64 / 131
第3話 芥藻屑との戦 ノ28
しおりを挟む
喉に触れる短刀の冷たさに恐怖を覚えた沙河定銀がゴクリと喉を鳴らす。
「おめぇ、知らぬうちにわての背後を取るとは...さては忍びの者か?」
背後を取られた彼には見えていないが、お銀はその美しい顔で不敵な笑みを浮かべていた。
「フフフ。死ぬあんたには猫の手くらい不要な情報だねぇ...でもあんたの人生を終わらせる者の名前を冥土の土産にするといいさ...あたしはね、甲賀の里ではちょいと有名な美濃部(みのべ)家の長女として生まれたんだよ...それはそれは蝶よ花よと大事にみっちり厳しく忍道を歩まされ、二十歳を超えた頃には里のくノ一をまとめる頭領になったってなもんさ...どうだい、家柄も良く、こんな立派で美人のくノ一の頭領に殺されるんだ。ちょっぴり幸せな気分になれたってもんだろう?」
「なるかーーーっ!わては未だ死ねんのじゃっ!これからも長く生きてたくさんの弱者をいじめて楽しむっ!!??ブフッ!!?」
お銀から望まぬ長話を聞かされた上、己の望みを言い終わらぬうちに喉元を短刀によって深々と斬られた沙河定銀。
「ブォフッ...え、えげつないことを...」
「うるさい豚だねぇ。忍者ってのは「なんでも屋」的なところがあるけれど、元来は鍛え抜かれた身体を使って偵察や暗殺を主に仕事としてるんだよ。もう、目障りだから落ちな」
そう言ってお銀は喉を押さえて苦しむ沙河定銀の背中を「トン」と軽く蹴り、社の屋根の上から容赦なく落とした。
「ヘブッ!?」
グシャッ!と音を立て、頭から地面に叩きつけられた沙河定銀はそのまま立ち上がることなく、うつ伏せで身体をピクピクとさせていたが、先に逝った雅楽奈亜門と同じく二度と動かぬ屍となった。
その様子をじっと眺めていた村人達は、失っていた元気を僅かに取り戻し、少し変な表現かもしれないが微かな歓声を上げたのだっだ。
旅の初日にして芥藻屑という悪党集団の名を知り、その集団の実力者たる芥五人衆のうち、烈剣の四谷流甲斐、速剣の雅楽奈亜門、飛剣の沙河定銀の三人を亡き者とした仙花の一行。
この所業は一般的な意味では計り知れない功労と云えたが、当の本人達にしてみれば、とんと大したことではなかったようで、まるで何事もなかったかのような顔をして村人達に振る舞っていた。
村人達と共に仙花とお銀の二人が加わり、焚き火の修繕に取り掛かっているところへ、蓮左衞門と九兵衛の二人が雅楽奈亜門と沙河定銀の乗ってきた馬を連れて現れる。
「仙花様~!言われた通り馬を捕まえて来たでござる!それでこの馬をどうするおつもりにござるか?」
「おめぇ、知らぬうちにわての背後を取るとは...さては忍びの者か?」
背後を取られた彼には見えていないが、お銀はその美しい顔で不敵な笑みを浮かべていた。
「フフフ。死ぬあんたには猫の手くらい不要な情報だねぇ...でもあんたの人生を終わらせる者の名前を冥土の土産にするといいさ...あたしはね、甲賀の里ではちょいと有名な美濃部(みのべ)家の長女として生まれたんだよ...それはそれは蝶よ花よと大事にみっちり厳しく忍道を歩まされ、二十歳を超えた頃には里のくノ一をまとめる頭領になったってなもんさ...どうだい、家柄も良く、こんな立派で美人のくノ一の頭領に殺されるんだ。ちょっぴり幸せな気分になれたってもんだろう?」
「なるかーーーっ!わては未だ死ねんのじゃっ!これからも長く生きてたくさんの弱者をいじめて楽しむっ!!??ブフッ!!?」
お銀から望まぬ長話を聞かされた上、己の望みを言い終わらぬうちに喉元を短刀によって深々と斬られた沙河定銀。
「ブォフッ...え、えげつないことを...」
「うるさい豚だねぇ。忍者ってのは「なんでも屋」的なところがあるけれど、元来は鍛え抜かれた身体を使って偵察や暗殺を主に仕事としてるんだよ。もう、目障りだから落ちな」
そう言ってお銀は喉を押さえて苦しむ沙河定銀の背中を「トン」と軽く蹴り、社の屋根の上から容赦なく落とした。
「ヘブッ!?」
グシャッ!と音を立て、頭から地面に叩きつけられた沙河定銀はそのまま立ち上がることなく、うつ伏せで身体をピクピクとさせていたが、先に逝った雅楽奈亜門と同じく二度と動かぬ屍となった。
その様子をじっと眺めていた村人達は、失っていた元気を僅かに取り戻し、少し変な表現かもしれないが微かな歓声を上げたのだっだ。
旅の初日にして芥藻屑という悪党集団の名を知り、その集団の実力者たる芥五人衆のうち、烈剣の四谷流甲斐、速剣の雅楽奈亜門、飛剣の沙河定銀の三人を亡き者とした仙花の一行。
この所業は一般的な意味では計り知れない功労と云えたが、当の本人達にしてみれば、とんと大したことではなかったようで、まるで何事もなかったかのような顔をして村人達に振る舞っていた。
村人達と共に仙花とお銀の二人が加わり、焚き火の修繕に取り掛かっているところへ、蓮左衞門と九兵衛の二人が雅楽奈亜門と沙河定銀の乗ってきた馬を連れて現れる。
「仙花様~!言われた通り馬を捕まえて来たでござる!それでこの馬をどうするおつもりにござるか?」
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる