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第194話 金棒

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「おぅりゃああああああああっ!!!!行くでござるよーーーっ!!!!」

 蓮左衛門の気合いたるや正に炎の如く凄まじく、ワラワラと現れ道を塞いだ得体の知れぬ怪異の群れへと突進する。

 得体が知れぬ敵に対し真っ向から突っ込むのは何処からどう見ても無謀であるとしか言いようがない。だが、粛々と活躍の場を求めていた蓮左衛門の気合いは、相手が何者であっても木っ端微塵にしてやろうという意気込みが感じられた。
 
 両の腕に持ち構えるは、いつぞやの盗賊との一戦で手に入れた大金棒。武士である者が手にして戦うは刀が常套ではあるものの、然るに勢いある今の蓮左衛門にとっては「鬼に金棒」といった具合である。

 常人がその一撃を喰らえば頭など粉々に砕けてしまうであろう大金棒には、真土間の強力な力が加わり「炎の大金棒」と化していた。



 
 
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