少年とタマとムギの捨て猫あやかし物語 第一章

流川おるたな

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タマVS雷獣

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「命知らずな奴だっ!」

「行っくぞーーーっ!」 

 タマと雷獣が互いに向けて猛烈に駆け出す!
 そのスピードは見た感じ互角といったところだろうか。

「ザシュっ!」

「ウッ!?」

 雷獣の突き出す鋭い爪をひらりとかわしたタマが敵の背中を切り裂く!

 よく見るとタマの手首部分から爪の先まで猫の様相を呈しており、その爪は大きく鋭利な刃物となっていた。

 それを見ていた白狐のキムラが嬉しそうに言う。

「ふむ。生まれて初めての戦闘で臆せず良い動きをしています。タマさんの身体能力と戦闘センスには素晴らしいものがあるようですね」

「キムラはあれだけしか見てないのにそこまで分かるのか?」

「フッ、また呼び捨てにしましたね。呼び捨て決定ですか?」

「呼びやすいしお互い親近感が持てるだろ。僕の事も天馬と呼んで構わない」

「フッ、そういう事にしておきましょう。天馬、私はこう見えて何百年と生きてきた白狐なのです。少し見れば妖怪の強さはある程度測れるというものなのですよ」

「え!?キムラは何百年も生きてるのか?」

「そうですよ。あやかし、怪異、妖怪の類は人間と違い寿命が遥かに長いのです。おっと!話している間に雷獣が本気を出して来たようですね」

「あ!?」

 闘っている両者に目を向けると、雷獣が身体から電撃を放出してタマの防戦一方になっていた。

「ヴァリッ!ヴァリリッ!ヴァリッ!」

「わっ!とっ!ほっ!?」

 電撃だけに凄まじい速さで飛んで来る連続攻撃をギリギリで回避し続けるタマの表情には余裕が無い。

「飛び道具なんて卑怯だぞ!雷獣のおやじ!」

「馬鹿を言うな幼い猫又!これはオレ様の得意技で道具では無い!それに闘いに卑怯もクソもあるか!」

 雷獣の言う事の方が正論であり、タマを擁護する言葉は見つからない。

「ぎゃっ!?」

 ギリギリで回避していたが何十発も放出された雷の一つが遂に直撃する!

 タマの服や耳、手や尻尾がプスプスと焦げていたが倒れてはいなかった。

「フーフーフー...もうあったま来たぞ!」

 そう言ってタマが両腕を天に向けると長かった猫の爪が更に3倍ほどの長さになった!

 猫の爪から青白い妖気が溢れ出し纏わりついていき、両腕を雷獣に向けて「ブン!」と振り下ろすと同時に叫ぶ!

「なんか出ろやーーーーーっ!!!」

 単なる思い付きで技を繰り出したようだったが、その行動が功を奏し、空を斬る猫の爪から何かが放出された!?

「ビュッ!」

「ザシャシャッ!」

「がっ!?」

 放出された何かが雷獣の身体を数カ所切り裂き血が噴き出す!

「あれはカマイタチの出す風の刃に似ている…」
 一部始終を見ていたキムラがそう呟いた。
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