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プロローグ

プロローグ【ぷち三月】

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カチャリ

「何だ、もう一人のパートナーって、
アリスのことだったのか」

「あら、レイスじゃないの
あなたも残っていたのね」

「それでは、二人が合流しましたので、
早速操作説明をするのです!」

「操作説明って……ゲームじゃねえんだからよ」

「三月が今から説明するのは、
これからやることにとても大事なことなのです
しっかり聞いておいて下さいね」

「無視かよ」

「まず三月達の目的は、
絵本に封印された住人を解放することです」

「ぷち三月、質問良いか?」

「はい、何でしょうか」

「解放と言ったって、何をしたら解放となるんだよ」

「よくぞ聞いてくれました!
実はその解放方法がとても重要なのです!」

「じゃあそれを早く教えてくれ」

「封印された絵本から住人を解放するのが目的なのですが、
まずは住人を絵本の外に出す必要があります」

「まずは? まだやることがあるのかよ」

「はい、ここでレイスの出番なのです」

「俺の? 俺の魔法は精々魔法を無効化させるしか…」

「そう、その無効魔法こそが、
絵本を解放する為に必要なのです
住人を絵本から救いだした後に、
レイスが無効魔法を絵本にかければ、
ただの無害な本に戻ります」

「なるほど、それで俺を選んだのか…
じゃああいつの超回復はどうして発動されなかった」

「本体の超回復は、体内の魔力を消費して
体の回復をしているのですが、
あなた達二人以外絵本に閉じ込められている今、
三月の本体は分身を空間維持に使っている為、
必要な魔力が足りないのです
三月の分身は絵本を解放すればするほど
本体へと戻っていきます」

「なるほど、つまり絵本を解放すれば、
その分三月の回復が早くなるってことだな」

「はい、そうなのです!
あ、ちなみにそのうさぎのぬいぐるみも
魔力を込めているだけなので、
役目を終えたら普通の人形に戻りますよ」

「そう……あなたは皆を救ったら
普通のぬいぐるみに戻っちゃうのね」

「その他の詳しい説明については、
最初の絵本にて説明します
それでは、早速行きましょうか!」

幼い少女と番兵は、ぷち三月を引き連れ、
住人を救う為の冒険に出掛けた。
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