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第147話 惨劇
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結局のところ、清兵とトキの二人はお地蔵様の言うことには応じず、深々と首を垂れたのち不始末村への帰路を再び歩み始めた。
もし此処で二人が人形を捨てさえしていれば、後に起こる惨劇は避けられたのであろうけれど、「たられば」の話しなんぞ一度きりの人生には無意味なものなのかも知れない...
七体の地蔵様が立っていた場所から、一時間ほどで二人は不始末村に帰り着くことが出来た。
だが天候は時間が経過すればするほど悪くなっており、この時には強い風も吹き始め、不始末村全体が猛烈な吹雪に見舞われていたのである。
辺りはすっかり暗闇に包まれ、距離を置いてポツポツと建っている住民の家からは、火の灯りが灯され、夕飯時とあってちらほらと煙の漏れる家もあった。
同じく灯りの灯った我が家を目の前にし、清兵が大八車から手を離して家の戸を手をかける。
古くボロい家の戸は、開けるのにちょっとした工夫が必要であり、力を込めてガタガタと音を立てながらゆっくりと開けた。
すると戸の音に気付いた娘の椿とその弟の梵が清兵に走り寄る。
「「お帰り~♪」」
「おう!ただいま帰ったぞ」
留守番をしていた子供達は寂しかったのか、これでもかというほど満面の笑顔をして清兵に飛びついた。
もし此処で二人が人形を捨てさえしていれば、後に起こる惨劇は避けられたのであろうけれど、「たられば」の話しなんぞ一度きりの人生には無意味なものなのかも知れない...
七体の地蔵様が立っていた場所から、一時間ほどで二人は不始末村に帰り着くことが出来た。
だが天候は時間が経過すればするほど悪くなっており、この時には強い風も吹き始め、不始末村全体が猛烈な吹雪に見舞われていたのである。
辺りはすっかり暗闇に包まれ、距離を置いてポツポツと建っている住民の家からは、火の灯りが灯され、夕飯時とあってちらほらと煙の漏れる家もあった。
同じく灯りの灯った我が家を目の前にし、清兵が大八車から手を離して家の戸を手をかける。
古くボロい家の戸は、開けるのにちょっとした工夫が必要であり、力を込めてガタガタと音を立てながらゆっくりと開けた。
すると戸の音に気付いた娘の椿とその弟の梵が清兵に走り寄る。
「「お帰り~♪」」
「おう!ただいま帰ったぞ」
留守番をしていた子供達は寂しかったのか、これでもかというほど満面の笑顔をして清兵に飛びついた。
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