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第179話 眉唾

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 確かである。

 仙花が蛇朱喃に己が普通の人間であるか否かなど説明した場面など一度も無いし、己が仙人に覚醒した人物であることをわざわざ説明する必要も義理無い。

 思わぬところで濡れ衣を着せられた仙花であったけれど、蛇朱喃の言葉に動揺することなど微塵も無く、空中で身体を捻り体勢を整える。

 空中より落下する力を利用して敵に斬りかかる構えを取るであろうと思いきや、仙花は己の精神を集中して何やらブツブツと呟いた。

「展開としてはちと早すぎるが、そんなくだらぬことはどうでも良い。この術と剣を持ってして葬ってくれようぞ...光の仙術『眉唾っ!』」

 彼女は短い時間であったが、「純真の洞穴」に住まう偏屈な仙人である仙人の「天心」より教えてもらい習得したヘンテコな名称の仙術を放ったのだった。
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