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第227話 大工

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 仙花が宿屋でゆるりとできることにご満悦のところで、建築について、というか建物の建築において必要不可欠な大工について少しばかり語ろうではないか。


 かつては一般の木造建築の職人を「右官」と呼んでいたが、江戸時代頃から一般の職人も大工と呼び、統率者に対しては、棟梁と呼ぶようになった。江戸の発音では「デエク」である。

 飛鳥時代に今も使われている「さしがね」を考案したとも言われる聖徳太子が組織し、都造りのため天皇のそばで建築の「木」に関わる職を「右官」、「土」に関わる職を「左官」と呼んでいたという説もある。 現在の建設業で「左官」以外の職種は設計も含め、「大工」より派生したものが非常に多い。 最近よく使われる「意匠」というのは、「匠(大工)」が「意図する(考えた)」という意味でデザイン性を表す昔ながらの言葉であるらしい...
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