62 / 236
第61話 忍耐
しおりを挟む
居合い抜きの構えを取り、互いが抜刀の機会を忍耐強く待つ緊張の膠着状態。
何かしらの「きっかけ」さえあれば良いのだが...
少しばかり二人から離れた仙花らが見守る中、その待ち侘びた「きっかけ」が遂に訪れようとしていた。
もちろんそれは人工的に起こそうとするものでは無く、人力が到底及ばない自然現象が起こすものである。
両脇に木々の生い茂るこの山道には、風がほとんど吹いていなかったのだが、そよそよと吹く風が流れ出し、やがて間もないうちに風が倍以上の強さになると、静かだった森の木々達が揺れ、「ザワザワ」と音を立て出した。
「風、じゃな」
「さようにございますねぇ...これでようやく二人の動く姿を見れそうでございます」
仙花とお銀が言葉を交わしたあと、お銀の言葉通り、いよいよもって二人の達人が動くこととなる。
何かしらの「きっかけ」さえあれば良いのだが...
少しばかり二人から離れた仙花らが見守る中、その待ち侘びた「きっかけ」が遂に訪れようとしていた。
もちろんそれは人工的に起こそうとするものでは無く、人力が到底及ばない自然現象が起こすものである。
両脇に木々の生い茂るこの山道には、風がほとんど吹いていなかったのだが、そよそよと吹く風が流れ出し、やがて間もないうちに風が倍以上の強さになると、静かだった森の木々達が揺れ、「ザワザワ」と音を立て出した。
「風、じゃな」
「さようにございますねぇ...これでようやく二人の動く姿を見れそうでございます」
仙花とお銀が言葉を交わしたあと、お銀の言葉通り、いよいよもって二人の達人が動くこととなる。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる