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第199話 忍術

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「雷火晩餐の術!!」

「ピッシャーーーーーーッ!!!!」

 お銀が術の名を叫ぶや否や、上空にいつの間にやら現れた雨雲から十を超える雷が、怪異の集団に直撃する!

「ボウッ!」

 雷の直撃を受けた直後に砕け散った怪異も数体いたが、砕けずともピタリと動きの停止した怪異の身体が突然発火現象を起こし、断末魔をあげながら燃え尽きていった。

 先にも説明したけれど、くノ一お銀の実力たるや数多く存在する忍者の中でもトップクラスであり、彼女は卓越された体術よりもむしろ忍術を圧倒的に得意としていたものである。

「ほう、こいつはたまげたわい。お銀の忍術の威力が随分と強力なものになっておる」

 仙花は驚嘆の表情でお銀の忍術を素直に褒め称えた。
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