7 / 93
動物と妖怪
しおりを挟む
「黒川さん、魔法を使うのは構いませんが、使う時は十分な注意を払ってください!」
何事も無かったかのように眼鏡の位置を直す久慈さん。素敵です。嘘です。
「すみません気をつけます!それより久慈さんが無事で元気そうで何よりです!」
この言葉に嘘は無い。本当に無事で良かったし、わたしの人生もう終わらなくて良かった。
「取り敢えずこの飼料袋を整理してくれないか?それで給餌の準備は完了だ」
「了解です!直ぐに整理しますね!」
今度は反省点を踏まえて、魔法を使い丁寧に動かして飼料袋を整理した。
「お、流石は魔女さんだ。仕事が早いねぇ」
「いえいえ、でもここでは魔法が使えるので力仕事も大丈夫そうです」
家の中以外で魔法を使うのは本当に久しぶりで解放感があった。ヘマもしてしまったけれど、初仕事で褒められたのはとびきり嬉しい。
「今朝は別の人がここの清掃をしてくれたけど、明日からは出勤後に軽いミーティングをしたあと、ここに来て掃除からするんだよ」
「了解です!掃除が先ですね!」
そのあと、久慈さんから掃除用具の保管場所と掃除の仕方を教わり、わたしの担当する動物たちの健康チェックを兼ねて、動物と妖怪を紹介してもらった。
「見れば分かると思うけど、この柵の中に居るのは羊のコリデール種だよ。で、あそこに穴を掘って顔を出してるのが墳羊(ふんよう)という妖怪のラゴスさん」
柵の角に穴があって一見普通の羊に見えるけど、明らかに他の羊とは顔や雰囲気が違う。
「ラゴスさんはお客さんが来てる時もああしてるんですか?」
あのままでも問題は無さそうだけれど、お客さんから注目の的にもなりそうな...
「あの穴の横に穴があって、その更に奥の穴に棲家を作っててね。開園中は姿を現さずに多分ずっと寝てると思うよ」
「そうなんですねぇ。何だかぐうたらな妖怪さん」
牛女のトクさんや旅人馬のシーバさんは、ちゃんと他の動物と同じ姿になって仕事してるのに...墳羊のラゴスさんはちょっとずるいような気がする。
「こっちが山羊の柵。あそこに禍々しい妖気を出してる片足の山羊が見えるだろ。遥々沖縄の宮古島から来た片足(かたぱぐ)ピンザと云われる妖怪だ。地元では人の魂を抜いたり、呪ったりすると伝わってるらしい」
話しを聞いたわたしはゾッとして青くなった。
「な、何ですかそれー!魂抜いたり、呪いをかけたりって...危なすぎるじゃないですかーっ!」
「あ、だから危険過ぎるという事で、園長にその能力は封じられてるから心配ないよ」
「そ、それは良かったです。少しは安心しました」
片足ピンザさんには出来るだけ近づかないようにしよう。
何事も無かったかのように眼鏡の位置を直す久慈さん。素敵です。嘘です。
「すみません気をつけます!それより久慈さんが無事で元気そうで何よりです!」
この言葉に嘘は無い。本当に無事で良かったし、わたしの人生もう終わらなくて良かった。
「取り敢えずこの飼料袋を整理してくれないか?それで給餌の準備は完了だ」
「了解です!直ぐに整理しますね!」
今度は反省点を踏まえて、魔法を使い丁寧に動かして飼料袋を整理した。
「お、流石は魔女さんだ。仕事が早いねぇ」
「いえいえ、でもここでは魔法が使えるので力仕事も大丈夫そうです」
家の中以外で魔法を使うのは本当に久しぶりで解放感があった。ヘマもしてしまったけれど、初仕事で褒められたのはとびきり嬉しい。
「今朝は別の人がここの清掃をしてくれたけど、明日からは出勤後に軽いミーティングをしたあと、ここに来て掃除からするんだよ」
「了解です!掃除が先ですね!」
そのあと、久慈さんから掃除用具の保管場所と掃除の仕方を教わり、わたしの担当する動物たちの健康チェックを兼ねて、動物と妖怪を紹介してもらった。
「見れば分かると思うけど、この柵の中に居るのは羊のコリデール種だよ。で、あそこに穴を掘って顔を出してるのが墳羊(ふんよう)という妖怪のラゴスさん」
柵の角に穴があって一見普通の羊に見えるけど、明らかに他の羊とは顔や雰囲気が違う。
「ラゴスさんはお客さんが来てる時もああしてるんですか?」
あのままでも問題は無さそうだけれど、お客さんから注目の的にもなりそうな...
「あの穴の横に穴があって、その更に奥の穴に棲家を作っててね。開園中は姿を現さずに多分ずっと寝てると思うよ」
「そうなんですねぇ。何だかぐうたらな妖怪さん」
牛女のトクさんや旅人馬のシーバさんは、ちゃんと他の動物と同じ姿になって仕事してるのに...墳羊のラゴスさんはちょっとずるいような気がする。
「こっちが山羊の柵。あそこに禍々しい妖気を出してる片足の山羊が見えるだろ。遥々沖縄の宮古島から来た片足(かたぱぐ)ピンザと云われる妖怪だ。地元では人の魂を抜いたり、呪ったりすると伝わってるらしい」
話しを聞いたわたしはゾッとして青くなった。
「な、何ですかそれー!魂抜いたり、呪いをかけたりって...危なすぎるじゃないですかーっ!」
「あ、だから危険過ぎるという事で、園長にその能力は封じられてるから心配ないよ」
「そ、それは良かったです。少しは安心しました」
片足ピンザさんには出来るだけ近づかないようにしよう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」
「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」
「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる