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奴隷
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「ふざけんな……」
私はそう思う。
神の代理競争を知らされたのが先程。恩恵をもたらされたのもついさっき。
やり方を教えられ、力を授かり、勝ち残った時の報酬も今聞いたばかりなのに。
「早く負けを認めなよ」
目の前にいるのは同種のクソ。
同様にやり方を教えられ、力を授かり、報酬の話を聞いたのも今さっきの筈なのに、私を圧倒的な力でボコボコにしたクソ野郎。
クソ野郎は力の象徴たる翼を背に、弱い私を追い詰める。
「これは神の代理競争。残り一人になるまで俺達は戦わなきゃいけない。だから俺はお前の核を破壊するか、お前を殺さないと帰れない。だから早く渡しなよ、核を」
お前は勝てないんだから、負けたんだから、と、言外に告げてくる。
とても腹が立った。
そして、言う通りにするわけにもいかなかった
「ふざけんな」
私はもう一度言う。
「勝たなきゃダメなんだ。勝ち残ってはじめて私は私を許せるんだ。だから」
そう。
過去の過ちを清算するため。
私が私として生きるため。
引くわけにはいかなかった。
我を通すための力の使い方はさっき天使から聞いてある。
もたらされた恩恵の使い方。
言葉に想いを乗せる。
「第一詠唱『焔』!!」
瞬間、私の突き出した両手から火焔が吹き上がる。
灼熱の焔。普通の人間ならば簡単に死ぬだろう。
だが。
「紅翼陣『豪炎』」
クソ野郎の背にある6つの菱形。翼というより羽に見える3対の紅い翼の先端から計6つの炎弾が打ち出される。
「くっ……!!」
それが私の火焔とぶつかり、私ごと衝撃波で吹き飛ばす。
コンクリートでできた住宅地の道路の上をゴロゴロと無様に転がる。
痛い。熱い。くそ。
「なんでここまで違う……!」
悪態をつく。置かれた状況は同じだった筈なのになぜここまで力の差があるのか。
それがわからなかった
「モノが違うんだよ」
クソ野郎は何とも思ってない顔で淡々と告げる。
「俺の翼に込められた力はそんなもんじゃねえ」
だから、諦めろ、と。
いやだ。
私は。
やるべきことがある。
目の前で膨らむ紅炎の熱を感じつつ、私はない頭を動かす。
生き残れる方法を模索する。
「……んでも」
「なんて?」
「なんでもするから、許してくれ……!」
それが、私とクソ野郎の主従関係の始まりだった。
私はそう思う。
神の代理競争を知らされたのが先程。恩恵をもたらされたのもついさっき。
やり方を教えられ、力を授かり、勝ち残った時の報酬も今聞いたばかりなのに。
「早く負けを認めなよ」
目の前にいるのは同種のクソ。
同様にやり方を教えられ、力を授かり、報酬の話を聞いたのも今さっきの筈なのに、私を圧倒的な力でボコボコにしたクソ野郎。
クソ野郎は力の象徴たる翼を背に、弱い私を追い詰める。
「これは神の代理競争。残り一人になるまで俺達は戦わなきゃいけない。だから俺はお前の核を破壊するか、お前を殺さないと帰れない。だから早く渡しなよ、核を」
お前は勝てないんだから、負けたんだから、と、言外に告げてくる。
とても腹が立った。
そして、言う通りにするわけにもいかなかった
「ふざけんな」
私はもう一度言う。
「勝たなきゃダメなんだ。勝ち残ってはじめて私は私を許せるんだ。だから」
そう。
過去の過ちを清算するため。
私が私として生きるため。
引くわけにはいかなかった。
我を通すための力の使い方はさっき天使から聞いてある。
もたらされた恩恵の使い方。
言葉に想いを乗せる。
「第一詠唱『焔』!!」
瞬間、私の突き出した両手から火焔が吹き上がる。
灼熱の焔。普通の人間ならば簡単に死ぬだろう。
だが。
「紅翼陣『豪炎』」
クソ野郎の背にある6つの菱形。翼というより羽に見える3対の紅い翼の先端から計6つの炎弾が打ち出される。
「くっ……!!」
それが私の火焔とぶつかり、私ごと衝撃波で吹き飛ばす。
コンクリートでできた住宅地の道路の上をゴロゴロと無様に転がる。
痛い。熱い。くそ。
「なんでここまで違う……!」
悪態をつく。置かれた状況は同じだった筈なのになぜここまで力の差があるのか。
それがわからなかった
「モノが違うんだよ」
クソ野郎は何とも思ってない顔で淡々と告げる。
「俺の翼に込められた力はそんなもんじゃねえ」
だから、諦めろ、と。
いやだ。
私は。
やるべきことがある。
目の前で膨らむ紅炎の熱を感じつつ、私はない頭を動かす。
生き残れる方法を模索する。
「……んでも」
「なんて?」
「なんでもするから、許してくれ……!」
それが、私とクソ野郎の主従関係の始まりだった。
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