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第一章 ハートの国
三月兎の絵本【後編】
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目が覚めると、そこにはシャロンさんがおり、
いつの間にか、青と赤の目のオッドアイになっていた。
「ああ、目が覚めたんだね」
すると、シャロンさんの声に呼応するように、
僕の陰がうようよと蠢く。
「こら、ガンズ。大人しくしてなさい」
言葉を理解しているのか、陰はぴくりとも動かなくなった。
「うちの記憶魔がすまなかったね
見た目はあれだが悪い子ではないんだ」
「記憶魔?」
随分と聞き覚えがない種族だ。
一体シャロンさんは、このガンズという名の
記憶魔とどんな関係があるのだろうか。
「ガンズは僕の負の感情から生まれてね
主に破壊・略奪・操作しか使えないんだよ
でもその代わりに、ガンズに憑かれた者は、
超再生の力を手に入れることが出来るよ」
「超再生の力……」
そうか、だから僕の傷はすぐに塞がったのか。
何の気まぐれか僕の意識を残してくれたので、
ガンズとやらには感謝しないといけない。
“ただ俺の気が向いただけだ”
心の中からあの時と同じ声が聞こえた。
でも、今となっては恐怖を感じない。
慣れというのは恐ろしいものだ。
「ガンズを宜しく頼むよ。サンガーくん」
その日以来、シャロンさんの姿を見ることはなかった。
時は進み、僕は元の実家に帰ってきていた。
勿論、ガンズの存在を隠して……
でも、出来るだけ家には帰りたくなくて、
僕は怪盗三月兎として、夜の街を駆ける。
その過程でシキラ・ガーゲインと出会い、
シャロンさんという素敵な旦那さんが
いるにも関わらず、僕に色目を使い始めた。
結果的にシキラさんは彼と離婚。
離婚後に双子を出産したが、
シャロンさんの子供だと分かったのか、
僕に双子を処分するように頼んできた。
それで僕は……
「ごめんな、僕のせいで…」
兄のシロは監獄の前、クロは処刑場の前に捨てた。
赤ん坊の頃に殺されないように、
監獄と処刑場のトップが
シロとクロを拾って育てるように操作した。
シキラさんには、このことを話していない。
「…………」
「ズワルト、あれって……」
「ああ、あれは間違いなく俺だ
やけに絡んでくると思ったら、
あいつ、俺を捨てた本人だったのか」
「三月くんは、どんな思いで
ズワルトくんとウィットくんを捨てたのでしょうね…」
「そんなの俺には知らねえよ
知らねえし、知りたくもない
知ったところでどうしようもないしな」
「まあ、どんな理由であろうと、
お前はまだ恵まれてる方だよ」
「実の親に捨てられてるのにか?
これ以上不幸なケースがあるのかよ」
「実の家族に命を狙われないだけ、お前はまだ幸せな方だよ」
「レイス、それは……
いや、深く追及するのはやめておく」
「ああ、是非そうしてくれ」
人は過去を暴かれることを嫌うから。
どうか、ずっと分からないでいてほしい。
俺の過去は、それだけつまらなくて、胸くそが悪い話だから。
場面が変わると、そこには三月の姿があった。
今まで無人だった家には、死体が二つ。
見たところ、夫婦の死体のように見えた。
どれも射殺で殺されている。
「一応聞いておくが、この死体は何だ」
「何だと思います?」
三月はいつものように笑う。
この死体を前に動じる気配は全くない。
だとすると、何か関係があるのだろう。
「俺が思うに、そいつらお前の両親なんじゃねえの?」
三月は、黙って笑うだけで答えない。
その瞬間、三月の陰から黒い物体が飛び出し、
あっという間に俺達を呑み込んだ。
やがて暗闇に慣れると、そこには一人の男と三月がいた。
三月は冷たい眼差しで男を見つめている。
「また帰ってきたのかよゴミ」
三月の言葉を聞いて激怒した男は三月を殴る。
「誰のお陰で飯を食えてると思ってるんだ!
餓死したくなければ、黙って俺に従っていれば良いんだ!」
殴られているというのに、三月はにやにやと笑う。
そんな態度も気にくわなかったのか、
男は殴るのをやめなかった。
「親に向かって何だその態度は!」
「さようなら」
その瞬間、三月の陰から黒い物体が飛び出し、男の体を拘束する。
殴られた時に出来たアザはすぐに治った。
「この化け物め!」
「何とでも言えば良いよ
ゴミに何言われようが響かないけどね」
パァン!
乾いた破裂音が、一人の男の命を奪った。
「サンガー? 何してるの?」
男の死体を見つけた女は悲鳴をあげる。
「サンガー……それ……」
「ああ、ゴミがいたから処分しておいたよ」
「ゴミって……彼はあなたの父親じゃないの」
「こんなゴミ、元から父親じゃないよ
ねえ、母さんはこんなゴミが消えて
せいせいしてるでしょ?」
「人殺し……」
「え? 何て言ったの母さん
良く聞こえなかったよ」
「この人殺し! 私に近づかないで!」
「…………」
三月は、無言で銃を母親に向ける。
母親は怯えた顔で三月に話しかけた。
「私も、殺すの?」
「うん、だって……」
「母さんは、いらなくなったから」
再び乾いた破裂音が、一人の命を奪っていく。
すると次第に背景が黒く染まり、元の場所へと戻っていた。
「三月の過去を覗いた気分はいかがですか?
気持ち悪い? それとも吐き気がする?
例えどう思ったとしても、
それが人の過去を暴くというものですから」
「おい三月野郎、俺も人のことは言えねえがな
人を殺すのに抵抗とかはねえのか?」
「きちんと自分がおかしいと自覚してる
ズルっちも三月は好きですよ?」
「質問に答えろ」
「答えって……もう出てるじゃないですか
単純にいらなくなったから殺した
三月の動機なんて、ただそれだけですぞ」
「そうか、お前にまともな返答を求めた俺が馬鹿だったよ」
「面白いことを言いますなズルっち
元からこの国の住人は、イカれた連中ばかりです
過去を覗くのであれば、
まともな感性は捨てることをおすすめしますぞ」
「まあ、ムカつくが一理あるな
どいつもこいつも癖がある住人ばかりだ」
「おい三月、どうしてお前は俺とアリスを選んだ」
「まあ、魔法の件もありますが、
もう一つの理由としたら、あなたとアリスの関係性ですな」
「俺とアリスの?」
「そうです、まあいずれ思い出すでしょうから、
今は何も言わないでおきますね」
「…………」
俺達は三月を連れて、この絵本の世界から脱出した。
「無効魔法」
最早何度目かの魔法をかける。
見ると、三月の傷はある程度回復していた。
「なあ、お前は一緒に来てくれないのか?」
「三月にはまだやることが残っています
分身の管理や、この空間を支える為に
魔力を使わなければいけません
管理人が一人でも解放されれば楽になるのですが…」
「そうか、一人でも多く解放出来るように頑張るよ」
「後、レイスには彼も託しておきます」
「彼?」
黒い物体が半分に分裂したかと思うと、
俺の陰へと入り込んでくる。
あのぞわぞわとした感触が、ちょっと気持ち悪かった。
「ガンズの半身を取り憑かせておきます
彼が憑いていれば、
レイスも超回復の恩恵を受けることが出来ますぞ」
「そうか、有り難く使わせて貰うよ
今は不老不死の管理人が不在だからな」
ガンズの力があれば、住人の絵本の解放にも役立つだろう。
困った時には頼ることにしよう。
「三月はしばらく参戦は出来ませんが、
レイス達のことを応援しています
ガンズとぷち三月をお願いしますね」
さあ、次は女王様を救わなければいけない。
いつの間にか、青と赤の目のオッドアイになっていた。
「ああ、目が覚めたんだね」
すると、シャロンさんの声に呼応するように、
僕の陰がうようよと蠢く。
「こら、ガンズ。大人しくしてなさい」
言葉を理解しているのか、陰はぴくりとも動かなくなった。
「うちの記憶魔がすまなかったね
見た目はあれだが悪い子ではないんだ」
「記憶魔?」
随分と聞き覚えがない種族だ。
一体シャロンさんは、このガンズという名の
記憶魔とどんな関係があるのだろうか。
「ガンズは僕の負の感情から生まれてね
主に破壊・略奪・操作しか使えないんだよ
でもその代わりに、ガンズに憑かれた者は、
超再生の力を手に入れることが出来るよ」
「超再生の力……」
そうか、だから僕の傷はすぐに塞がったのか。
何の気まぐれか僕の意識を残してくれたので、
ガンズとやらには感謝しないといけない。
“ただ俺の気が向いただけだ”
心の中からあの時と同じ声が聞こえた。
でも、今となっては恐怖を感じない。
慣れというのは恐ろしいものだ。
「ガンズを宜しく頼むよ。サンガーくん」
その日以来、シャロンさんの姿を見ることはなかった。
時は進み、僕は元の実家に帰ってきていた。
勿論、ガンズの存在を隠して……
でも、出来るだけ家には帰りたくなくて、
僕は怪盗三月兎として、夜の街を駆ける。
その過程でシキラ・ガーゲインと出会い、
シャロンさんという素敵な旦那さんが
いるにも関わらず、僕に色目を使い始めた。
結果的にシキラさんは彼と離婚。
離婚後に双子を出産したが、
シャロンさんの子供だと分かったのか、
僕に双子を処分するように頼んできた。
それで僕は……
「ごめんな、僕のせいで…」
兄のシロは監獄の前、クロは処刑場の前に捨てた。
赤ん坊の頃に殺されないように、
監獄と処刑場のトップが
シロとクロを拾って育てるように操作した。
シキラさんには、このことを話していない。
「…………」
「ズワルト、あれって……」
「ああ、あれは間違いなく俺だ
やけに絡んでくると思ったら、
あいつ、俺を捨てた本人だったのか」
「三月くんは、どんな思いで
ズワルトくんとウィットくんを捨てたのでしょうね…」
「そんなの俺には知らねえよ
知らねえし、知りたくもない
知ったところでどうしようもないしな」
「まあ、どんな理由であろうと、
お前はまだ恵まれてる方だよ」
「実の親に捨てられてるのにか?
これ以上不幸なケースがあるのかよ」
「実の家族に命を狙われないだけ、お前はまだ幸せな方だよ」
「レイス、それは……
いや、深く追及するのはやめておく」
「ああ、是非そうしてくれ」
人は過去を暴かれることを嫌うから。
どうか、ずっと分からないでいてほしい。
俺の過去は、それだけつまらなくて、胸くそが悪い話だから。
場面が変わると、そこには三月の姿があった。
今まで無人だった家には、死体が二つ。
見たところ、夫婦の死体のように見えた。
どれも射殺で殺されている。
「一応聞いておくが、この死体は何だ」
「何だと思います?」
三月はいつものように笑う。
この死体を前に動じる気配は全くない。
だとすると、何か関係があるのだろう。
「俺が思うに、そいつらお前の両親なんじゃねえの?」
三月は、黙って笑うだけで答えない。
その瞬間、三月の陰から黒い物体が飛び出し、
あっという間に俺達を呑み込んだ。
やがて暗闇に慣れると、そこには一人の男と三月がいた。
三月は冷たい眼差しで男を見つめている。
「また帰ってきたのかよゴミ」
三月の言葉を聞いて激怒した男は三月を殴る。
「誰のお陰で飯を食えてると思ってるんだ!
餓死したくなければ、黙って俺に従っていれば良いんだ!」
殴られているというのに、三月はにやにやと笑う。
そんな態度も気にくわなかったのか、
男は殴るのをやめなかった。
「親に向かって何だその態度は!」
「さようなら」
その瞬間、三月の陰から黒い物体が飛び出し、男の体を拘束する。
殴られた時に出来たアザはすぐに治った。
「この化け物め!」
「何とでも言えば良いよ
ゴミに何言われようが響かないけどね」
パァン!
乾いた破裂音が、一人の男の命を奪った。
「サンガー? 何してるの?」
男の死体を見つけた女は悲鳴をあげる。
「サンガー……それ……」
「ああ、ゴミがいたから処分しておいたよ」
「ゴミって……彼はあなたの父親じゃないの」
「こんなゴミ、元から父親じゃないよ
ねえ、母さんはこんなゴミが消えて
せいせいしてるでしょ?」
「人殺し……」
「え? 何て言ったの母さん
良く聞こえなかったよ」
「この人殺し! 私に近づかないで!」
「…………」
三月は、無言で銃を母親に向ける。
母親は怯えた顔で三月に話しかけた。
「私も、殺すの?」
「うん、だって……」
「母さんは、いらなくなったから」
再び乾いた破裂音が、一人の命を奪っていく。
すると次第に背景が黒く染まり、元の場所へと戻っていた。
「三月の過去を覗いた気分はいかがですか?
気持ち悪い? それとも吐き気がする?
例えどう思ったとしても、
それが人の過去を暴くというものですから」
「おい三月野郎、俺も人のことは言えねえがな
人を殺すのに抵抗とかはねえのか?」
「きちんと自分がおかしいと自覚してる
ズルっちも三月は好きですよ?」
「質問に答えろ」
「答えって……もう出てるじゃないですか
単純にいらなくなったから殺した
三月の動機なんて、ただそれだけですぞ」
「そうか、お前にまともな返答を求めた俺が馬鹿だったよ」
「面白いことを言いますなズルっち
元からこの国の住人は、イカれた連中ばかりです
過去を覗くのであれば、
まともな感性は捨てることをおすすめしますぞ」
「まあ、ムカつくが一理あるな
どいつもこいつも癖がある住人ばかりだ」
「おい三月、どうしてお前は俺とアリスを選んだ」
「まあ、魔法の件もありますが、
もう一つの理由としたら、あなたとアリスの関係性ですな」
「俺とアリスの?」
「そうです、まあいずれ思い出すでしょうから、
今は何も言わないでおきますね」
「…………」
俺達は三月を連れて、この絵本の世界から脱出した。
「無効魔法」
最早何度目かの魔法をかける。
見ると、三月の傷はある程度回復していた。
「なあ、お前は一緒に来てくれないのか?」
「三月にはまだやることが残っています
分身の管理や、この空間を支える為に
魔力を使わなければいけません
管理人が一人でも解放されれば楽になるのですが…」
「そうか、一人でも多く解放出来るように頑張るよ」
「後、レイスには彼も託しておきます」
「彼?」
黒い物体が半分に分裂したかと思うと、
俺の陰へと入り込んでくる。
あのぞわぞわとした感触が、ちょっと気持ち悪かった。
「ガンズの半身を取り憑かせておきます
彼が憑いていれば、
レイスも超回復の恩恵を受けることが出来ますぞ」
「そうか、有り難く使わせて貰うよ
今は不老不死の管理人が不在だからな」
ガンズの力があれば、住人の絵本の解放にも役立つだろう。
困った時には頼ることにしよう。
「三月はしばらく参戦は出来ませんが、
レイス達のことを応援しています
ガンズとぷち三月をお願いしますね」
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