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瑠衣の隠された真実②
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「瑠衣ちゃんが、猫又が生物兵器……? 人造生命体……? なにそれ……?」
あまりの衝撃に自分をどこかで第三者のように見つめそうになるが、震える声で彩芽さんに訊いてみる。
「言った通りの意味よ。猫のDNAを使って作られた人間そっくりの生物ということ。この人造生命体は体内の細胞の大きさや形を体の四倍程度の範囲内で自在に変え、変形させることができる特殊能力を持っているわ。2パターンの遺伝子記憶情報を所有することによって、低身長の大人ほどの人間の姿になったり、猫の姿になったりできるということ。ただしこの変身能力は代謝を一時的に大きく活性化させるため、かなりのエネルギー源が必要になる。よって空腹で体内にグリコーゲンが枯渇している状態では変身できない。そして高カロリー消費という代償の大きい変身能力を有していることから、生命維持のために食欲が旺盛で、基礎代謝を最小限に抑えるために、本人の意思で生命の危機にならない程度の範囲内なら自由に代謝を操れる。例を挙げると体毛や毛髪サイクルを極限まで遅らせることも可能。だから抜け毛も極限まで減らせるというわけ」
食欲旺盛……瑠衣ちゃんはそういえば猫⇄人間の変身をした後はご飯をとても美味しそうに、しかもお米を三杯くらい食べていた……。
さらに彩芽さんは続ける。
「猫又が生物兵器と呼ばれる所以は、猫又自身が人間と交配が不可能だということ。それなのに、飼い主を虜にして自分以外を見えなくしてしまう能力を猫又が持ってるからよ」
「……それが人間から生殖機能を奪うということ?」
「そう、猫又と大恋愛をしてしまって、子を成せない性行為を繰り返し、子孫を残せないまま老いて寿命を迎える。要するに次の代に繋がらず、あなたが一人っ子なら家系の血はあなたの代で途絶えることになる。こういうことが数多くの人間で起きてしまったらどうなるか、以前にも説明したよね?」
「ああ……」
「人口が減り続け、経済が破綻し、国が滅亡し、人類滅亡の危機を招く。だからそうなる前に始末する。それが退魔師の仕事」
瑠衣ちゃんのことを思い浮かべてみる。
あの子は純真無垢で素直で、とても可愛い。
なにより健気で大切にしたくなる。
それが離れられなくする能力だっていうのか?
いや違う。それは能力じゃなくて瑠衣ちゃんの魅力だ。
だから僕は瑠衣ちゃんを離したくない、 大切にしたいと思っているんだ。
「瑠衣ちゃんは……そんなことしない……。あんな良い子なんだ。あんなに可愛くて、あんなに純粋なんだ。ただ僕と一緒に居たいだけなんだ」
あまりの衝撃に自分をどこかで第三者のように見つめそうになるが、震える声で彩芽さんに訊いてみる。
「言った通りの意味よ。猫のDNAを使って作られた人間そっくりの生物ということ。この人造生命体は体内の細胞の大きさや形を体の四倍程度の範囲内で自在に変え、変形させることができる特殊能力を持っているわ。2パターンの遺伝子記憶情報を所有することによって、低身長の大人ほどの人間の姿になったり、猫の姿になったりできるということ。ただしこの変身能力は代謝を一時的に大きく活性化させるため、かなりのエネルギー源が必要になる。よって空腹で体内にグリコーゲンが枯渇している状態では変身できない。そして高カロリー消費という代償の大きい変身能力を有していることから、生命維持のために食欲が旺盛で、基礎代謝を最小限に抑えるために、本人の意思で生命の危機にならない程度の範囲内なら自由に代謝を操れる。例を挙げると体毛や毛髪サイクルを極限まで遅らせることも可能。だから抜け毛も極限まで減らせるというわけ」
食欲旺盛……瑠衣ちゃんはそういえば猫⇄人間の変身をした後はご飯をとても美味しそうに、しかもお米を三杯くらい食べていた……。
さらに彩芽さんは続ける。
「猫又が生物兵器と呼ばれる所以は、猫又自身が人間と交配が不可能だということ。それなのに、飼い主を虜にして自分以外を見えなくしてしまう能力を猫又が持ってるからよ」
「……それが人間から生殖機能を奪うということ?」
「そう、猫又と大恋愛をしてしまって、子を成せない性行為を繰り返し、子孫を残せないまま老いて寿命を迎える。要するに次の代に繋がらず、あなたが一人っ子なら家系の血はあなたの代で途絶えることになる。こういうことが数多くの人間で起きてしまったらどうなるか、以前にも説明したよね?」
「ああ……」
「人口が減り続け、経済が破綻し、国が滅亡し、人類滅亡の危機を招く。だからそうなる前に始末する。それが退魔師の仕事」
瑠衣ちゃんのことを思い浮かべてみる。
あの子は純真無垢で素直で、とても可愛い。
なにより健気で大切にしたくなる。
それが離れられなくする能力だっていうのか?
いや違う。それは能力じゃなくて瑠衣ちゃんの魅力だ。
だから僕は瑠衣ちゃんを離したくない、 大切にしたいと思っているんだ。
「瑠衣ちゃんは……そんなことしない……。あんな良い子なんだ。あんなに可愛くて、あんなに純粋なんだ。ただ僕と一緒に居たいだけなんだ」
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