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「ちょ、ちょっと!ジロジロ見ないでよ!」

「んなこと言ったって仕方ないじゃん!ハナのドジ」

「な、そんな言い方ないじゃん!」

「暴れるなって!見えるから!」

「あ、それは、ごめん」

「お、おう」

こうして俺達は自分達の背中を合わせながらお風呂に入った

「兄さん...」

「ん?」

「ごめんね...」

「え!?いや、気にすんなって失敗くらい誰にでもあるじゃん!」

「・・・まぁ、そうだけど」

「とりあえずケガなくて良かったよ」

「・・・うん」

いくら兄妹だからって裸の付き合いは恥ずかしい、ましてや同い年なんてなぁ

「兄さん?」

「どした?」

「1度しかない言わからちゃんと聞いてね」

「お、おう」

「父さんと母さんが死んだ時ってさ、すごい喧嘩してたじゃん」

「あぁ、あの時な」

時は遡って約3年前

「うわぁぁぁぁん、パパー!ママぁ...」

「な、なくなってハナ...」

「・・・なんで、そんなに平気なのさ?兄さんは悲しくないわけ?」

「そりゃ、悲しいけどさ...泣けない」

「兄さんは、パパとママのこと好きじゃないんだ...」

「え?」

「好きじゃないからそういうこと言えるんでしょ?」

「いや、違うって」

「兄さんなんか、嫌い、私、出ていく」

「お、おい、ハナ!ハナぁ!」

どこ行ったんだ...ハナ
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