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ノ108 仙姿玉質
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「..............貴様....」
連続して二度までも奇襲をかわされた亜孔雀が、何か言おうとしていた口を塞いだ。
夜倶盧の素早い判断力と身のこなしに驚愕していたこともあったが、先に夜倶盧が放っていた緊急信号を目にした部下達が集まり、亜孔雀、夜倶盧、真如(退魔の鎧の下は素っ裸)を取り囲むようにして並んでいたのである。
何処からどう見ても微塵の隙も無く、魔王の息子の亜孔雀は追い詰められていた。
「あちゃ~、もう集まって来ちゃったのね~。でもまぁ流石は「美し過ぎる僕」の優秀な部下達だ褒めてあげよう、チュッ♡」
部下達の上々な守備に夜倶盧は喜びを隠そうともせず、手慣れた感じでなんと部下達へ投げキッスを贈ったものである。
集結した十五人の部下達全員の目がうっとりとして頬が赤らむ。
先に云っておくべきだったけれど、仙王警備隊隊長の夜倶盧の部下達は全員女であり仙女であり美人揃いである。よって部下達の中にはむさ苦しい男などはただの一人もおらず、男がうっとりとして頬を赤らめるが如き情景は皆無なので悪しからず。
なぜ部下達が全員仙女であるかは云うに及ばず、隊長の夜倶盧が「超」のつく「女好き」であるからに他ならない。
とはいえ、亜孔雀を驚愕させた隊長の部下達が単に美しいだけでひ弱であるはずも無く、大袈裟な、あくまでも大袈裟な噂によればだが、彼女らの戦闘能力は北欧神話に登場するワルキューレやヴァルキリーに匹敵するとかしないとか...
加えて彼女らの警備隊においての正装は、仙女が通常身に着ける羽衣の三分の一ほどの面積しか無く、肌の露出度が非常に高い仕様となっていた。
流石にこれを初めて見た仙王が、「少しばかりやり過ぎではないのか?」と注意に近い提言をしたのだが、夜倶盧は「折角の美しい姿に生まれたのです。それを隠して生きるは彼女らにとっても、周りの者達にとっても損するだけで誰も得は致しません」などと平然と言い退け、仙王は仙王で「お主の言葉に一理あり」とあっさりと認めたものだから、老仙人なる仙女から一年ほど白い目で見られたものである。
この女だらけの仙王警備隊をとめどなく語りたいところではあるけれど、ここ最近の物語の進捗度合いを鑑みてやめておこう。
さて、「暗黒繋縛」という奥の手を使って回避された上、美人戦隊、否、仙王警備隊に囲まれ絶対絶命となった亜孔雀。彼の表情は相も変わらず読み取り辛いところではあるけれど、その鋭い目の奥には少なくない焦燥感が漂っていた。
連続して二度までも奇襲をかわされた亜孔雀が、何か言おうとしていた口を塞いだ。
夜倶盧の素早い判断力と身のこなしに驚愕していたこともあったが、先に夜倶盧が放っていた緊急信号を目にした部下達が集まり、亜孔雀、夜倶盧、真如(退魔の鎧の下は素っ裸)を取り囲むようにして並んでいたのである。
何処からどう見ても微塵の隙も無く、魔王の息子の亜孔雀は追い詰められていた。
「あちゃ~、もう集まって来ちゃったのね~。でもまぁ流石は「美し過ぎる僕」の優秀な部下達だ褒めてあげよう、チュッ♡」
部下達の上々な守備に夜倶盧は喜びを隠そうともせず、手慣れた感じでなんと部下達へ投げキッスを贈ったものである。
集結した十五人の部下達全員の目がうっとりとして頬が赤らむ。
先に云っておくべきだったけれど、仙王警備隊隊長の夜倶盧の部下達は全員女であり仙女であり美人揃いである。よって部下達の中にはむさ苦しい男などはただの一人もおらず、男がうっとりとして頬を赤らめるが如き情景は皆無なので悪しからず。
なぜ部下達が全員仙女であるかは云うに及ばず、隊長の夜倶盧が「超」のつく「女好き」であるからに他ならない。
とはいえ、亜孔雀を驚愕させた隊長の部下達が単に美しいだけでひ弱であるはずも無く、大袈裟な、あくまでも大袈裟な噂によればだが、彼女らの戦闘能力は北欧神話に登場するワルキューレやヴァルキリーに匹敵するとかしないとか...
加えて彼女らの警備隊においての正装は、仙女が通常身に着ける羽衣の三分の一ほどの面積しか無く、肌の露出度が非常に高い仕様となっていた。
流石にこれを初めて見た仙王が、「少しばかりやり過ぎではないのか?」と注意に近い提言をしたのだが、夜倶盧は「折角の美しい姿に生まれたのです。それを隠して生きるは彼女らにとっても、周りの者達にとっても損するだけで誰も得は致しません」などと平然と言い退け、仙王は仙王で「お主の言葉に一理あり」とあっさりと認めたものだから、老仙人なる仙女から一年ほど白い目で見られたものである。
この女だらけの仙王警備隊をとめどなく語りたいところではあるけれど、ここ最近の物語の進捗度合いを鑑みてやめておこう。
さて、「暗黒繋縛」という奥の手を使って回避された上、美人戦隊、否、仙王警備隊に囲まれ絶対絶命となった亜孔雀。彼の表情は相も変わらず読み取り辛いところではあるけれど、その鋭い目の奥には少なくない焦燥感が漂っていた。
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