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第50話 日常

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 さてはて、真如が何年生きているのかは過去を振り返り計算するのは面倒くさいものである。
 「語り手」としての日常はあれやこれやで忙しいことこの上ない訳でして、今まで語り綴ったものを検索する暇も惜しいと思う次第。
 とはいえ、この「世直し道中ひざくりげ」以外の物語から始めた日々の語りは、試行錯誤を繰り返しながらかれこれはや2年以上が経過しているのだけれど、果たして私めの語り方は進歩しているのであろうか?
 そんなことは一番初めに語った物語を読んでみれば、恐らくは一目瞭然と知れたものであろう。
 
 しか~し、普段は他にやることが多すぎて過去の物語を読み直そうという気力は、体力や胆力の希薄な私めにはこれっぽっちも残っていないというお粗末様である。
 何故だか今宵は「語り手」たる私めには愚痴っぽい言葉しか浮かんで来ない。

 これは恐らく日頃から溜まっているストレスが原因と目星をつけてるのですけれど、生きて生活を継続していればストレスなんぞ絶対に無くなることはないであろう。

 だとすれば私めの選択肢はただ一つ。
 完全に消えることはないであろうストレスと上手に付き合って行くことが最上の一手と確信するに至った。

 などと云っているあいだに、かつて遭遇したことのない「強者」たる人物が、仙花一味の前にに今にも届かんとしていた...
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