねてきた。
紹介してなかったっていうか、その前に抱き付かれたもんな。
「レイラとフェイト。さっきの冒険者の仲間だよ。
残念だけど・・・生き残ったのはこの人達だけだった」
「・・・そう なんだ」
「あ、そうだ。あの人は?」
「奥の部屋で寝てる。さっきまで神父様が治癒魔法をかけてくれてたの」
「そっか・・・」
結構重症だったからな。治癒魔法で外傷を直せても失った血や体力までは直ぐに戻らないだろうし寝かせておいてあげた方が良さそうだな。
「どうする?会うのは明日にして宿に行くか?レイラ達も疲れてるだろ?
シャザムも寝てるみたいだし少し休ませた方がいいと思うんだけど」
「そうだな。無事なのはわかったしそうさせてもらうよ」
シャザムに会うのは明日にするということで俺はレイラ達を教会の近くにある宿屋に案内した。
この町では一番大きい宿屋だ。
昔はこの町も賑わいがあって宿屋も沢山あったらしいんだけど観光名所らしい場所も無いし今は数軒だけになってしまったらしい。
「こんばんわ アンナさん」
「なんだい。アレクじゃないか。こんな時間にどうしたんだい?
ってそちらの方々は?」
30代半ば(正確な年齢は不詳)のアンナさんはこの宿の女将だ。
本人曰く実家は貴族らしいが・・・そういう風には全く見えないお方。
俺も色々と世話になっている人なので頭が上がらない。
「冒険者の人たちだよ。近くで魔獣が出て怪我もしていたから町に来てもらったんだ。泊めてもらいたいんだけど今から大丈夫かな?」
「あら♪お客さんなのかい。もちろん大歓迎だよ!」
さっきまで愛想の無い返事だったのにお客とわかった途端・・・相変わらず現金な人だよな。
まぁ宿屋と言いつつ客はほとんど居ないからな。
「「お世話になります」」
そう言いながらレイラとフェイトが頭を下げる。
・・・レイラもフェイトも普段の言葉遣いは冒険者らしく乱暴な感じもするけど挨拶の仕方やちょっとした立ち振る舞いとかは何というか綺麗でちょっと気品を感じるくらいなんだよな・・・元貴族令嬢ってのもあながち嘘じゃないのかも。
「いいのいいの。こちとら商売だしね。
それにしても2人ともよく見ると中々の別嬪さんだねぇ~
アレクも隅に置けないね全く。こんな綺麗な知り合いが居るなんて」
「い いやそういう関係じゃ」
「あ、2人とも食事はどうするね」
俺の話聞いてねえし・・・
レイラ達もアンリさんに何だか圧倒されてる。
「・・・え~と。あ、それじゃ軽くいただけますか?」
「了解。じゃ今から作るから出来たら声掛けるよ。
アレク!2階の奥の部屋案内してあげてくれるかい」
「え?俺が案内するの?俺ここの従業員じゃないぜ」
「つべこべ言わんとほら早く行った行った」
厨房へ向かうアンナさんに半ば追い立てられながら俺はレイラ達を連れて2階にある客室へと向かった。
・・・本当人使いが荒い。
「中々威勢のいい女将さんだな」
「元気すぎて困るんだけどな・・・」
「まぁ元気なのはいい事じゃないか」
「それはまぁそうだけどな」
「アレクさんとも随分仲がよろしいんですね」
「まぁそうだな。俺も2年前にこの町に来たんだけど、しばらくこの宿に世話になってたんだよ。アンナさんには仕事の事含め色々と世話になったからな」
「ふふ 頭が上がらないわけですね」
「そういう事」
今日レイラ達が泊る部屋は2階の一番奥の部屋だ。
ベッドが2つ置かれただけのシンプルな部屋だけど広さもゆったりしていて、この宿では一番いい部屋だ(多分)掃除もしっかりされているようだ。
まぁ他に客も居ないだろうし宿泊費も町長が出すんだろうし妥当なところだよな。
「いい部屋だな。何だか落ち着く」
「はは そう言ってくれるとアンナさんも喜ぶと思うよ。
でもレイラ達はBランクだろ?普段はもっといい宿に泊まってるんじゃないのか?」
Bランクならそれなりに依頼料も高いし、国からのサービスも受けられるはずだ。
宿にしても贅沢出来るはずだからな。
「う~ん。まぁ確かに大きな町では贅沢してそれなりのところに泊まるけど、私達のパーティって探索や護衛の依頼を受けることが多かったんだよね。
だから野営も多いかったし、ここみたいな町の宿屋に泊まることも多かったんだよ」
「そうなんだ。Bランクなのに珍しいな」
「・・・旅をするのがね。好きだったんだよ私達。
いろんなところに行って美味しいもの食べたり景色を見たり・・・でも・・・どうしようかなこの先」
「え?」
「シャザムは助かったけど・・・ラークもケインもあいつにやられちまったからね。私は団長とか言われてたのにあいつらを守れなかったんだ。パーティも解散かも」
「レイラ姉さん・・・・」
緊張が切れたのかレイラは失った仲間を想い静かに涙を流した。
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