ギャペラ～獣の世界に落ちて～

未知

第十話

 ケイの後孔に出した欲を塗り、長い人差し指をぷつりと挿入すると、初めて受け入れるソコは痛みが襲った。

｢いっ……!!｣

 そして思わずシルヴァの腹に蹴りを入れた。

｢……っ!!｣

 いきなり蹴りを食らわされたシルヴァは腹を押さえて床にしゃがみこんでしまった。

｢あ、悪い………｣

 ここに来て正気に戻ってしまったケイ。
 今までの高揚感や気持ち良さは何処へやら飛んでいってしまい、勿論下半身も萎えてしまった。

 雰囲気をぶち壊した形になったがそもそも彼とこんな事をするつもりなどなかったのだ。

 あのタバコはただのタバコでは無い。

 媚薬か、はたまた麻薬か………

｢…………｣

 これはとんでもない物を摂取させられたのではと変な汗が吹き出る。

 一方シルヴァは立ち上がり椅子に腰かけた。
 蹴られた痛みより、拒否された事の方がダメージが大きいようで深くため息を着いていた。

 いや、ため息を着きたいのはこちらの方だとケイは睨み付ける。

｢おい!!これ何だよ!?
媚薬か？それともヤバいクスリか？｣

 どう言う事なのかと問い質すが残念ながら言葉は通じず、これ以上怒鳴っても意味無しとベッドに倒れ込む。

｢最悪だ……｣

 まさかこんな手段を使って来るとは思わなかった。
 もう騙されたりしない。

 彼からまだ離れる事は賢明では無いため今は警戒しながら彼と共に行動するしかない。

｢はぁ……帰りたい……｣

 その呟きは何処にも届くことなく空虚に消えた。