6 / 13
猿の妖怪 狒々(ひひ)
しおりを挟む
「おーいこっちこっち!猿がたくさんいるぞー!」
はしゃぐタマが僕とムギに手振って呼んでいる。
僕たちはタマとムギのたっての希望で動物園に来ていた。
なんでも古書店に置かれている動物図鑑を何度も見返すほど動物が好きなんだそうだ。
タマはトラで、ムギはなぜか分からないがハクビシンを必ず観たいようである。
どちらにしても広い意味でネコ系の動物を選択するところが興味深い。
今はタマに呼ばれて日本猿の群れを観てた。
「日本猿って集団で行動するんだよな!?ボス猿はどいつだ~!?」
タマがそう言ってボス猿を探して始めるの。
僕は体が大きくて年寄りっぽい猿を指差した。
「なんかあいつ貫禄あるぞ!あの猿じゃないか?」
「確かに貫禄はあるけどあの猿じゃないわ。たぶんあの猿よ」
ムギの指差した方を見ると、僕が見つけた猿より一回り大きくボス猿っぽかった。
タマに聞かれたく無いのか、ムギが僕の耳元に顔を近づけて小声で言う。
「あれがボス猿だとは思うんだけど、妖怪の狒々(ひひ)でもあるみたいなの」
「え!?こんなとこにも妖怪がいるってのか?」
驚いて思わず声を上げてしまった。
「シ~。タマに聞こえないように話して。タマが知ったらまた何も考えずに声をかけるかも知れないでしょ」
古書店では砂かけばばあに躊躇せず話しかけていたからそう考えるのが妥当だろう。
「それに狒々にとってはここが楽園みたいなものだから、何もしなければ問題ないわ」
「ちょっと待てムギ。その狒々の様子がおかしい」
狒々が急に牙を剥き出しにして何かに対して威嚇している。
「シャーーッ!」
横から猫の威嚇するような声が聴こえた!?
横を見るとタマが狒々を威嚇していたのである。
興奮して耳が突き出し猫目になっていた。
「おすわりっ!」
咄嗟に言うとタマがおすわりポーズをとり静かになった。
「タマ!なにやってんだ!?耳と目を早く元に戻せ!」
「あ、悪い悪い」
耳が消えて目も人間の目に戻った。
「タマ、なにがあったの?」
ムギが心配そうな顔をしている。
「いや、あの猿がボクと目が合った瞬間に牙を剥いて威嚇して来たんだよ。で、ボクが頭にきて威嚇のお返しをしてただけ」
もしかしてあの狒々はタマが妖怪であることに気づいたのだろうか?にしても...
「理由はどうであれ、人の多い場所でああいった行動は控えてくれないか?もし誰かに見られたら大騒ぎになってしまうからな」
「ん~そうだな。今回はボクが悪かったよ」
素直に謝ってくれたが今後も指導することになるんだろうな...やれやれである。
「狒々は落ち着いたみたい。あの様子だともう大丈夫そうよ。だけど気をつけてねタマ」
「あーい」
僕たちは狒々のことは忘れるようにして、別の動物を観に移動したのだった。
はしゃぐタマが僕とムギに手振って呼んでいる。
僕たちはタマとムギのたっての希望で動物園に来ていた。
なんでも古書店に置かれている動物図鑑を何度も見返すほど動物が好きなんだそうだ。
タマはトラで、ムギはなぜか分からないがハクビシンを必ず観たいようである。
どちらにしても広い意味でネコ系の動物を選択するところが興味深い。
今はタマに呼ばれて日本猿の群れを観てた。
「日本猿って集団で行動するんだよな!?ボス猿はどいつだ~!?」
タマがそう言ってボス猿を探して始めるの。
僕は体が大きくて年寄りっぽい猿を指差した。
「なんかあいつ貫禄あるぞ!あの猿じゃないか?」
「確かに貫禄はあるけどあの猿じゃないわ。たぶんあの猿よ」
ムギの指差した方を見ると、僕が見つけた猿より一回り大きくボス猿っぽかった。
タマに聞かれたく無いのか、ムギが僕の耳元に顔を近づけて小声で言う。
「あれがボス猿だとは思うんだけど、妖怪の狒々(ひひ)でもあるみたいなの」
「え!?こんなとこにも妖怪がいるってのか?」
驚いて思わず声を上げてしまった。
「シ~。タマに聞こえないように話して。タマが知ったらまた何も考えずに声をかけるかも知れないでしょ」
古書店では砂かけばばあに躊躇せず話しかけていたからそう考えるのが妥当だろう。
「それに狒々にとってはここが楽園みたいなものだから、何もしなければ問題ないわ」
「ちょっと待てムギ。その狒々の様子がおかしい」
狒々が急に牙を剥き出しにして何かに対して威嚇している。
「シャーーッ!」
横から猫の威嚇するような声が聴こえた!?
横を見るとタマが狒々を威嚇していたのである。
興奮して耳が突き出し猫目になっていた。
「おすわりっ!」
咄嗟に言うとタマがおすわりポーズをとり静かになった。
「タマ!なにやってんだ!?耳と目を早く元に戻せ!」
「あ、悪い悪い」
耳が消えて目も人間の目に戻った。
「タマ、なにがあったの?」
ムギが心配そうな顔をしている。
「いや、あの猿がボクと目が合った瞬間に牙を剥いて威嚇して来たんだよ。で、ボクが頭にきて威嚇のお返しをしてただけ」
もしかしてあの狒々はタマが妖怪であることに気づいたのだろうか?にしても...
「理由はどうであれ、人の多い場所でああいった行動は控えてくれないか?もし誰かに見られたら大騒ぎになってしまうからな」
「ん~そうだな。今回はボクが悪かったよ」
素直に謝ってくれたが今後も指導することになるんだろうな...やれやれである。
「狒々は落ち着いたみたい。あの様子だともう大丈夫そうよ。だけど気をつけてねタマ」
「あーい」
僕たちは狒々のことは忘れるようにして、別の動物を観に移動したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
最初から最強ぼっちの俺は英雄になります
総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる