PREDATOR

ANDEAD

文字の大きさ
上 下
58 / 135

#58 除籍処分

しおりを挟む
『除籍処分』
――建物カルデア
ガキィィィン
ズザザ
草薙「能力【太刀剣豪たちけんごう】」

〇草薙能力―【太刀剣豪たちけんごう
=自分の剣に様々な属性を纏わせ大きさを変化させる。

草薙『変化へんか火炎かえん
魁輝「!」
ッシュボォォォォォォン
ババッ
魁輝「…ふぅっ」
スタッ
魁輝「面白い剣だね?色々なものに変わるんだ」
草薙「俺自身の能力だ」
魁輝「それはそれは…面白い能力みたいだね」
草薙「笑ってる暇があるのか?」
スチャッ
草薙『大切断だいせつだん』!!
ッズバァァァァァァァァ
ガラララッ
魁輝「あんまり激しく暴れるとここ崩れちゃうよ?」
草薙「話を逸らすな」
ザッザッザッ
草薙「それとも下らない世間話でもしていないと身体が保たないのか?死ぬ覚悟が聞いて呆れる」
魁輝「本当にね…序列5番が10番にビビってたら世話ないよ」
草薙「数字なんてただの飾りだ」
魁輝「それは同感!どうしてこんなに強い君の序列がそんなに下位なんだい?君…四神に最初に能力を与えられたんだろう?」
草薙「!」
魁輝「1人目に神格者になったのが君だ」
草薙「後入りのアンタがなぜ知ってる?」
魁輝「前に紅玉さんと呑んだ時にね」
草薙「…俺が1人目だと何か問題でも?」
魁輝「単純に気になるんだよ」
ドンッ
ガギギギギ
魁輝「どうして自分から序列を下りたのか…いつから掃除屋をしているのかね」

ーーー
四神「歓迎しよう草薙。我らが同士よ」
舞桜「お仲間が増えましたね!」
草薙「…お力を頂き感謝致します」
四神「お前にはその力に相応しい器がある」
紅玉「コーコッコッコッ!これで序列は5番だの!」
藍菜「見たところ私より強そうだし…上に行ってもいいのでは」
黒龍「遠回しに我らも愚弄したか藍菜」
藍菜「あぁいや…そんなつもりは」
四神「お前達の序列は変えん」
紅玉「!」
四神「これからも数字に相応しい働きを心がけよ」
舞桜「わ、分かりました!」
――
草薙「お話とはなんですか?四神様」
四神「これからお前のような仲間を増やす。戦力の拡大において最も起こりうる問題は何か分かるか」
草薙「?」
四神「裏切りだ」
草薙「裏切り…!?」
四神「たくさんの怪物の遺伝子を様々な人間に投与する。それはつまりありとあらゆる人間がここに集まるということだ…関係の些細な解れや気持ちの乱れから人は平気で人を裏切る」
草薙「俺は!四神様を裏切るような真似は決して…ッ!!」
ギリッ
四神「分かっている。だからお前には器があると言ったのだ」
草薙「!」
四神「藍菜が言ったことを覚えているか?」
草薙「序列1番の女性…ですか」
四神「アレに間違いは無い…お前は鍛錬を積めば序列を3番まで繰り上げる事も可能だ…実力は高い。言いたいことは分かるな」
草薙「…」
四神「掃除屋として裏切り者及び実験の失敗作を皆殺しにしろ」
草薙「掃除屋…」
四神「どうだ?やってくれるな?」
草薙「…俺は貴方を尊敬しています。だから貴方を失望させる様な裏切り者は必ずこの手で斬り殺す」
四神「…流石だ」
草薙「四神様。俺からも願いが」
四神「ん?」
草薙「俺の序列を下げてくれませんか」
四神「理由を聞こうか」
草薙「貴方からの直々な命令は直ぐに実行させたいんです。序列が高くなると自由が効かなくなりますから」
四神「くっく…はっはっは!!!」
草薙「!」
四神「面白い気に入った!分かった…お前は序列を下らせよう」
草薙「…有り難き幸せ」
ーーー

草薙「特に理由は無い。四神様からの命令…それだけだ」
魁輝「君は本当に心酔しているね」
スッ
魁輝「能力【色覚鳳来しきかくほうらい】」

〇魁輝能力―【色覚鳳来しきかくほうらい
=気を様々な色に置き換えて特殊なオーラを纏う。

魁輝『真紅しんく
ドクンッ
草薙「よく知っているその能力は!!」
ドンッ
草薙『大切断だいせつだん』!!!
ズッバァァァァァァァ
ヒュッ
魁輝「何度か特訓の相手をしたからね」
草薙「!」
バチィッ
草薙「…ッ!!」
ズザザ
魁輝「確かに君は僕以上の強さはあるけど…忘れちゃいけない事は僕が序列5番だという事だよ」
草薙『変化へんか氷結ひょうけつ』!!
魁輝『真紅しんく
ドクンドクンッ
ジュワァァァァ
草薙「!?」
魁輝「僕の後ろには背中を向けて走ってる天使達がいる。守れなければ騎士失格さ」
草薙「こんな時にポエムか?余裕があるな」
魁輝「死ぬ覚悟は決めてきたが簡単に死ぬつもりはないよ」
魁輝『真紅しんく
ドクンドクンドクンッ
草薙(何回同じオーラを…まさか…!!)
キュインッ
魁輝「今心の中で何か思ったかな…それは正解だよ」
草薙(さっきより素早くなってる…!!)
魁輝「僕のオーラは重複が出来る。既に真紅を3回重ねがけた今の僕の速度を君は捕らえる事は出来ない」
ザッザッザッ
魁輝「僕の重複可能回数は無限だ。この身体を纏うオーラは簡単に打ち崩せるものじゃない」
草薙「そうか」
チャキッ
草薙「無限がメリットになるとは思えないがな」
魁輝「?」
草薙「何個重ねがけたとてお前が制御できる範囲は決まってる!」
ドンッ
魁輝「あっはは!正解だよ」
ズバァッ
キュインッ
草薙「!」
魁輝「さっきも言ったよね…君は今の僕を捕えられないと」
草薙「お前も俺の太刀を見えてない」
ビキビキッ
魁輝「!?」
草薙「その地盤は既に崩れてる」
ガラララッ
魁輝「くっ…」
草薙「空中に放り出されれば隙だらけだ!」
草薙『突出仙岳としゅつせんがく』ッ!!!
ザクザクザクザクザクッ
魁輝「かはっ…!!」
ドサッ
草薙「…」
ザッザッザッ
魁輝『千草ちぐさ
シュワァァァァァァ
草薙「傷の回復か」
魁輝「そんなに…不用意に近づいてもいいのかな」
草薙「?」
魁輝「僕が何かを仕込んでいると考えたりはしないのかい?」
草薙「仮に仕込まれたとしてもどうにか出来ると判断した」
魁輝「そっか」
魁輝『二藍ふたあい
ドドドドドドドッ
草薙「!?」
魁輝(さっきの傷を治すために時間をかけるよりは…早期決着だ)
ギロッ
草薙「なんだこのオーラは…さっきまでと何が」
ボロッ
草薙「!」
魁輝「よく知っているだろう?これは四神様も扱うような闇さ」
草薙「闇…だと」
魁輝「段々と僕の周りを蝕んでいく。もう彼女達は居ないからね」
スッ
魁輝「存分に僕と果て合おうか!!!」
草薙「俺は掃除屋だ…まだ命令が残っている」
チャキッ
草薙「自殺なんて選ばずとも俺が殺してやる!!」
ドンッ
魁輝「野蛮だな…」
チリッ
魁輝「僕からの賜物。受け取ってくれるかい?」
草薙「爆…!?」
ッドォォォォォォォォォォン
魁輝「ゲホッゲホッ…流石に少しやりすぎちゃったかな…」
ググッ
ガラガラッ
魁輝「!」
草薙「…」
ザッザッザッ
魁輝「参ったな……」
ガクッ
魁輝「どうやったら今の状況…無傷でいられるのかな」
草薙「…降ってくる岩を斬り続けた。それだけだ」
魁輝「それはそれは…」
クスッ
魁輝「本当に…敵わないや」
ドサッ
草薙「…何故四神様を裏切った」
魁輝「結果的にそうなっただけさ」
草薙「…」
魁輝「僕は君から彼女達を守りたかった…死なせたくなかった」
草薙「女たらしも狂えばここまで愚かになるのか」
魁輝「確かに僕は世界中の女性を愛しているけどね」
ニコッ
魁輝「…好きな人にはいっぱい格好つけたいんだ」
草薙「理解できないな」
チャキッ
魁輝「だろうね…もうお別れだ」
スッ
パチンッ
魁輝「最後に1つ」
草薙「?」
魁輝「僕は君の事も嫌いじゃなかったよ」
草薙「そうか…死ね」
ググッ
ズバァァァァァァァァァァァッ
魁輝「――」
ドサッ
草薙「…5番除籍完了」
ザッザッザッ
紅玉「なるほど…通りで騒がしかったわけだ」
草薙「!」
紅玉「魁輝は死んだのかの?」
草薙「はい…この手で殺しました」
紅玉「そうかそうか」
ザッザッザッ
スッ
コトンッ
草薙「それは…?」
紅玉「よく一緒に呑んでいた酒だ」
草薙「紅玉さんは本当に…酒が好きなんですね」
紅玉「コーコッコッコ!!いつか主とも呑んでみたいが!」
草薙「いえ俺はまだ未成年ですから」
紅玉「硬いやつよ…いいでは無いか別に」
ポンポンッ
草薙「!」
紅玉「今日のところはもう戻れ」
草薙「ですが俺はまだ―」
紅玉「四神から話があるらしいぞ?」
草薙「えっ―」
紅玉「ほらほら!さっさと行った行った!」
草薙「わ、分かりました…」
ダッダッダッ
紅玉「…女を守って死ぬとはな」
トスッ
紅玉「コーコッコッコ!!主は変わらず馬鹿な奴だ!」
キュポンッ
紅玉「主の好きな酒…隣で呑んでも罰は当てるなよ」
ゴクゴクッ
紅玉「ゆっくり眠れ。魁輝」
ーーーーーー
四神「魁輝は始末したようだな。よくやった」
草薙「申し訳ございません!!目の前で2人を逃がすなど…!!」
四神「構わん。そうあつくなるな」
草薙「しかし…ッ」
四神「奴らはどうせ我々に接触してくるさ…そこで始末しろ」
草薙「…!!」
スッ
草薙「仰せのままに…俺は必ず貴方の期待に添えてみせます」
四神「あぁ期待しているぞ」
草薙「…」
ペコッ
四神「下がって構わん」
草薙「失礼致します」
ザッザッザッ
ーーーーーー
草薙「无名…舞桜」
ググッ
草薙「必ずこの手で」

除籍処分 ~完~
しおりを挟む

処理中です...