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序章
26話目 洗練されたイケメン
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「黒川様、このコーヒーは本当に香りの良いものでございますね。それにサンドイッチも美味しくて人間の味覚と嗅覚の素晴らしさを実感しております」
嬉しそうな表情のプロメテウスを見て黒川が応える。
「喜んでいただけて何よりです。私などにとっては人間の持つ五感はあって当たり前のもので、プロメさんの初体験的なことはほとんどないのですが、本当はもっと感謝するべき機能なのかも知れませんね」
黒川の横で卵の入っていないサンドイッチをムシャムシャと食べ、コーヒーに関する知識を口に出そうとしたプロメテウスの動きが止まった。
「黒川様、環奈様、折角の朝食を台無しにして申し訳ございませんがお知らせしなければなりません。どうやらたった今このシェルターに何者かが侵入したようでございます」
「たった今ですと!!??」
プロメテウスの知らせに黒川は緊張感のある声を上げたが、なぜか環奈の方は落ち着いたまま。
「あっ!?二人に伝えるの忘れてたわぁ~。ごめんごめん多分アイツだわ」
環奈が手を合わせて謝っていると、シェルター入り口のドアの開く音が聞こえ、ツカツカと近づく足音が聞こえた。
と足が止まり侵入者の姿が三人の視界に入り黒川が口を開く。
「ふっ、冬春さん...冬春さんじゃありませんか!?」
「黒川さん、環奈、屋敷の状態を見ればすぐわかることだが昨日は大変だったな。こんな時に休みなんか取ってて悪かった」
現れた男が姿勢の良い綺麗なお辞儀をして二人に謝罪した。
そう、この男こそ元FBI捜査官だった輝かしい経歴を持ち、死んだ桐生要の雇った警護担当の暮井冬春(くれいふゆはる)だったのである。
冬春は身長180cmでスラっとした体格をしており、さらっとした黒髪に、一目で心身共に鍛えられ洗練された男だとわかるイケメンだった。茶色の革ジャンに年期の入ったブルージーンズと服装は至ってカジュアルである。
実は昨日の晩、環奈が休暇中の冬春に連絡を取り、心配した冬春が残りの休暇を返上して急遽屋敷に戻ったのだ。
「ほんとだよ~、もう!あんたさえいてくれれば要様は死なずに済んだはずなんだからね!プンプン!」
環奈が中途半端な怒り方をしているのには訳があった。一つは今回の冬春の休暇についてたが、本人としては休暇を取る意思がなかったのにも関わらず、桐生要の粋すぎた厚意により休暇を取っていたこと。二つ目はプロメテウスの話から、確実に桐生要が復活すると信じているためであった。
また、環奈の言った「要様は死なずに済んだはず」という言葉は、恐らくかなりの確率で正しい。何故なら、破壊された屋敷で彼の部屋は桐生要の隣りであり、通常ならいつでも側に駆けつけられるような状況であったし、彼のズバ抜けた戦闘力なら桐生要を殺した侵入者に遅れをとることもなかっただろう...
嬉しそうな表情のプロメテウスを見て黒川が応える。
「喜んでいただけて何よりです。私などにとっては人間の持つ五感はあって当たり前のもので、プロメさんの初体験的なことはほとんどないのですが、本当はもっと感謝するべき機能なのかも知れませんね」
黒川の横で卵の入っていないサンドイッチをムシャムシャと食べ、コーヒーに関する知識を口に出そうとしたプロメテウスの動きが止まった。
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「たった今ですと!!??」
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「あっ!?二人に伝えるの忘れてたわぁ~。ごめんごめん多分アイツだわ」
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現れた男が姿勢の良い綺麗なお辞儀をして二人に謝罪した。
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