セカンドライフを異世界で

くるくる

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18話 友達

 3日ぶりに晴れた朝、昨夜久しぶりに気を失うまで続けられた行為。その所為で怠い身体を叱咤して畑に出る。何故なら今日は楽しみにしていたビートの収穫だから。昨日の夕刻、少しだけ様子を見たらもう収穫できそうだったのだ。魔法の土様様である。張り切って収穫を始めてから数分後には首を傾げていた。…とにかく全部収穫してしまおう。

  収穫が済み、違う種を蒔こうとしているとシザーが庭の方から来る。

 「今から蒔くのか?手伝う」
 「え!」
 「…何だよ」
  間髪入れずに驚いてしまった私を不服そうに見る。
 「これくらい出来る。…教えてくれたらな」
 「ふふっ、じゃあ教えてあげる」
もしかして昨夜のことを気にしてるのかな?

  2人で種まきをする。それだけなのに、とても幸せな時間だった。普段シザーは私のしていることに手を出さない。料理と洗濯がそうだ。彼曰く、『やらないんじゃない、出来ないんだ』だそうで、挑戦したことはあるが、結果は悲惨で諦めたのだとか。掃除は手伝ってくれる事もあるが、畑仕事は初めて手伝ってくれた。ノース村での経験があったからだろうか。何にしても2人で出来る事が嬉しい。

  分担した自分の分が終わってシザーの方を見ると、首から下げている守りのペンダントが見えた。同じ物が下がっている自分の胸元を見る。防御効果のあるアクセサリだから色っぽい物ではないが、それでも初めてのお揃い、しかもシザーが作ってくれたのだ。嬉しくて自然と頬が緩むのだった。

  また実を付けていたオリーブも採って、洗ったビートと並べる。そこで収穫した時から思っていた事を話してみる。

 「このビート、ノース村で見た物よりも随分大きくない?それに数も、一か所にこんなに出来るものかな?」
 「…確かにデカイな、俺の記憶より数も多い。ついでにオリーブも普通はもうひと回り小さいし、1本の木からこんなに採れねえはずだ」
 「やっぱり?」
  以前街の外で見た木より多いから気になっていたのだ。
 「ああ、確かだ」

  2つを解析してみるが、特別な事は分からなかった。

 「魔法の土の効果は成長と品質だろ?なら数はスキルじゃねえか?ま、いいじゃねえか、悪い事じゃねえし。それより腹減った」
  言われてみればもうすぐお昼だ。シザーのお腹が鳴る。
 「じゃあお昼にしようか」

  メニューはパスタ、カルボナーラだ。ここの麺類といったらパスタで乾麺はないので生パスタだ。クリームパスタ以外は見たことがないが、その内ナポリタンやジェノベーゼを作りたい。しかし今日はカルボナーラにした。理由は簡単、シザーはミルクとチーズの組み合わせが好きだからだ。リゾットもそうだし、シチューにチーズを削って入れるのもお気に入りだ。パンとサラダも一緒に出す。

 「どう?」
 「パスタってのは粉っぽいから普段はあまり食わない。だがこれは美味いぜ」
 「良かった。…ねえ、食パンを焼く型が欲しいんだけど、鍛冶屋さんで作ってくれるかな?」
 「食パン?ああ、四角いやつか。素材を持っていけば作ってくれるぜ。明日にでも採掘に行ってみるか?」
 「うん、行く!」

  パウンドケーキの型も欲しいんだよね。ああ、ホールケーキのもいいなあ。それよりパイの方が先かな?ああ、楽しみ。











 お昼の後2人でギルドへ向かう。サラさんに本を返すのと、明日採掘する辺りの依頼があればついでにやろうという事になったからだ。ロイさんに一言言ってから行こうと思っていたら、途中で会った。家へ来るところだったらしい。毎日来るつもりじゃねえだろうな、とシザーに聞かれて何とか話を逸らそうとしていた。
  …来るつもりらしい。明日の採掘も、当然僕も一緒に行くよ!と胸を張って言われてシザーは呆れていた。

  ギルドに着くと、サラさんはパーティーだろう何人かの冒険者と取り込み中だったので先に依頼をチェックする。すると緊急の依頼があった。内容はラウムリザードの討伐。場所はオルト山中腹で、採掘する場所から遠くないらしい。リザードと聞いて、二足歩行の大きなトカゲをイメージしてしまったがここではどんな姿だろう?

 「これでいいよね?近いし」
 「ああ」
 「ねえ、ラウムリザードってどんなの?」
 「二本足で歩く大きいトカゲでさ、うちの親父くらいはあるよ」
 「普通のリザードと違うのは、その大きさと毒針があることだな」
  2人が教えてくれる。姿は予想通りだけど、そんなに大きいんだ。それに、
 「毒…」
 「例のアンテッドほど強い毒じゃねえ。だが奴の皮は良い素材になるぜ、毒耐性があるからな」
 「素材が手に入ったらナッちゃんの防具でも作る?」
 「それが良いかもな」
 「色が地味なのが残念だけど、魔石を仕込んでもらえばましになるかな」
 「魔石か…防御系だな」
 「え~、攻撃系が良いよ。それか魅了!」
 「色で選んでんじゃねえ、防御優先だ」
 「魅了可愛いのに。絶対に似合うのに」
 「ナツメが可愛いのはいつもだ。魅了は本来ビキニアーマーだろ、あんなの絶対着せねえ」

  ちょ、ちょっと待って。本人の意見は?何気に恥ずかしい事言ってるし、話逸れてきてない?っていうかビキニアーマーホントにあるんだ…。
  真ん中に立っている私の頭の上で飛び交う会話に、いつストップをかけようか期会を窺っていると、サラさんが私に手を振ってくれていた。ナイスタイミング!

 「サラさんの手が空いたみたいだよ、行こう」
  両手でそれぞれの服の袖をチョイチョイと引く。話を止めて私を見た2人を促してカウンターへ行った。

 「サラさん、これ頼みます」
 「はい、かしこまりました」
  サラさんが手元の帳簿と依頼書に書き込みをして内容を確認する。
 「ラウムリザードの緊急討伐依頼で間違いないですね?」
 「はい」
  ロイさんが答えるとシザーが聞く。
 「前の討伐からスパンが短い、何か聞いてねえか?」
  サラさんは口元に手をやり、少し考えてから言う。
 「…内容は以前と同じなんですが、バンテの森とオルト山の辺りだけ早い気がします。上からは何も聞いていないので、個人的な意見ですみませんが」
 「いや、いい」
 「そういえば最近緊急の討伐依頼多いね」
  ロイさんも思い出したように言った。
 「…何かの前触れかな?」
  こういうのって、何かのフラグのような気がしてしまう。ここはゲームじゃなくて現実だけど。
 「今の段階じゃ何とも言えねえが、…気になる。サラ、親父さんとモーブさんにも言っておいてくれ」
 「わかりました」

 「ナツメ、本返すんだろ」
  依頼の話が終わり、シザーが促してくれた。
 「うん」
  カウンターに本を出す。
 「サラさん、ありがとうございました。楽しくてあっという間に読んじゃいました。載ってた植物、全部採取してみせますよ!」
  中には珍しい物や貴重な物も載っていた。薬草の類でも効能が分からない物があったので、調合に使ってみたくなった。どんな薬になるのか楽しみだ。
 「ナツメさん…楽しんでもらえて良かったです」
  嬉しそうに頬を染めると、思いついたように続けた。
 「例の話、今日はどうですか?私もポピーも早く終わるので」
  お風呂に行く話だ。シザーが頷くのを確認してから返事をする。
 「はい、大丈夫です」
 「良かった!では16の刻にギルドで。ポピーには言っておきます」
 「分かりました」

  約束の時刻まで余裕がある。ロイさんには歩きながら話すことにして一度家へ帰り、明日からの準備を済ませておく。討伐もあるので2,3日は野営になるそうだ。食事の下ごしらえなどをしていたら、出かける頃合いになった。











 ギルドでサラとポピーと合流して宿屋へ向かう。ギルドを出る時相当注目を浴びていたが、気にしていたのは私だけの様だ。

 「ちょっと、ナツメ!何でロイさんまで…!」
  外を歩いている時、ポピーが顔を赤くしながら小声で言った。男2人は後ろを歩いている。
 「さっき言ってたじゃない。聞いてなかったの?ポピー」
  答えたのはサラだ。
 「ごめんね、急に。でもほら、夕食も別のテーブルで良いって言ってたし」
  私が謝ると、いや、そうじゃなく、心構えが、とかゴニョゴニョ言っている。
 「…なるほど、分かった。ナツメ、放っておいていいわ。嬉しいのよポピーは」
 「え?」
  そういえば、ポピーはいつもロイさんを見ると顔を赤くしていた。そこで思いつく。
 「あ、そう言う事か。なるほどね」
 「な、なに2人して!違うんだから!」
  せっかく後ろに聞こえないように小声で話してたのに、立ち止まって大声で叫ぶポピー。私たちは慌てて宥めて先を急いだ。シザーには全部聞こえてたと思うけどね。

  ちなみに私とサラがタメ口なのは、前の昼食の時ポピーに、ややこしいからみんなタメ口で!と言われたからだ。サラも快諾してくれたので、仕事の時以外はそうすることにした。サラとの距離が縮まったのはポピーのおかげだ。

  宿屋に入るとライトさんがこちらに気が付いて迎えてくれた。

 「にゃにゃ、珍しいメンツにゃ!奥の大きいテーブルが空いてるにゃ」
  サラと顔を見合わせ、ニヤッと笑いあう。
 「違いまモガッ…!」
  否定しようとしたポピーの口をサラが塞ぐ。
 「ありがとうございます」
  私がライトさんに返事をする。見事な連係プレーだ。
 「!?」
  ポピーが目をこれでもかと見開いて驚いているが、サラがそのまま連行する。私はシザーとロイさんを振り向いて言った。
 「急だけど一緒でもいい?」
 「僕はいいけど、シザーは?」
 「別にいい」
 「ありがと」

  奥にある大きめのテーブルに5人で座る。よくある長方形の6人掛けのやつだ。サラがサッと1人の席に座る。シザーと私は当然隣、となれば自然とロイさんとポピーが隣になる。ロイさんはニコッと笑って、どうぞ、とイスを引いてあげたりしている。ポピーは真っ赤だ。いつもの元気はどこへ?と思う様な小さい声でお礼を言っている。注文を済ませるとまずロイさんが口を開いた。

 「ねえ、3人はいつの間に仲良くなったの?知らなかったよ」
 「モーブさんの所に行った時に紹介してもらって、その時ポピーがお茶に誘ってくれたの」
 「それでこないだ、私とポピーがお昼を食べる時に丁度ナツメが来て、付き合ってもらったのよね?」
  私とサラが答えてポピーを見るが、
 「う、うん」
  何とか一言返して黙ってしまった。

  料理が運ばれてきて食べ始めると、いくらか緊張が解けたようで話し始める。酒場のランチのムニエルが劇的に美味しくなった事。私の調合した回復薬の売れ行きが好調で、評判がとても良い事。そのおかげでモーブさんの機嫌がすこぶる良く、周囲を驚かせている事など、ポピーが中心になって面白おかしく話して皆を笑わせる。騒がしい女は嫌いだ、と言っていたシザーも微笑んで聞いていてホッとした。

  食事も終わり、いよいよお風呂に入る。ロイさんは入らないで帰った。

 「…長くなると思うよ?」
 「大丈夫だ、ちゃんと待ってる」
 「そうじゃなくて、結構待たせちゃうよ?」
 「分かってる、ゆっくり入ってこい」
 「…ありがと、じゃあ後でね」
 「ああ」
  小さく手を振って女湯へ入る。

 「ごめんね、待たせて」
  脱衣所で脱ぎ始めていた2人に声をかける。
 「待ってないよ~」
  ポピーはもう裸で、緊張から解かれて脱力している。サラももう脱ぎ終わる。私も急ごうとブラウスとキャミを脱いだ時、後ろに居た2人が驚いた声を上げた。何だろうと思って振り向くと、2人とも顔を真っ赤にして目を逸らす。
 「どうしたの?」
 「背中…」
  サラがそれだけ言ってまた目を逸らす。
 「背中?」
  脱衣所にある鏡で見てみる。

 「!!」
  ガバッと背中をロッカーに向ける。カ~ッと顔どころか全身が熱くなる。恥かしくて穴があったら入りたいってこのことだ!背中にあったのはキスマーク。それも一つや二つじゃない、背中とうなじに前からは見えないように無数の赤い花が咲いていた。何か言わなきゃ、と思って口を開くが言い訳を思いつくはずもなく、金魚のように口をパクパクさせてあきらめた…。

 「ごめん…」
 「も、もしかして知らなかったの?」
  聞いたのはサラ。
 「え、う、うん、その、記憶が曖昧で…」
 「曖昧になるくらい、なんだ。す、すごい」
 「背中ってことは、後ろから、だよね。…サラは後ろからしたことある?」
  ポピーがすごい事を聞く。
 「な!や、え」
  急に自分に矛先が変わって焦るサラ。
 「「あるんだ」」
  私とポピーがハモる。
 「早く入ろう、ね?」
  そう誤魔化すとさっさと行ってしまった。
 「私たちも入ろう?」
 「うん」
  もしかして話を逸らしてくれたのかな?ポピーに感謝しながら残りを脱いで中に入った。

  髪や体を洗い終わって湯船につかるとポピーが言った。

 「ねえ、ナツメ、胸触らせて?」
 「あ、私も触ってみたいわ」
 「う、うん」
  2人に迫られて頷く。
 「やった!…やわらか!おっきい、良いな~。羨ましい」
  うっとりと私の胸を見る。
 「良い事ばっかりでもないよ、重くて肩凝るし、男の人は胸ばっかり見るし」
 「この大きさじゃそうでしょうね~。女でも触りたくなるもの」
  ポピーを押しのけてサラが触る。
 「ステキな触り心地ね」
 「枕にしたいね」
 「それいいわ。よく眠れそう」
  最終的には片方ずつ触られるという、何とも言えない図になってしまった。
 「ねえ、お風呂も一緒に入るの?」
  サラがズバッと聞いてくる。だんだん遠慮がなくなってきた。
 「洗いっこするの?」
  ポピーが便乗して聞く。
 「な、内緒!さあ、上がろう?のぼせちゃう」
  胸を隠して湯船から出る。ホントにのぼせそうだ。2人が後ろで、否定しなかったね、洗いっこしてるんだね、と話しているのを聞こえないふりでやり過ごした。

  上がって着替えをしているとサラが私のショーツに目を付けた。ドロワーズはあまり好きじゃなくて、自分で作っていると教えると、サラに同じ物を作ってほしいと頼まれた。タイトなスカートだと、ドロワーズの所為でシルエットが崩れるから
困っていたのだとか。確かにギルドの制服はタイトスカートだ。ポピーが私も!と手を上げるので、2人分、3枚ずつ作る事にした。布は好きな物を選んでおいて後で預かり、出来上がったら渡す。持っていたメジャーでサイズも測っておいた。

  女湯を出るとシザーが気が付いてこちらへ来る。当然2人はキスマークを思い出して赤くなり、そそくさと帰って行った。私は髪を乾かしてもらってから宿を出た。











 宿を出て2人で手を繋ぎ、指を絡めて歩く。

 「…何かあったか?」
  さっきからずっと黙ったままの私にシザーが聞く。人気のない所まで来たことを確認してから口を開いた。誰かに聞かれたら恥ずかしいなんてもんじゃない。
 「…キスマーク」
 「キスマーク?ああ、昨夜付けた」
  なんでもないように言う。それがどうかしたか?と。
 「…2人に見られた、すっごく恥ずかしかった」
  きっと今も顔が真っ赤だ。暗いがシザーには見えているだろう。
 「何で」
 「何でって、あんなにたくさん…それも背中に…」
  だんだん声が小さくなる。
 「まずいのか」
 「だって…」
  口ごもると急に抱き上げられ、咄嗟にしがみつく。
 「続きはベッドで聞かせてもらう」
  チュッと軽いキスをしてから、ニヤッと笑って歩き出した。

  家に着いてベッドへ直行し、私を押し倒す。

 「ナツメ…」
  優しい声と獣の瞳にゾクッとする。啄むように何度も角度を変えては唇が触れ、服の上から手が胸を這う。
 「んん、ン…はぁん…」
  緩慢に蠢く手に焦れる。
 「服と髪で隠れるトコにしか付けてねえはずだが?キスマーク」
 「あ、ん、そう、だけど…分かっちゃう」
 「何が」
  耳を舐めながら、お尻や腿の内側のきわどい場所を撫でる。
 「あッ…はぅ、ン、う、後ろから、とか」
 「後ろから突かれて、気を失うほど良かった、とか?」
 「や、ちが…んんっ」
 「違う?もっと激しいのがイイか?」
  こんな風に、といきなり指を入れて敏感なポイントをグリグリ責める。急に来た強い刺激にあられもない嬌声を上げてしまう。
 「んあぁ!ぁああン、ひ…!」
 「あれはな、マーキングだ。お前は俺のものだって印、本当は全身に付けてえ」
  いつの間にかさらけ出された胸の先端を甘噛みされ、ガクガクと痙攣しながら快楽の高みへ到達する。
 「ひあッ!イッちゃ、ぁあああン!」
  胸にまた一つ、マーキングがされる。
 「あ…」
 「…嫌か?」
  シザーの瞳が揺れる。いつも自信満々なのに、私にはこんな表情を見せてくれる彼がとても愛しかった。
 「嫌じゃない…誰からも見えないトコに付けてね」
 「ああ、もちろんだ。他の男になんか見せねえ」

  妖艶に微笑んで口づけを落とした。
感想 12

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