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第90話 天心
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「...まぁそう言うてくれるな小童よ。オレは元々人付き合いというものが苦手でな。だからこそこの『純真の洞穴』でたったの一人で暮らし、何十年に一度来るか来ないか分からぬような人間が訪れるのを待ち続ける役を買って出たわけだが、人とは不思議なもんでな、ず~っと長い間会話をすることが無いと人恋しくもなったりするのよ」
「へぇ~...どちらにせよ、未だ姿を現さぬお主が偏屈者であることに変わりはなかろう。因みに儂の名は『徳川仙花』。折角じゃ、お主の名も訊いといてやろうではないか」
「...........」
闇中の声の主が何処に存在するのかは不明だけれど、仙花の物言いに暫くの沈黙が流れ。
「オレは本来は仙人界の住人である『保坊天心(ほぼうてんしん)という仙人だ。久しく会う人間のお主と世間話でもしたいところだが、オレは与えられた役割を果たさねばならん」
「うむ、仙女になるための試練を受けに来て『世間話』なんぞするつもりは毛頭無い。さっさと試練とやらを始めるがいい」
これは仙花の性分だから仕方がないことなのかも知れないが、彼女は誰が相手でも上から目線でものを言うところがある。
今回も無礼なもの言いをして仙人の天心を微かに戸惑わせたものだった。
「へぇ~...どちらにせよ、未だ姿を現さぬお主が偏屈者であることに変わりはなかろう。因みに儂の名は『徳川仙花』。折角じゃ、お主の名も訊いといてやろうではないか」
「...........」
闇中の声の主が何処に存在するのかは不明だけれど、仙花の物言いに暫くの沈黙が流れ。
「オレは本来は仙人界の住人である『保坊天心(ほぼうてんしん)という仙人だ。久しく会う人間のお主と世間話でもしたいところだが、オレは与えられた役割を果たさねばならん」
「うむ、仙女になるための試練を受けに来て『世間話』なんぞするつもりは毛頭無い。さっさと試練とやらを始めるがいい」
これは仙花の性分だから仕方がないことなのかも知れないが、彼女は誰が相手でも上から目線でものを言うところがある。
今回も無礼なもの言いをして仙人の天心を微かに戸惑わせたものだった。
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