PREDATOR

ANDEAD

文字の大きさ
上 下
2 / 135

#2 《血とさくらんぼ》

しおりを挟む
『血とさくらんぼ』
――フロリンの街

――例の事件から数ヶ月後。表面では病院として活動していた施設が地下での研究を行っていた事が公にされた。

男「しっかし未だに思い出すと吐き気が止まらない…考えられるか?普通の人間に変な遺伝子を無理矢理植え付けて人間兵器を作ってたなんてよ」
女「考えられないわよ!施設が無くなったのはいいけど…そこで実験されていた人達も出てきたって話じゃない!怖くて夜も眠れないわよ」
スタスタスタ
?①(…耳が痛いな。出てこれた俺からしたら嬉しいが世間からしたら怯えるのが普通だよな)
男の子「ねぇねぇ!」
?①「!」
男の子「ブラッドお兄ちゃんどうしたの?大丈夫?」

ブラッド「あ、あぁ…ごめんな!」
【PREDATOR】ブラッド

女の子「早く早く!こっちきて!」
ブラッド「今行くよ」
タッタッタッ
ーーーーーー
?②「~♪」
女の子「おーい!チェリーお姉ちゃんー!来たよ!」

チェリー「おっ!待ってーたよっ!!」
【PREDATOR】チェリー

ブラッド「悪いな遅くなって」
チェリー「全然!大丈夫大丈夫ー!」
男の子「だいじょぶー!」
女の子「今日は何して遊んでくれるの?」
チェリー「うーん…そうだなぁ」
ブラッド(皆も能力持ちスペックホルダーだって知ったら怯えるのかな…それは嫌だな)
ヒョコッ
チェリー「どしたのー?ブラッド!」
トンッ
ブラッド「!…い、いや…なんでもない」
チェリー「?…なんかあったら話してね!」
ブラッド「ありがとうな」
チェリー「よいのだよいのだ!」
ブラッド(皆に何かあった時は俺が…俺が守るんだ!能力持ちスペックホルダーとして)
ーーーーーー
放火魔A「いよいよ明日が決行日だ。いいか?俺達の恨みを!恐怖を!あの街の奴らに分からせる…能力持ちの恐ろしさをな」
放火魔B「分かってるさアニキ!俺達3人ならやれる!」
放火魔C「ウヌ」
ーーーーーー
チュンチュンッ
ブラッド「ふわぁ…もう朝か」
ドォォン
ワァァァァ
ピーポーピーポー
ブラッド「…?外が騒がしいな」
タッタッタッ
ガチャッ
ブラッド「なっ…!?」
放火魔A「っはははは!!怯えろ!逃げ惑え無能共!!」
ボォォォォォォ
放火魔B「アニキアニキ!もっと派手にやろうぜ!!こんなんじゃまだまだ生ぬるい!」
放火魔A「まぁ待て…それは3人揃ってからだ」
放火魔B「ったく!アイツどこ行ったってんだ!?」
男「アイツら…まさか…」
ザッザッザッ
放火魔A「ん~?俺らのことを知ってくれてるってか嬉しいねぇ」
男「!!」
ガシッ
ジュウウウウ
男「あつっ…!!」
放火魔A「クソみてぇな研究のせいで身体中いじられまくってそりゃ死ぬ思いもしたさ…でも結果がこれだ!これを満足と言わずなんという!?」
ボォォォォォォ!!!
放火魔A「進化!人類の進化だ!!俺達は能力を持ったことでお前達無能を支配できる上の人種になったのさ」
放火魔B「そういうことだ!テメェら全員消え失せろ!」
ボォォォォォォ
女「きゃああああっ!!」
男「ぐぁああああっ!!」
ブラッド「…!!」
ダダッ
ブラッド「やめろ!」
放火魔A「あん?」
放火魔B「なんだテメェ」
放火魔A「今よく聞こえなかったなぁ…もう1回言ってくれよガキ」
ブラッド「この騒ぎはお前らの仕業か?…なら今すぐにやめてくれ」
放火魔B「おいおい…誰に向かって口聞いてんだ?」
ブラッド(やべぇ…思わず出てきちまったけどこれからどうすればいいんだ…!?)
放火魔A「正義のヒーローごっこなら他所でやれ?じゃなきゃ痛い目見るぞ」
ボォォォォォォン
ブラッド「!」
男「お、おい君!危ないぞ!下がりなさい!」
ブラッド「…」
ブラッド(そうだ…迷う必要なんか無いだろ!こいつらをこのままほっといたらきっとここだけじゃなく色んなところに被害が出る……ならその前に!)
ブラッド「いや…びっくりしてるんだよ驚いたな!人類の進化?まさか身体から炎が出るなんて」
放火魔A「そんなに珍しかったら…くらわせてやるよ!光栄なことだと思えなァ!!!」
ボォォォォォォ!!!!
男「危ない!!」
ブラッド「…!!」
ガジッ
ッドォォォォォォン
放火魔B「さすがアニキ!ガキにも容赦ねぇ!!」
放火魔A「ふん!正義ぶったガキには痛い目見て貰わねぇと」
ブラッド「これがアンタらの進化か」
放火魔A「!?」
ズズ
ブラッド「興味ないと思うけど見てってくれよ…俺の進化も」

○ブラッド能力―【血潮万丈】
=体内外の自身の血液を自在に操る。

ブラッド『凝固ぎょうこ血槍ちのやり』!!
ガチィン
放火魔B「な、なんだそれは…!?」
ブラッド「おぉぉぉぉ…!!」
ザクザクッ
ズバババババッ
放火魔B「ガフッ…!!」
ドサッ
放火魔A「おい!しっかりしろ!!」
ブラッド「はぁ…はぁ…」
放火魔A「お前…能力持ちスペックホルダーの癖に何故同族の俺達と対立するんだ!?味方同士が戦う理由がどこにあんだ!!!」
ブラッド「味方同士…?」
ギロッ
ブラッド「俺の味方は…自分の力に溺れてなんの罪もない人達を平気で殺すような奴じゃない!!」
放火魔A「お前とは分かり合えないようで残念だよ…俺の火力で死に晒せェ!!!!」
ボォォォォォォ
ブラッド「…!!」
ブシュッ
放火魔A「能力のために怪我しなきゃいけねぇだなんて不憫だなァ!?所詮ハズレ枠のお前には―」
ブラッド「ハズレでもいいさ」
放火魔A「あ!?」
ブラッド「どの力が当たりでハズレかなんてどうでもいいし…発動するのに怪我しなきゃいけないのもそれが俺なら尚更どうでもいい…!!」
ブシュッ…ブシュッ
ブラッド「俺は痛いのは嫌だけど…守れる力があって何もしないのはもっと嫌だから!!!」
スッ
ブラッド「全員俺の後ろから離れるな!!!」
ブラッド『凝固ぎょうこ血壁ちのかべ』!!!
ッドォォォォォォン
放火魔A「馬鹿な…俺の最大火力が…!?」
ダダダッ
ズバッ
放火魔A「がはっ…クソッ…!!」
ドサッ
ブラッド「はぁ…はぁ…勝て……た」
ガクッ
男「君!大丈夫かい!?」
タッタッタッ
ブラッド「!」
女「酷い出血…直ぐに手当てしないと」
ブラッド「いや…俺は全然……」
ザッザッザッ
放火魔C「なんでぇアニキ達やられてるでねぇか!ウヌがせっかく来てもこりゃ計画失敗?」
男「まだ仲間が…!?」
女「そんな…」
ブラッド「はぁ…はぁ…」
能力者「せっかく子供2人と女1人やったっていうのにこれじゃウヌまた何もしてないって怒られちまう」
ブラッド「子供2人…女1人…!?」
ヨロッ
放火魔C「ん?なんだお前…」
ブラッド「さっき言ってた…子供2人と女1人って」
放火魔C「あぁこいつらのことだ?」
ドサッ
男の子「うぅ…」
女の子「けほっ…」
ブラッド「…!!!」
男「あんな小さな子にまで…!!」
チェリー「…」
ブラッド「チェリー!!」
ダッダッダッ
チェリー「ブラッ…ド……ごめん…守れなくて…」
ブラッド「…!!」
ヨロッ
ブラッド「俺が…守らなきゃいけないんだ…!!」
ググッ
チェリー「ブラッド…?」
放火魔C「なんだ?次はおめーが相手すんだぁ?」
ブラッド「よくも…皆を…!!」
放火魔C「そんなボロボロの状態で何が出来るってんだこのガキが!!」
メラッ
放火魔C「そんなに悲しいならまとめて送ってやるだよ!!!おめーも仲良く逝っちまえだ!」
ボォォォォォォ
チェリー「…!!ブラッド!!避けて!!!」
ブラッド「来い…受けきってやる…!!」
ブラッド(目先がクラクラする…慣れてなくて血を出しすぎちまった…でも!)
ブラッド「絶対避けねぇ!!!」
チェリー「…!!」
ッボォォォォォォォォォォォォォン
シュゥゥゥゥ
ジョーカー「すげーな…ほんとに痛くねぇの?」
アンデッド「痛いっていってるでしょ」
ブラッド「…!?」
アンデッド「それより次はお前の番だろ」
ジョーカー「さんきゅーな」
ドンッ
能力者C「な、なんだお前ら!?うわっやめっぐわぁあああっ!!!!」
ブラッド「アンタ達は…一体…」
アンデッド「俺らは―」
ブラッド(やべ…意識が…)
ドサッ
アンデッド「ちょ、おい!?大丈夫か!?」
ジョーカー「片付いたぞー…って大丈夫かソイツ!?」
アンデッド「どこかで治療しないとまずい…!!」
女「近くに私の家があるわ!そこなら安全に治療出来る!!」
ジョーカー「助かる!おい!連れてくぞ!」
アンデッド「あぁ!」
ーーーーーー
パチッ
ブラッド「…ここは?」
女「目が覚めたのね…よかったわ」
ブラッド「あ、あなたが俺の治療を…?」
女「治療は私…だけど犯罪者からあなた達を助けたのは私じゃないわ」
ブラッド「!そうだ…近くにいた子供達と女の子は!あ、俺達を助けてくれたあの―」
女「落ち着いて!近くにいた子達ならこっち」
ブラッド「…」
スタスタスタ
ガチャッ
チェリー「…」
ブラッド「チェリー!」
チェリー「ブラッド!?目が覚めたの!?」
ブラッド「あぁ」
ギュッ
チェリー「よかった…!!」
ブラッド「…あの子達は?」
チェリー「治療のおかげでぐっすり…今は眠ってるよ」
ブラッド「そっか…本当にありがとうございました」
チェリー「ありがとうございました!!」
女「そんな…助けてもらったのは私達の方よ!皆を代表してお礼を言わせてもらう…本当にありがとう」
チェリー「ブラッド…私謝らなきゃいけないことが―」
ブラッド「ごめん!!」
チェリー「え…?」
ブラッド「俺なら皆を危険にさせることも無かったし俺が守らなきゃいけなかったんだ…」
チェリー「ブ、ブラッド…?」
ブラッド「皆を危険な目に晒したのは俺の責任だ…本当にすまなかった」
チェリー「そんな…ブラッドは何も悪くないよ」
スッ
チェリー「私の方こそごめん…しっかりと守らなきゃいけなかったのに」
ブラッド「…あ」
チェリー「?」
ブラッド「そうだ!俺達を助けてくれた人って…」
女「そう!確かこの街の東の入口で待ってるって言ってたわ」
ブラッド「!」
チェリー「助けてくれた…?」
ブラッド「あぁ…チェリー達をやった能力持ちの前で意識フラフラだった俺を庇って…一瞬で倒してくれた」
チェリー「…すごい」
女「確かお名前は…アンデッドくんとジョーカーちゃん」
ブラッド「ありがとうございます!行ってきます」
タッタッタッ
チェリー「あ、ブラッド!」
タッタッタッ
女「助けてくれた子達もあの子も皆能力持ちスペックホルダー…私達も考え方を変えなきゃ失礼ね」
ーーーーーー
タッタッタッ
ブラッド「いた!」
アンデッド「お、目が覚めたんだ」
ジョーカー「よっ!」
ブラッド「助けてくれて本当にありがとう」
アンデッド「気にしないで大丈夫…でも」
ブラッド「!」
アンデッド「アイツらは能力持ちスペックホルダー。普通の人間じゃまず勝てないから無理だけはするな」
ジョーカー「大切な奴を守んのはかっけーけどそれで自分が死んじまったらどうしようもねーだろ?時には逃げることも正しい選択になるぜ」
ブラッド「…俺は」
チェリー「ブラッドー!」
タッタッタッ
アンデッド「誰か来たぞ」
ブラッド「チェリー…」
スッ
ブラッド「俺は…能力持ちスペックホルダーなんだ」
2人「!」
チェリー「能力スペック持ちホルダー…?」
ブラッド「俺はあの研究所から出てきたやつの1人だ。この能力なら同じ能力持ちスペックホルダーにも勝てると思った…だからチェリーのことも…子供達のことも街のみんなも…全員俺が守らなきゃいけなかったんだ」
アンデッド「立派だな」
ブラッド「え…?」
アンデッド「俺もコイツも能力持ちスペックホルダーだけど…少なくとも俺はそんな晴れ晴れしい志しなんて掲げられないよ」
ジョーカー「指さすなや」
ビシッ
アンデッド「いてっ…こんな力与えられたせいで俺達は今更どう足掻いても人間に戻れやしないんだ…その事を思うと今でも恨みが止まらなくて仕方がねぇ」
ググッ
アンデッド「こんなに手から血が滲み出るほどにな」
ニコッ
ブラッド「…!!」
アンデッド「でもお前は違うんだろ?その能力を恨みもせずに人を助けようとしてる」
スタスタスタ
ポンッ
アンデッド「そんなすげぇやつから謝罪なんて受け取れない。アンタは正しいことをしたんだそこだけ誇っとけ」
ジョーカー「街の人から聞いたけどあの前に2人能力持ちスペックホルダー倒してんだろ?すっげーかっけぇじゃん!」
ブラッド「ありがとう…!!」
チェリー「あ、あの!」
ジョーカー「ん?」
チェリー「実は私も…能力持ちスペックホルダーなんだ」
ブラッド「!?」
アンデッド「まじか…」
ジョーカー「なんかこの辺多いな?能力持ちスペックホルダー
アンデッド「な」
ブラッド「え…チェリー…能力持ちスペックホルダーって…え?」
チェリー「だから能力持ちスペックホルダーなのに守れなくてごめんって謝ったのにブラッド聞いてくれないんだもん!」
ブラッド「そ、それはごめん…」
ジョーカー「…お前らこれからどうするかって決めてたりすんの?」
ブラッド「…特には」
ジョーカー「じゃあアタシらと一緒に来いよ」
ブラッド「え?」
ジョーカー「な!アンディ!」
アンデッド「え、それ俺?」
ジョーカー「呼びやすいじゃん」
アンデッド「あなたもう少し呼ぶタイミング考えなさいよ今言う?それ…でも確かにこれからアテが無いんだとしたら俺らとしてもアンタ達2人が来てくれた方が凄い助かるんだけど」
ブラッド「…」
チェリー「君達は何を目的に行動しているの?」
アンデッド「この能力を植え付けた奴らを潰す」
ブラッド「!」
アンデッド「全員根絶やしにする…必ずな」
ジョーカー「だからアタシらとしても強い能力持ちスペックホルダーは仲間に欲しいんだ」
ブラッド「俺達は強くなんか」
アンデッド「能力じゃなくて…ココな」
トンッ
ブラッド「ここ…ろ…?」
アンデッド「全員俺が守らなきゃなんて…そんなこと思えるやつ中々いねぇよ」
ジョーカー「な!アタシらと行こうぜブラッド!チェリー!」
チェリー「どうするの?ブラッド…私はブラッドに任せるよ」
ブラッド「組織を潰す目的なら…もうアイツらみたいに不用意に人を殺すようなヤツらもいなくなるのかな」
ジョーカー「必ずしも組織と繋がってるなんて確定じゃねぇけど…見つけたらぶっ飛ばしていけば減るんじゃね?」
ブラッド「万人を助けたいわけじゃない…でも手の届く範囲は救いたいんだ」
アンデッド「協力するよこっちも」
ブラッド「!」
アンデッド「仲間だからな」
ジョーカー「おん!もちろんだぜ!」
ブラッド「2人とも…ありがとう…俺ついて行くよ」
ジョーカー「まじか!!やったー!!」
アンデッド「これからよろしくなブラッド!チェリー!」
ブラッド「あぁ!よろしく頼む!!」
チェリー「こちらこそよろしく!」
タッタッタッ
男の子「ブラッドお兄ちゃん!」
女の子「チェリーお姉ちゃん!」
2人「!」
アンデッド「あれ…あの子達」
ジョーカー「…しっかりケジメつけねぇとな」
ポンッ
ブラッド「…なんて説明したら」
アンデッド(あんなに小さな子達からしたら…急にいなくなるのなんて耐えられるわけないよな)
チェリー「任せて」
スタスタスタ
ブラッド「チェリー…!?」
チェリー「怖くて使えなかったけど…今使うよ私の能力」
ジョーカー「!」
スッ
チェリー「こっちに来て2人とも」
男の子「チェリーお姉ちゃん?」
女の子「どうしたの?」
タッチ
チェリー『消去しょうきょ


○チェリー能力―【神域拒絶】
=触れたものを抹消させる。


シュゥゥゥゥ
男の子「お兄ちゃん達…だあれ?」
ブラッド「!」
女の子「私達…どうしてここに」
チェリー「ごめんね…ごめんね…!!」
ギュッ
ブラッド「…行こう」
ポンッ
チェリー「うん…」
ザッザッザッ
男の子「…ありがとう!お兄ちゃん!お姉ちゃん!」
2人「…!!」
女の子「どうしてお礼言ったの…?」
男の子「自分でもよく分からないけど…」
チェリー「うっ…あぅ…うぅえぇぇぇ…!!」
ポンッ
ジョーカー「…よく頑張ったな」
ギュッ
ブラッド「…かっこ悪ぃ」
アンデッド「自分が苦しむ道をとってでもあの子達とは最善の別れをしたんだ…充分かっこいいじゃないか」
チェリー「うん…うん!うん!!」
グァッ
チェリー「早く行こう!もうあんな悲しい思いをしないためにも絶対組織の人達を倒すんだ!!」
ブラッド「あぁ…そうだな!」
アンデッド「…じゃあ行こうか?」
ジョーカー「だな!」
ーーーーーー
放火魔A「クソが…結局ガキ共に邪魔されて俺達の作戦は失敗かよ…チクショォ!!!」
ッドォォォォォォン
放火魔B「アニキ…」
放火魔C「おーい!アニキ達!」
タッタッタッ
放火魔A「お!お前どこに行ってたんだ!」
放火魔B「まったくだ!!」
放火魔C「ち、違うウヌだってちゃんと仕事しただ!でも馬鹿みたいに強い女と男に邪魔されたんだ」
放火魔A「女と男ォ…?」
?③「興味深い話ですね」
放火魔A「!?」
?③「もう少し聞かせてくれますか?そのお話…よいしょ」
スタッ
放火魔C「だ、誰だおめー!」
?③「少しお話を」
放火魔A「俺達ァ今気が立ってんだよ…生意気な口聞いてっと殺すぞ」
放火魔B「そうだぞ?下がれ下がれ」
?③「そこは安心していいかと」
能力者A「あ?」
?③「貴方達では私に適いもしませんから」
放火魔B「んだと!?」
?「試してみますか?」
放火魔A「やっちまうぞ!!!」
放火魔B「おう!アニキ!」
放火魔C「ウヌらの火力舐めんな!!!」
ッボォォォォォォォォォォォォォン
メラメラメラメラ
?③「…ほら言ったでしょう」
放火魔A「!?」
?③「この程度で自信を持つのは少し…可哀想ですね」
スッ
メラァッ
放火魔A「まさかお前も能力持ちスペックホルダー…!?」
?③「お返しに見せてあげます…本物の火を」
ボォォォォォォ
放火魔C「青い…炎…!?」
?③「さようなら」
ッボォォォォォォォォォォォォォン

瑠姫亜「一応教えておきますね…私は瑠姫亜」
【神の代弁者】瑠姫亜

スッ
瑠姫亜「いい情報をありがとうございました」
プルルルル
ガチャッ
瑠姫亜「はい」
【あ、瑠姫亜?今どこにいる?】
瑠姫亜「少し散歩を」
【そっか!少し戻ってきてくれ!】
瑠姫亜「了解しました」
スッ
瑠姫亜「さて…帰りますか」

血とさくらんぼ ~完~
しおりを挟む

処理中です...