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冒険者の登録
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カミュの必死さに気圧されたダイムは、仕方なく書類をカウンターの上に差し出した。
「まあ、過去に13歳で冒険者登録をした者がいなかった訳じゃない。しかし、決して一人でダンジョンに入るのだけは止めてくれよ」
「ご心配ありがとうございます。わかりました!決して一人でダンジョンには入りません!」
書類に記載されている契約条項に目を通し署名して拇印を押す。
カミュから差し戻された書類を手に取り、確認したダイムが今度は銀の指輪を差し出した。
「この指輪は冒険者登録をした全員に渡される[冒険者の指輪]という物だ。冒険者の証であり、持ち主のステータスを表示する機能がある。他にも機能はあるが主なものは今云った二つだ。これを左手の中指にはめてみろ」
言われた通りカミュが指輪を指にはめると、一瞬「ピカッ」と光り、サイズの合わなかった指輪がピッタリと指にフィットした。
真面目な顔のダイムが更に真面目な顔をして告げる。
「カミュ・ローグハート。これでたった今から君はギルド・エスカイアの冒険者となった」
「あ、ありがとうございます!…でも、今更なんですがお金を余り持ってないんです。登録料っておいくらなんでしょうか?」
カミュが不安そうな表情で訊くと、ダイムがニカッとして答える。
「安心しろ。冒険者の登録は無料でやっている。冒険者にとって大変なのはこれからだ。頑張れよ!」
「これからもよろしくお願いします!頑張ります!」
そう言ったあとカミュはまた案内所に移動した。
「クラッセさーん!冒険者登録が済んだんですけど次はどうしたら良いしょう?」
クラッセが微笑みながら案内する。
「それは良かったですね。ではあちらの[ダンジョン係]に行っていただきますと、係の者がダンジョン挑戦の心得を説明いたしますので」
「助かります!クラッセさん!」
あっという間に[ダンジョン係]へと駆けて行った。
建物内部の壁上の梁にずっと座って観ていたレコがぼ独り言を呟く。
「あの子13歳なのに凄い行動力だなぁ。13歳の頃のマリムを観てるみたいだ…」
[ダンジョン係]の窓口の造りは[ギルド係]とほぼ変わらなかったが、対応する事務員は若いヒューマンの女性だった。
「さっき冒険者の登録を済ませたばかりの者なんですけど…」
若すぎる冒険者の姿を見て女性が少し驚いた顔をして言う。
「あら!若い冒険者さん。私はティルミと申します。登録を済まされたばかりの冒険初心者の方ですね。マニュアルを準備しますので、こちらに座ってお待ちください」
カミュは個室に案内され椅子に座ってティルミを待った。
「まあ、過去に13歳で冒険者登録をした者がいなかった訳じゃない。しかし、決して一人でダンジョンに入るのだけは止めてくれよ」
「ご心配ありがとうございます。わかりました!決して一人でダンジョンには入りません!」
書類に記載されている契約条項に目を通し署名して拇印を押す。
カミュから差し戻された書類を手に取り、確認したダイムが今度は銀の指輪を差し出した。
「この指輪は冒険者登録をした全員に渡される[冒険者の指輪]という物だ。冒険者の証であり、持ち主のステータスを表示する機能がある。他にも機能はあるが主なものは今云った二つだ。これを左手の中指にはめてみろ」
言われた通りカミュが指輪を指にはめると、一瞬「ピカッ」と光り、サイズの合わなかった指輪がピッタリと指にフィットした。
真面目な顔のダイムが更に真面目な顔をして告げる。
「カミュ・ローグハート。これでたった今から君はギルド・エスカイアの冒険者となった」
「あ、ありがとうございます!…でも、今更なんですがお金を余り持ってないんです。登録料っておいくらなんでしょうか?」
カミュが不安そうな表情で訊くと、ダイムがニカッとして答える。
「安心しろ。冒険者の登録は無料でやっている。冒険者にとって大変なのはこれからだ。頑張れよ!」
「これからもよろしくお願いします!頑張ります!」
そう言ったあとカミュはまた案内所に移動した。
「クラッセさーん!冒険者登録が済んだんですけど次はどうしたら良いしょう?」
クラッセが微笑みながら案内する。
「それは良かったですね。ではあちらの[ダンジョン係]に行っていただきますと、係の者がダンジョン挑戦の心得を説明いたしますので」
「助かります!クラッセさん!」
あっという間に[ダンジョン係]へと駆けて行った。
建物内部の壁上の梁にずっと座って観ていたレコがぼ独り言を呟く。
「あの子13歳なのに凄い行動力だなぁ。13歳の頃のマリムを観てるみたいだ…」
[ダンジョン係]の窓口の造りは[ギルド係]とほぼ変わらなかったが、対応する事務員は若いヒューマンの女性だった。
「さっき冒険者の登録を済ませたばかりの者なんですけど…」
若すぎる冒険者の姿を見て女性が少し驚いた顔をして言う。
「あら!若い冒険者さん。私はティルミと申します。登録を済まされたばかりの冒険初心者の方ですね。マニュアルを準備しますので、こちらに座ってお待ちください」
カミュは個室に案内され椅子に座ってティルミを待った。
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