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飛縁魔(ひのえんま)のリンさん
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動物たちを相手にする稀有でハードな仕事の上、妖怪たちと共に働かなければならないという現実的で無い世界。
「...やっぱり妖怪たちが原因ですか?」
園長から最初に説明を受けて腰が引けるのが当たり前だし、辞めたいと思う要素は数えきれないほどあるだろうな。
「うん、まあね。だから人間を採用する時は、園長も普通じゃない特別な人を選択してるんだけど、なかなか難しいみたいだ」
久慈さんの表情に陰りが見える。
わたしは今のところ大丈夫!少し元気づけてあげよう。
「わたしも妖怪に驚きましたけど大丈夫ですよ!こんなの慣れですよ、慣れ。変かも知れないけれど、妖怪に興味が湧きつつありますしね」
表情が一瞬で明るくなった久慈さんがこちらを向いた。
「おっ!?それは嬉しい事を言ってくれるなぁ。まっ、黒川さんには元々期待してるんだけどね」
人に期待されるというのはやはり嬉しいもの。自分の存在価値を人に認められたような気持ちになれる。
「久慈さんの期待に応えられるように頑張りますね!」
会って間もないのに親近感をおぼえはじめている。本当にわたしの環境に対する順応性は高いのかも知れない。
「遠くの方にお客さんがちらほら見え始てるね。そろそろ事務所に戻ろう。今日は飼育員のミーティングがあるから、そこで黒川さんと他の社員の顔合わせをするんだよ」
「あ、またドキドキして来ました」
「普通にしていれば一見みんなただの人間だ。大丈夫、心配ないよ」
妖怪だから云々を差し引いても、新入社員のわたしはやっぱり心配してしまう。
事務所へ戻ると、出勤時に居た人数と同じくらいの人たちが集まり、ガヤガヤとしながら雑談を楽しんでいた。
そんななか、窓際にあるホワイトボードに20代後半くらいの女性が何かを書き連ねている。作業着姿だったけれどもの凄い色白美人!
女性は書き終わったのか、マーカーペンのキャップをはめ、社員のデスク側を振り向き呼び掛けた。
「はい!みなさん始めますよ~!こちらに注目してくださ~い!」
女性が呼び掛けたのにも関わらず、社員たちはガヤガヤと話し続けていた。
収まらない社員たちの様子を見て久慈さんが教えてくれる。
「彼女は飛縁魔(ひのえんま)と云って、男の心を弄ぶことで有名な妖怪のリンさんだよ。そして、飼育員をまとめるリーダーでもある。でも、まずいな...」
久慈さんが教えてくれた事に対して返そうとしたその時!
「あんた達!いい加減にしなさいよ!こっちを向けと言ってるだろうがっ!」
めちゃくちゃ怖い形相で飛縁魔のリンさんが叫んだのだった。
「...やっぱり妖怪たちが原因ですか?」
園長から最初に説明を受けて腰が引けるのが当たり前だし、辞めたいと思う要素は数えきれないほどあるだろうな。
「うん、まあね。だから人間を採用する時は、園長も普通じゃない特別な人を選択してるんだけど、なかなか難しいみたいだ」
久慈さんの表情に陰りが見える。
わたしは今のところ大丈夫!少し元気づけてあげよう。
「わたしも妖怪に驚きましたけど大丈夫ですよ!こんなの慣れですよ、慣れ。変かも知れないけれど、妖怪に興味が湧きつつありますしね」
表情が一瞬で明るくなった久慈さんがこちらを向いた。
「おっ!?それは嬉しい事を言ってくれるなぁ。まっ、黒川さんには元々期待してるんだけどね」
人に期待されるというのはやはり嬉しいもの。自分の存在価値を人に認められたような気持ちになれる。
「久慈さんの期待に応えられるように頑張りますね!」
会って間もないのに親近感をおぼえはじめている。本当にわたしの環境に対する順応性は高いのかも知れない。
「遠くの方にお客さんがちらほら見え始てるね。そろそろ事務所に戻ろう。今日は飼育員のミーティングがあるから、そこで黒川さんと他の社員の顔合わせをするんだよ」
「あ、またドキドキして来ました」
「普通にしていれば一見みんなただの人間だ。大丈夫、心配ないよ」
妖怪だから云々を差し引いても、新入社員のわたしはやっぱり心配してしまう。
事務所へ戻ると、出勤時に居た人数と同じくらいの人たちが集まり、ガヤガヤとしながら雑談を楽しんでいた。
そんななか、窓際にあるホワイトボードに20代後半くらいの女性が何かを書き連ねている。作業着姿だったけれどもの凄い色白美人!
女性は書き終わったのか、マーカーペンのキャップをはめ、社員のデスク側を振り向き呼び掛けた。
「はい!みなさん始めますよ~!こちらに注目してくださ~い!」
女性が呼び掛けたのにも関わらず、社員たちはガヤガヤと話し続けていた。
収まらない社員たちの様子を見て久慈さんが教えてくれる。
「彼女は飛縁魔(ひのえんま)と云って、男の心を弄ぶことで有名な妖怪のリンさんだよ。そして、飼育員をまとめるリーダーでもある。でも、まずいな...」
久慈さんが教えてくれた事に対して返そうとしたその時!
「あんた達!いい加減にしなさいよ!こっちを向けと言ってるだろうがっ!」
めちゃくちゃ怖い形相で飛縁魔のリンさんが叫んだのだった。
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