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第3話 芥藻屑との戦 ノ31
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そう言われはしたものの、目の前起こった急展開に思考が追いつかず、郷六はへなへなと腰を抜かしてその場にへたり込んだ。
よく見れば郷六の顔はげっそりとしてやつれ、実際の年齢よりも重ねて十は老けているかのようである。その原因としては、仙花の家臣らによる暴走も僅かながらにあったかも知れないけれど、今朝方前触れなく現れ、村崩壊の危機にまで貶めた芥藻屑の急襲によるところが大きかった。
と、俯いたままの郷六の視界へスッと手を伸ばす雪舟丸。
「御仁よ。かなり疲れているように見受ける...何があったかは知らぬがこれでも食べて精をつけるがいい。これから先も生きる覚悟があるのなら、まずは食べねば事を成す事も出来まい」
雪舟丸の掌の上には先程捌いた綺麗な馬刺しがのっていた。
その馬刺しを食べるか否かと迷っていた郷六であったが、決心したのかゆっくりと馬刺しを掴み取りそのまま口に入れ、何度か噛むと目に涙を滲ませた。
「御侍、感謝致します。貴方の仰る通りにございますな。人間、どのような災難に見舞われようとも、食べねば生きることも叶いませぬ、なぁ...」
黙って様子を眺めていた仙花が雪舟丸に声をかける。
「いつも寝てばかりいる其方でも、そのように人を元気付ける言葉を喋れるとはのう。剣の腕といい正直其方には驚かされっ放しだわい」
「...これは勿体なくも有り難きお言葉を頂戴し、拙者も感無量にございます。ところで、捌いた大量の馬肉はどのようにされるおつもりでございましょうか?」
どうやら雪舟丸もよほど空腹だったらしく、藁の上に重なる大量の馬肉を無駄に真剣な眼差しで見つめる。
「おう、これか?これはあそこの村人達に振る舞うのだ。もちろん儂らの分もあるぞ。焚き火を囲み、話でもしながら皆で食べようではないか。のう、郷六」
「は、はい。何から何まで感謝致しまする~」
郷六が恭しく礼を述べている間に、蓮左衞門と九兵衛の二人が馬肉を運ぶ準備に取り掛かった。
馬二頭分の肉は人間十人分以上はあろうかという重量である。怪力の持ち主である蓮左衞門とて一人では到底持ち運べず、九兵衛も手伝って腕いっぱいに頭を越える高さまで積み上げ、ふらふらしながら焚き火まで一回目を持ち運ぶと、お銀から説明を受けた村人達が手伝い始め、自然に運搬と調理をする係に分かれたものである。
暫くすると馬肉をふんだんに使った晩餐とも呼べる豪華な料理の準備が整い、仙花の一行と村人達のほぼ全員で焚き火囲んで座り、夜も深くなりつつある中の遅い食事会が始まったのだった。
よく見れば郷六の顔はげっそりとしてやつれ、実際の年齢よりも重ねて十は老けているかのようである。その原因としては、仙花の家臣らによる暴走も僅かながらにあったかも知れないけれど、今朝方前触れなく現れ、村崩壊の危機にまで貶めた芥藻屑の急襲によるところが大きかった。
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雪舟丸の掌の上には先程捌いた綺麗な馬刺しがのっていた。
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「御侍、感謝致します。貴方の仰る通りにございますな。人間、どのような災難に見舞われようとも、食べねば生きることも叶いませぬ、なぁ...」
黙って様子を眺めていた仙花が雪舟丸に声をかける。
「いつも寝てばかりいる其方でも、そのように人を元気付ける言葉を喋れるとはのう。剣の腕といい正直其方には驚かされっ放しだわい」
「...これは勿体なくも有り難きお言葉を頂戴し、拙者も感無量にございます。ところで、捌いた大量の馬肉はどのようにされるおつもりでございましょうか?」
どうやら雪舟丸もよほど空腹だったらしく、藁の上に重なる大量の馬肉を無駄に真剣な眼差しで見つめる。
「おう、これか?これはあそこの村人達に振る舞うのだ。もちろん儂らの分もあるぞ。焚き火を囲み、話でもしながら皆で食べようではないか。のう、郷六」
「は、はい。何から何まで感謝致しまする~」
郷六が恭しく礼を述べている間に、蓮左衞門と九兵衛の二人が馬肉を運ぶ準備に取り掛かった。
馬二頭分の肉は人間十人分以上はあろうかという重量である。怪力の持ち主である蓮左衞門とて一人では到底持ち運べず、九兵衛も手伝って腕いっぱいに頭を越える高さまで積み上げ、ふらふらしながら焚き火まで一回目を持ち運ぶと、お銀から説明を受けた村人達が手伝い始め、自然に運搬と調理をする係に分かれたものである。
暫くすると馬肉をふんだんに使った晩餐とも呼べる豪華な料理の準備が整い、仙花の一行と村人達のほぼ全員で焚き火囲んで座り、夜も深くなりつつある中の遅い食事会が始まったのだった。
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