RIGHT MEMORIZE 〜僕らを轢いてくソラ

neonevi

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▽ 一章 ▽ いつだって思いと歩幅は吊り合わない

1-39 ココロハイせし徹討徹備〔P2〕

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sideシロ

((スタ…スタ…スタ…スタ… ))

明かりの漏れている半開きの扉へと慎重に近付いて行き


半身で室内を確認。


フゥーーー~…

居ない…か。
ラッキーだな。

~((カチャン))

そして扉を一旦閉め外へ戻る。


パシっ、…パシっ

そして倒した扉番達の槍を拾い上げてからもう一度施設内へ。

キィィ~…
((カ…チ…ャ…))

音が立たないように静かにドアを閉めた後、さっき見つけた鍵を取り出す。

3本か。

ジャリ、『ガキっ』
ジャリ、『カチンっ』

良しと。

『ガシャッ‼︎ガシャ‼︎ 』

扉に鍵を掛け更に懐から取り出した手錠で縦長のノブ同士をロック。

これでスペアキーが有っても増援は直ぐに入って来れない。

余裕があれば死体も中に隠し入れたいけど、既に10分を過ぎた今猶予は無い。

「………、……… 」

そして向かい合った室内を頭の中に描いていたマップと重ね合わせる。

聞いた通りの間取りと思いつつ、正面奥にある階段の先から目が離せない。

まるでホラー映画の殺人鬼でも怖れるみたいに。

((ドっドっドっドっドっドっ… ))



そこにクロスボウを向けながら、横歩きで目標である待合室ロビー左側の扉に近付いていく。


スゥ…ヒタスゥ…ヒタスゥ…

つく足は優しく、離した足は素早く。

脇を締め片手でクロスボウを持ち、狙いを定めたまま扉のノブをゆっくりと掴む。

ガ…
キっ…

鍵が掛かっている様で途中から動かない。

チャリ

素早く先ほどの鍵を取り出して、先程使った入口以外の二本を確認しクロスボウは足元に。


けど視線は階段の先に固定し手先だけを動かす。

((シャ…リ… ))

1つ目を慎重に挿しゆっく~りと回す

『ガキ… 』

が回らない。
静かに抜く。

((シャ…リ…))

2つ目に変えゆっく~りと回す。

『ガカ… 』

ん?
奥まではスルッと入ったからこれだよな…最後の一本だし……ってまた中から開けさせないとダメなのか?

『カチャンっ』
「~~ッっ… 」

と少し力を入れた途端勢いよく回ってしまい焦る。

((ドっドっドっドっドっドっドっドっ… ))

そして咄嗟に手にしたクロスボウを片手に、挿さったままの鍵をゆっくりと引き抜く。







はぁ…

ぁ…

大丈夫か。

扉の中からは物音も気配もなし。


よし第3目標もクリア。

時間は……っギリギリ。

だけどあと少しなんだ、集中を切らすなよ。


キィ…ィ…

クロスボウをいつでも射てる様にして扉を少しだけ引く。
そして開いた隙間につま先を入れ…
構えながら中へ

「「っ‼︎ 」」

入った途端5メートルほど先の椅子に座った男と目が合う。

「……×…×っ⁉︎ ××っ(……ん…なっ⁉︎ テメっ)」
ガタっ

驚き構えるオレと立ち上がり掛ける兵士。

『シュッードシュッ‼︎ 』
「ッ~~っブ…グぅッ」

頭部を狙った矢は喉の根元を貫いた。

「ッ……ぅぅ…ぁ… 」ドっ

口から血の泡を出した男は膝をつき

ガリっガリっ
「…ぅぐっ……ぅボほっ…が…ぁ… … … 」ドサ

倒れそうになる手を壁に伸ばすけど、結局立ち上がることなく力尽き倒れた。

『キリキリキリキリッキリ… 』
((ススッ…ススゥ…スス…ススッ))

再び摺り足で進みながら急ぎ手を回し、右の当直室を越えつつ身体を反転した時…

ガチャッ
「××××っ⁉︎ (おい大丈っ⁉︎) 」

うオッ⁉︎

『バタンッ‼︎ 』

当直室から顔を出した男は目の前の死体に即気付き扉を閉めた。

『キリキリキリキリッ』

ッバレた。
しかもこの部屋には裏口がある。

倒しに行くべきか?
それとも先に人質を…と迷った瞬間

『『バタンッ‼︎ 』』
「ウォォおおあッっ」

突っ⁉︎ 
込んで来… 

飛び上がる心臓が反射的にバックステップさせる…

シュッーー

右下から迫る短剣に両手をクロス…

「…ッ~… 」ーーブンッ

させると短剣は鋭く空気を切り裂いた。

「……×、×××?(な、何だ?)…??」ゴシゴシ

そして両手を顔の前へ置くように短剣を構え直す兵士は、瞬きを数度した後に空いてる方の手で目を擦る。

なら…

『シュッ』ーダタ…
「ッ⁉︎ 」

クロスボウを足元へ放り、装填しようとしてた矢を投げると同時に駆け出して

…タタっ
『ドッバチチッ』
「~ッ…カカッ」ーーカラン…

スタンロッドを兵士の手の甲に叩き付ける。
敵の短剣は床へ。

『バチチチッ』
「ォッガカッ…っぁ」ドサっ

更に間髪入れず首筋に電撃を当てると、痙攣する兵士は堪らず膝を崩し倒れる。

「ゥグ…っぅ… 」

そこから右手のスタンロッドを左手へ持ち替えて直ぐ、腰のタクティカルナイフを抜き喉元に。

「ーー~っ…、×っ×× (た、助けて)」

懇願する兵士は涙目。


「ハァー~…~ー~…ーー~『グシュゥゥ』

手を止めようとする感情を息で押し返し体重を掛ける。

「ぉブっ…『バタバタッ』~っ… 」

口から血混じりの唾を出して、オレの手首を必死に掴む兵士。

けどもう遅いよ。
お前も殺そうとして来たろ?

『ジュシュゥ… 』
「ぷッ…ンブふッー~っ… …っ… … 」バタ…

ここは戦場なんだよ。

だからオレは…

『ズシュ… 』シュッ、カシっ

一度強く目を閉じてから無心で抜き取ったナイフを腰に納め、そのまま立ち上がり巻き掛けのクロスボウを拾う。

『キリキリキリキリッ』

そして直ぐに矢を装填し静かに後ろ歩きで奥へ。

((ススッ…ススゥ…スス…ススッ))

幅4m程の薄暗い通路の両側には、沢山の人影と息遣いがある。

((っ⁉ …っ……×…ッ)) ((×××っ(下がれっ) ))
((×××… (何だ…) ))
((××××××××?…×× (おいアンタ特務か?…おい )) ((×××、…×××××(いや待て、…違うぞあれは) ))

彼等が侵入者オレの気配に息を飲み後ずさる中、状況確認するオレはこの施設が当たりだった事に安堵する。

「………、……、…… 」

皆んな後ろ手に縛られてるか。

けど敵は一応見当たらないし時間も無い…

「ウインザ、ウインザえるみ?ミレインそあとめるた(ウインザはいるか?ミレインに頼まれた) 」

((ザワザワッザワザワザワっ))  ((ザワザワっ))

俄かに室内が騒く。


「わっど、わっどウインザっ」ガシャッ

通路を曲がった先の、更に奥の牢から聞こえる声。

ッシャァァっ居てくれたっ

ダタタタタタッ…

大本命を見つけた勢いのまま走り、扉を警戒しつつも角を曲がる…

『ガッシャガッシャ』
「わっどウインザっ」

すると鉄格子をブっ叩くかなりゴツイおっさんが居た。

「ミ、ミレインそあとめるた」
「××っ…××××××××っ(そうかっ…娘は無事なんだなっ) 」

そう言って鬼の様な大男は僅かに表情を緩めた為、後ろを向くようジェスチャーすると

「×××っ (分かったっ) 」

彼は直ぐに理解し後ろを向き両手首を差し出す。

流石は専業兵士理解が早い。

ガッグッググゥッ
『バツンッ』

ポケットから取り出したストラップカッターで縄を切り、手が空いたウインザにカッターとミレに書かせた手紙を渡す。

ドォンドドォン…

ん⁉︎ 
あれは…外から入口を叩く音か?

ドォン…

はぁ… そりゃ気付くよな扉番達が居なくなれば。

ゴソゴソっ
ジャリ、『ガキっ』


心臓に急かされた右手が即鍵を取り挿し回す。

ジャリ、『ガギっ』

けど全く合わない。

ー~っ…クッ、見張り番かっ


ダタタタタタタっタタっ

一目散に通路を戻り、さっき倒した男を飛び越えて最初に倒した牢番の元へ。

((オラぁッ)) ((フンッ))
『『バギィッドガンッガンッ‼︎ 』』
((×××××××ッ (早くこじ開けろッ) ))

すると外からの怒鳴り声と打撃音が鮮明に。

ヤ、ヤバいぞクソっ
『バサバサチャリっ』

これだよな?

焦り男の腰回りを弄って見つけた鍵を引き取りダッシュ。

ダタッ…タタ…
「…っ…~⁉︎ 」

そうだ槍をっ…『バキバギンッ‼︎ 』
いやっもうそんな時間は無いっ

ダタタタッ

激しい扉の破砕音に止まろうとした身体を引き戻す。


ダタタタッダタタっ…

…タタズザァッ
チャリっ

本数は5…

「ハァハァッハァ… 」

これで開かなきゃオレは終わりだ。

ジャリっ『ガキッ』

クッ…
頼む。

ジャリっ『ガギィッ』

クッソォ…
あと3。

ジャリ『ガチャンッ』

っ⁉︎
「よォッしゃアァァーーーーッ‼︎ 」

『ギキィィーー~ガンっ』

扉をくぐる様に出て来た190cm超えウインザに見下ろされ鍵を差し出す。

「「………… 」」パシ

彼は厳しい目付きのまま頷き受け取った。

「クライオォォスッ‼︎ 」
「××××っ(こっちだ) 」

ザタザザっザザっザダタっ

ウインザと2人の男達が角を曲がり声の方へ。


((プフゥーーーーーーー…… ))

時間は間もなく15分。
一応ここまでで最終目標はクリアなんだけど…

ザっザっザっザっザっ…

薄暗い通路を戻って行きながら、ロビーとの扉を射程に収めクロスボウを構える。

向こうは武器有りだからな。
加勢しやりますよ。


『『バギバキベキィッ‼︎ 』』
「×××××ッ(行くぞ急げッ) 」
ドタタタッ



来いよ…

『ガチャッ、ギィ… 』

こっからは総力戦だ。

『ガシッ』
っ⁉︎ 

「××××、×××××× (助かった、後は任せてくれ) 」

そう言って肩に手を置いたスマートな男がオレの横を通り過ぎると、それに続いてウインザと10人くらいのゴツイ男達が進み出る。

ザザっ
「×、××××…××××××(リ、副団長リーグス…遅かったか) 」

扉から入って来た敵は、牢を出たウインザ達を見てたじろぐ。

「×××××××、××××(お前らには無理だ、俺がやる) 」

するとその後ろから2m近いゴリっゴリの重量級兵士が入って来る。
その両手に似つかわしくない短剣を握って。

「×××××、××××××××××××?(オンペッドか、脳筋のお前が何を吹き込まれた?)

「…………… 」

「フ… 」

無言の敵にスマートな男は鼻を鳴らした。

けどこの狭い空間でこの体重差。
しかも武器無しじゃ…

オレは槍を持って来忘れた事を悔やみつつ、援護しなくてはと思った瞬間

ー『バヂッ』
「っぁッ⁉︎ 」

は?

1コマどころか2コマすっ飛ばした一瞬で弾かれる敵の両手…と

ーークルクルと舞う短剣…

~『ゴスンッ…バキゴギバリィ』
「~ッうブっ……グオァぁぁあ~~っ‼︎ 」

そして掴まれた左腕から敵は振り回され壁に激突。
続けて鳴り響いく肩か肘関節の余りの悲鳴のせいで、その後の敵兵の叫び声は耳に入って来なかった。

「××××××××…×××××× (一応元部下だからな…殺しはしない) 」

なのにスマートゴツい男はとにかく普通過ぎて、その余りの凄味には息をするのも忘れそうになった。



『バキッドタドタッ‼︎ ドンっドガッ』
「ぐぁぁ… 」「ぉごォ… 」

それからはあっという間。

敵の剣やら槍やらを奪い取ったウインザ達は施設二階から全てを流れる様に制圧。


『カシャ』
「フゥーーーーーーーーー~… 」ト…

ナイトビジョンを上げ深呼吸し、ロビーの壁に凭れ掛かる。


あっちは上手くやってるんだろうか…

「~シッ」行くか。

そう考えたら心配が勝り、破られた入口へと足が動く。

「せあーら、でるさっど」

後ろから聞こえた声に振り返ると、ウインザ達数人がこっちを向いていた。

「……ん」

多分礼だろうと頷きを返し、引き千切れた手錠を横目に外へと出た。



ズサ、ズサ、ズサ…カシ。
「…………… 」

そしてさっき植込みに隠し置いておいたもう一つのクロスボウとリュックを背負い、表情の一変した真夜中の街中へと向かい走り出す。


手首に残った感触に抗いながら。








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