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記憶喪失はじめました

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病室

そこにはベッドに入っている高校2年の西条ミカ、そしてその近くの椅子に座っているミカと同じ学校の制服を着た山井ミツハが居る

ヨツバ「ねぇ、本当に私の事思い出せないの?」

ミカ「うん、ごめんね」

ヨツバはため息をつき自分の周りにあったもの手にっ取った

ヨツバ「じゃあこれは?」

ミカ「え?…えんぴつ」

ヨツバ「これ!」

ミカ「帽子」

ヨツバ「はい!」

ミカ「くつひも」

ヨツバ「そのくつひもの先端の固くなってる部分は?」

ミカ「アグレット!」

2人はノリノリになって物当てクイズをした

ヨツバ「よーし!じゃあ私の名前は?」

ミカ「・・・じゅ、ジュリエットとか?」

一瞬場が凍りつき、数秒後ヨツバは落胆した

ヨツバ「なんで私の事だけ覚えてないのよー」

ミカ「他の事は思い出せたんだけどね」

ヨツバ「だいたい、あんたがドジだから悪いんだからね!階段でいきなり転んで頭打つなんて…幸い命に別状は無いみたいだけどね」

ミカ「でも友達だったあなたの事を忘れちゃうなんて…本当にごめん!」

ミカはベッドの上からヨツバに謝罪した。それに対しヨツバはニッコリ笑って

ヨツバ「仕方ないじゃない、これから思い出せば良いだけだし!」

ミカ「そう…だね」

2人は気を取り直して物当てクイズを続けた

そこへ勢いよく引き戸を開けて男が病室に入って来た

イツキ「ハァハァ、ミカ!大丈夫か?」

男は息を切らしながらミカに詰め寄った、2人は少し引いている

ミカ「お、お兄ちゃんの方こそ大丈夫?」

イツキ「大丈夫じゃないよ!こーんな可愛い妹が病院に運ばれたって連絡があったから大学サボって来ちゃったんだぞ?」

ヨツバ「えーめっちゃシスコンじゃないですか…さすがイツキさん」

イツキ「別に良いだろ、ミカが可愛すぎるのがいけないんだからな~」

ミカ「お兄ちゃんキモい!家族の縁切るよ」

イツキ「ひっごめんなさい…そ、それにしても怪我がなくて良かったですね」

イツキはミカの機嫌を取るように手をスリスリしている。これにはミカもヨツバも呆れている

ミカ「怪我ならしてるわよ」

ミカはため息をつき頭を指でトントンしながらそう言った

イツキ「どうしたんだ?もしかして頭をぶつけて!?」

ヨツバ「うんうん」

イツキ「数学ができなくなったとか?」

ミカ「それは元からじゃ!」

ヨツバ「・・・この子、私の名前だけ思い出せないんですよ」

イツキ「え、なにそれ…記憶喪失?」

ミカ「多分ね。あ!言わないでよ」

イツキ「言わないよ、まず名前知らないし」

ヨツバ「えぇ!?本当に言ってます?」

流石に驚きを隠せないヨツバ。ちなみにこの2人は何回か会ったことあるので100%イツキが悪い

ミカ「お兄ちゃんも記憶ないんじゃない?これは?」

ミカはベッドから手を伸ばしそこらへんにあったものを取り先程の物当てクイズをイツキにした

イツキ「トランプ」

ミカ「これは?」

イツキ「週間ポヨンポヨン」

ミカ「じゃあポヨンポヨンの1番人気の漫画のタイトルは?」

イツキ「おにぎりmaxパワー・明太子に包まれて」

ヨツバ「それが1番人気なの?」

ミカ「じゃあ彼女の名前は?」

イツキ「・・・タラコちゃん」

ミカ「え!?そうなの?」

ヨツバ「なわけないでしょ!あー親友には思い出して貰えないしその兄にはシンプルに覚えてもらってないし最悪ー」

ミカ「お兄ちゃんサイテー」

イツキ「ご、ごめんて…ここまで出かかってるんだけど!どこで話したっけ?」

ヨツバ「はぁ、ミカとニ.三ヶ月前にオープンキャンパスでお兄さんの大学行きましたよ」

ミカとヨツバはうーんとうつむきながら考え込む

ミカ「あー行った気がしなくもない!」

ヨツバ「お!ミカもうっすら分かってきた?」

イツキ「思い出したぞ!」

イツキは手をパンと鳴らしヨツバを指差す

ヨツバ「おぉ!」

イツキ「あの時のミカも可愛かった!」

ミカを撫でようとして弾かれるかもイツキ、その横で口を全開にしているヨツバ

ヨツバ「それを思い出して欲しかったわけじゃないですよ…」

イツキ「いや~ごめん、多分ミカしか見てないからさ」

ミカ「お兄ちゃん、私のストーカーとかしてないよね…」

イツキ「まだしてないぞ!」

ヨツバ「まだって…」


イツキ「そ、それよりミカは思い出せたのか?」

イツキは焦りながら話をもとに戻す

ミカ「んーダメだわやっぱり思お出せない、他になんか関わってる時ないの?」

ヨツバ「え、あ、あとは…あ!初めて会った時とか!」

ミカ「おお、どんな感じだったの?」

ヨツバ「えーとね」

いきなり辺りが暗くなり1つだけ明かりがある場所には食パンをくわえて走っているヨツバの姿があった

昔のヨツバ「もごっご~んごご!んごご!(いっけなーい遅刻!遅刻!)」

イツキ「え?なにこれ、何を見せられてるの!?」

ミカ「おそらく…昔の回想?」

昔のヨツバ「もごごむがが!もごもごもごもごもごんごもごもごもごもんご!(私ヨツバ!どこにでもいる普通の高校1年生!)」

ただひたすらに食パンをくわえて走るヨツバ

ミカ「だめ、何言ってるか全く聞き取れない!」

イツキ「食パン食ってるからな~」

昔のヨツバ「きゃあ!」

なんと角から少女が出てきてヨツバとぶつかってしまった

ミカ「あ、昔の私だ!」

イツキ「このころのミカも可愛いなぁ」

昔のミカ「いったた~ごめんなさい大丈夫ですか?」

昔のヨツバ「えぇ、あなたこそ大丈夫?」

昔の2人は道端に座り込み丁寧な挨拶をしあった

昔のミカ「はい、あ、その制服…あなたも南高の生徒なんですか?」

昔のヨツバ「うん!あ、こうしちゃいられない!早く学校に行こ!」

昔のミカ「え、ちょ!うわ!」

昔のヨツバは強引にミカの手を掴み走り出した

辺りは再び明るくな

ミカ「へぇー私達ってこんな出会いだったんだ」

イツキ「ラブコメみたいな出会いだったな…」

ヨツバ「どう?思い出せた?」

ミカ「・・・ぜんぜん」

イツキ「流石にぶつかっただけじゃ思い出せないよな~」

ヨツバ「だめか~じゃあ次、パチン!」

ヨツバが指を鳴らすと再び辺りが暗くなった。そこにはバケツを2つずつもっているヨツバとミカがいた

イツキ「これどういう仕組みだよ!」

ミカ「お兄ちゃん、しー!聞こえないでしょー!」

昔のヨツバ「はぁ~今の時代で廊下に立たせるってマジかよー」

昔のミカ「ちょっと授業中にインスタライブしただけなのにねー」

イツキ「お前ら不良すぎない!?」

ミカ「・・・」

昔のヨツバ「いやー本当に授業かったりぃわ~あんなのなんの役にたつのさ笑笑」
 
昔のミカ「・・・ねぇ、ピー」

昔のミカがヨツバの名前を出したところ謎のピー音で遮られてしまった

イツキ「え!?回想シーンなのに名前にピー音入るの!?」

ミカ「お兄ちゃん聞こえない!」

昔のヨツバ「ん?どうしたのミカ…いつにもなく真剣な顔だね」

昔のミカ「覚えてる?私達の出会ったときのこと」

昔のヨツバ「あー覚えてる覚えてる!たしか食パンくわえてダッシュして所をミカとぶつかったんだよね!」

昔のミカ「うんそう、私ねピーと出会えて毎日が楽しいんだ…ピーがいなかったら今みたいに笑えてなかったかも知れない、あの時ピーとぶつかってなかったらと思うと少しゾッとするよ。いつもありがとうピー」

昔のミカはわりかし感動的な事を言ったのだがピー音のせいで半減された!

昔のヨツバ「べ、別に私だって感謝してるわよ…ぶつかってくれてありがとね」

ミカ「うぅ…うぅ感動したぁ!なんていい話なんだぁ」

イツキ「ピー音のせいで感動が薄れた…」

ヨツバ「はい!どう思い出せた?」

ヨツバがパンと手を叩くと辺りは再びもとに戻った。

ミカ「んーもうちょっとなんだけどな~他になんかある?」

ヨツバ「ミカ、あんた見たいだけなんじゃ?」

ミカ「そっそそ、そんな事ないよ。ヒューヒュー」
  
ミカはそこそこの腕前のくちぶを吹いている。呆れながらミカを眺めるヨツバに対してイツキも頼み込む

イツキ「なぁ俺からも頼むよ」

ヨツバ「イツキ先輩はミカが見たいだけでしょ?」

イツキ「ギクッ!?ヒューヒュー」

イツキも誤魔化しの口笛を吹き病室は兄妹の口笛の音色でいっぱいになった

ヨツバ「はぁ…まぁいいわ!あっそーれ!」

ヨツバはカスタネットを取り、気持ちのいい音を鳴らした。ワクワクして回想を覗き込む2人

いつも通り暗くなりそこに手紙を持っているヨツバ、その隣にはミカがいた。

昔のミカ「ねぇピー…本気なの?」

昔のヨツバ「えぇ、本気よ私はイツキ先輩に告白する!」

イツキ・ミカ「えぇ!?」

2人は驚き顔を合わせた後ヨツバの方を見た

ヨツバ「あぁ!しまった!?回想ストップ!!」

ヨツバが慌てて止めに入るも回想の2人はとまりはしない

昔のミカ「お兄ちゃんなんかのどこが良いのさ」

昔のヨツバ「最初は意味分かんない人だったけどオープンキャンパスの時に真剣なイツキ先輩を見ちゃったら…だんだんと好きになっちゃった」

ヨツバ「止まって!止まってぇ!」

昔のミカ「まぁあんたがそうするのは止めないけど勝率は低いと思うな~」

昔のヨツバ「え?なんでそういう事言うの?」

ヨツバ「やめて、やめて…やめて!!」

ヨツバは裏返った声を病室に響かせた。それは恥ずかしさと言うよりも不安や焦りに近い声色だった

昔のミカ「だってお兄ちゃん私の事大好きだもん。昔っからずーっと私しか見てないし」

ヨツバは泣きながら崩れ落ちた、手で顔を隠しボソボソと聞こえないような声何か言っている。イツキとミカはそこまでなったヨツバは不思議に思いながらも回想を眺めた

昔のヨツバ「な、なにもそこまで言わなくたって…まだ分かんないじゃない」

昔のミカ「いーや分かる!お兄ちゃんは絶対に無理って言うわよ、悪いことは言わないから考え直したら?」

昔のヨツバ「・・・なんでそんな事言うの」

昔のミカ「いや、だからあんたが悲しまないように気を使って…」

昔のヨツバ「・・・・・・分かった、ミカもイツキ先輩の事好きなんでしょ、だから私をイツキ先輩から遠ざけようと」

昔のミカ「そんなわけないでしょ!あなたの事は応援したい、だけど相手がシスコンのお兄ちゃんとなると…」

昔のヨツバ「・・・」

昔のミカ「ごめん、私、あんたの気持ち考えてなかった」

昔のヨツバ「・・・」

昔のミカ「ねぇ、ねぇ…ヨツバ」

昔のヨツバ「うるさい!」

ドン!

ヨツバはミカを階段から突き落とした。ミカは強く頭を打ち付け気絶してしまった。

イツキ「え、どういう事なんだ!?説明しろ!」

イツキは座り込んでいるヨツバの肩を掴み激しく揺さぶった。が、ヨツバは反応する事はない

ミカ「思い出した…ヨツバ、そうヨツバよ!そしてあの時、階段から突き落としたのも」

イツキ「おい!なんとか言えよ!その通りなのか?」

ヨツバ「・・・そうよ、だけどミカが悪いじゃない…ミカがあんな事言わなかったらこんな事にはならなかった。あーあ、ずっと記憶喪失のままで良かったのに」

引きつった笑いをするヨツバ

イツキ「て、てめぇ!!」

ミカ「やめて!お兄ちゃん!」

拳を振りかぶるイツキをベッドから飛び出し止めるミカ、これにはヨツバも驚きを隠せない

ヨツバ「なに、してんのよ」

ミカ「たしかに…ヨツバのやった事は酷いし許されないけど、今までの回想を見たら決してそれだけで決めつけていいもんじゃない。それに本当に思い出して欲しくないんだったらわざわざ回想なんて見せないでしょ」

イツキ「み、ミカ?」

ミカはゆっくりヨツバに寄り添い抱きついた

ミカ「ごめんね……ヨツバ」

ヨツバ「なんで、なんで、なんでミカが謝るのよ」

ミカ「友達だからじゃ理由になるかな?」

ヨツバ「なるに決まってるよ。私こそごめん。あの時はどうかしてたこれからも友達でいようね。」

イツキ「ま、まぁ一件落着って事でいいのか?」

抱き合う2人から少し離れて腕を組んでいるイツキがゆっくり近づく

その時

ドテン!

イツキ「いてぇ!」

ミカ「お兄ちゃん!?」

ヨツバ「大丈夫ですか?」

イツキ「・・・お前ら、誰?」

ミカ・ヨツバ「え?」



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