木にかかったランプ

流川おるたな

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木にかかったランプ

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 ある国の大きな山の森には小人がひっそりとくらしていました。

 この日は人間の世界でも小人にとっても同じ年末の日です。

 雪の少しふりつもった森の中を、大きいふくろを持った小さい人が歩いています。

 それは赤い帽子をかぶったわかい小人のアルでした。

「今日は今年さいごの日だ。なにか見つからないかなあ」

 大きいふくろを持っていたのは、良いものが落ちていれば持ちかえろうと思っていたからなのです。

 アルが森の中を歩いてもなかなか良いものは見つけられませんでした。

「今日はなにも見つからないかもしれないな」

 くらくなってきたので家に帰ることにしたアルでしたが、その帰りみちで木にかかっているランプを見つけます。

「良いものを見つけたぞ。よいしょ、よいしょ」

 力いっぱい木をのぼってランプをふくろに入れることができました。

 家への帰りみちをまた歩きはじめます。

 でも歩いていたアルにたいへんなことがおこりました。

 通りなれたみちだったはずが、森のくらさとふりつもった雪で道にまよってしまったのでした。

 森はどんどんさむくなり、どうぶつたちもとうみんしていてあたりは音ひとつしません。

 アルにとってはなれた森だったのにだんだんこわくなってきました。

「そうだ。このランプにあかりをともそう」

「カチッカチッ!カチッカチッ!ポッ!」

 もっていたひうちいしでランプのしんにひをつけあかりをともします。

 目の前に木のきりかぶを見つけ、そこにランプをおいてすわりこみました。

「ランプの明かりはいいなあ。さみしさをまぎらわしてくれる」

 しばらくランプのあかりにみとれていると、大きいこえがきこえてきます。

「やあ!アルじゃないか!みちにまよってたらあかりがみえてきたんだよ!」

 大きいこえを出していたのは青い帽子をかぶった小人のベルでした。

「それはさみしかったろうに、いっしょにランプのあかりをみようじゃないか」

 そうして二人の小人がいっしょにみていると、また大きいこえがきこえてきます。

「おお!アルとベルじゃないか!みちにまよってあかりにひきよせられたんだよ」

 こんどは黄色い帽子をかぶった小人のホムがあらわれたのでした。

 三人の小人はしばらくいっしょになってランプのあかりをみていました。

「ぜいたくだけどチキンのまるやきがたべたいなあ」

 おなかがへってきたベルがそういうと、とつぜんきりかぶのうえにまるやきのチキンがあらわれました。

「おいおい、どういうことだ。おれもいってみるぞ!やきたてのパンがたべたいなあ」

 ホムがそういうと、やきたてのパンがあらわれました。

「おお、これはすごい!ならあたたかいシチューがたべたいなあ」

 アルがさいごにそういうと、あたたかいシチューがあらわれました。

 三人の小人はあらわれたりょうりをおいしそうにたべました。

 このランプはあかりで三人の小人をたすけただけでなく、りょうりを出してくれるまほうのランプでもあったのです。

 こうして三人の小人は、今年さいごの日をなかよくたのしくすごせたのでした。
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