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#124 終戦編 終わりの始まり

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『終わりの始まり』
――建物カルデアから少し離れた森奥

オーディン「……」
ディアブロ「そんなに見つめられたら照れちゃうよ」
オーディン「そうですか」
スッ
オーディン「余裕綽々は変わりませんね」
オーディン『救済の矢』
ズドンッッッ
ディアブロ「そりゃそうでしょ」
パラパラ
オーディン「!」
ディアブロ「私だって神だよ?」
パチンッ
ディアブロ「なんなら勝ってると言っていいほどにね」
オーディン「――!?」
ゾクッ
ディアブロ「真似事は大好きなんだ」
ディアブロ『救済の矢』
パシュッ―
ズッッ
オーディン「…ッ!?」
ディアブロ「くふっ…ぁはは」
ニヤッ
オーディン『光輝』!!!
パァァァァァァァァァ
シュゥゥゥ
ディアブロ「くふっ…あっははは!!よく出来ました!」
パチパチ
ディアブロ「楽しいなぁ」
ボフッ
ディアブロ「君の嫌がる事を考えてたって言ったよね」
オーディン「!」
ディアブロ「ここの他に…戦ってる子達いるでしょ?先にそっちを全員殺そうかなって思ったんだ」
オーディン「そんな事をすれば―」
ディアブロ「そう。そんな事をしたら娯楽がなくなる」
オーディン「…」
ディアブロ「この世界を壊すか何か…とても楽しいことを思いつくよね?私は是非見てみたいんだ…この世界がどうなるのか」
グシャッ
ディアブロ「ま!気に入らなかったら私が壊すけど」
ニコッ
ディアブロ「でも君がそれをさせない…私に唯一対抗する君ならね」
ザッザッザッ
ディアブロ「だから為す術ないまで君をいたぶって何も出来ないまま世界が変わる状況を届ける。それが私の考えた最高の嫌がらせと絶望だよ」
オーディン「そうですか…幼稚ですね」
ディアブロ「ん?」
ザクッ
ディアブロ「!」
ボタボタ
オーディン「貴方に対抗する術は私だけ?自分の快楽だけを求めて孤独に生き抜いて来ただけじゃ世界の真理なんて何も掴めやしない」
ディアブロ「真理…?」
オーディン「いつの世も…歩みを進めたのは人の子達です」
ディアブロ「はは―素敵な言葉だね」
スッ
ディアブロ「私はそうは思わないな」
オーディン「共感は不要です」
ディアブロ
     『バン』
オーディン
ッドドォォォォォン
ディアブロ「くふっ…舞え斬撃よ」
スッ
ディアブロ『クラフェインフォルテ』
ズババババババババババッ
オーディン「くっ…!!」
オーディン(見えなかった…)
ディアブロ「悪魔と天使の決定的な違いは光と闇以外もあるんだよ」
ガシッ
オーディン「――!!」
ディアブロ「っはははは!!」
ッドドォォォォォン
オーディン「かはっ…!!」
ドサッ
ディアブロ「私達悪魔は超速再生の機能が備わってるんだ。でも君達は治癒を施すのに過程が必要なんだよ」
オーディン「そう…ですか」
ガシッ
ディアブロ「!」
オーディン「治癒は…貴方達からすれば恐怖でしょうからね」
ニヤッ
ディアブロ「くたばっときなよ…!!」
オーディン『広域光輝』!!!
パァァァァァァァァァ
ジュワァァァァァァァァ
ディアブロ「…っ」
ババッ
ジュゥゥ
ディアブロ(まだ時間かかるか)
ディアブロ「…近づかせるのは良くないね」
スッ
ディアブロ『クラフェインフォルテ』
ズドドドドドドドドドドドド
スッ
オーディン「何が見えてますか」
ディアブロ「!」
オーディン「土煙で視界を奪われて困るのは貴方でしょう」
ディアブロ「よく背後を取れたね」
オーディン「気が付かなかっただけでしょう」
パンッ
オーディン『光あれ』
ズドドドドドドドドドドドド
ディアブロ「――ッ!!」
オーディン『神風』
シュパッ
ディアブロ「…畳み掛けか」
スッ
ディアブロ『アモルファス・ジ・ザン・バルディ』
ズシィィィッ
オーディン「ッ!?」
ディアブロ「あっはは!無事に重くできたようだね」
スタッ
オーディン(これは…)
ディアブロ「分析しなくたって教えてあげるのに」
ザッザッザッ
ディアブロ「気体に闇を浸透させて仮想の質量を作ってる。そして―」
ズッッ
ッドゴォォォォォォン
オーディン「――!!」
パラパラ
ディアブロ「それは私の打撃にも通用するんだ」
クルクル
ディアブロ「反撃しておいで~」
オーディン「……」
ボタボタ
シュゥゥゥ
オーディン(身体も…限界。ですが降霊しては彼女に肉体を殺される)
ディアブロ「来ないね…もう負け?」
オーディン(私が…やらなきゃ……だれも…!!)
ググッ
ディアブロ「…」
オーディン「っは…っは」
ディアブロ(この世界に肉体として存続させるだけで凄い力の消費だね)
ディアブロ「ま、頑張った方かな」
ザッザッザッ
チョン
オーディン「!」
ディアブロ「お疲れオーディン…世界の変わる様を無力に眺めていよう」
オーディン「……」
スッ
ディアブロ「!」
オーディン『混沌の領域』
ズァアアアアアアアアアアアアアア
ーーーーーー
――混沌の領域
ディアブロ「ここ…」
オーディン「消費が激しいのは確かです…けれどここの方が勝てる」
スッ
ディアブロ「……というと」
オーディン「私と貴方の2人のみ。誰にも被害は及びません」
ディアブロ「ふぅん。それなら力の制御も必要ないってことね」
スッ
ディアブロ「まぁ簡単に負けてあげる気はない―」
オーディン『星屑し』
ゴゴゴゴゴ
ディアブロ「――ッ!?」
オーディン「勝つ負ける…じゃありませんでしたね」
ニコッ
オーディン「殺します」
ズッッ――
ッドドォォォォォン
パラパラ
ディアブロ「っはは…死ぬかと思った~」
ババッ
スッ
オーディン『神速』
ビュッ
ガシッ
ディアブロ「!」
オーディン『光あれ』
ズドドドドドドドドドドドド
ディアブロ「が…ぁ……ッ」
トン
ディアブロ『絶望……の…羽』
ドスススススス
オーディン「…ッ」
ググッ
オーディン『光輝』!!!
ジュワァァァァァァァァ
ディアブロ「浄……化…ッ」
ストン
オーディン「仮想の質量…こうでしょう」
ディアブロ「はは―まじか…ぁ」
オーディン『アモルファス・ジ・ザン・バルディ』!!!
ッドゴォォォォォォン
ディアブロ「――――」
オーディン「…っは…っは」
クラッ
オーディン「少し…使いすぎ……た」
ドサッ
ディアブロ「…痛すぎ」
オーディン「あれだけの猛攻を受けて…まだ喋れますか」
ディアブロ「ねぇオーディン」
オーディン「…」
ディアブロ「君はなんでこの世界を守ろうとしてるんだい?」
オーディン「は…?」
ディアブロ「咲良の中に居た頃に世界を色々見て回ったよ。とてもじゃないけど君らの好きそうな美しい世界じゃない」
オーディン「…美しい世界なんて存在しません」
ディアブロ「!」
オーディン「生き抜く行為が何よりも美しいのです」

ーーーーーー
喜壱「ふぅ…」
喜壱『結界』
ズッダァァァァァン
パラパラ
草薙「…!!」
グァッ
ゲシッ
草薙「!」
无名「余所見厳禁!!」
満桜「皆さん!1箇所に集まってください!!」
紅玉「悪魔共を固めてやろう!合わせてくれ紗近!」
紗近「あぁ任せろ」
紅玉『ドールハウス』
バララララララッ
紗近『止まれ』!!!
キィン
雲雀「さすがっす紗近さん!!」
ダダッ
雲雀「干支白打―」
雲雀『龍波動』ッ!!!
悪魔「――!!」
ーーーーーー

オーディン「1人で出来る力など限られているから」

ーーーーーー
魁輝「皆に授けるよ」
魁輝『真紅』
ドクンドクンドクン
狂介「!」
屬翔「変な感じがするな…」
無名「なっはは!これええやん!」
ギュイン
ジジ
無名「引き寄せたる!!かませ!!」
瑠姫亜「叶栞!」
叶栞「任せて」
トトンッ
瑠姫亜
   『火拳』ッ!!!
叶栞
ーーーーーー

オーディン「安心して背中を預けられる友が居るから」

ーーーーーー
ッドゴォォォォォォン
吃葉「…らァ!!!」
ッドゴォォォォォォン
ババババババ
雨宮「はぁ…キリないね」
悪魔「――!!」
雨宮「!?」
黒髪『吊』
ズドドドドドドドドドドドド
玉津遊「……!!」
翡翠「なんて広範囲……」
黒髪「……守ります」
不仁丸「だからって1人は危険でしょ」
不仁丸『加速』
ダダッ

ーーーーーー
ディアブロ「それが無駄な足掻きだとしても…かい」
オーディン「無駄な足掻きなどありませんよ」
ーーーーーー

ガキキキキィン
黒髪「!」
菊「孤独は辛きものだぞ」
冬華「1人でどうにか出来るわけないだろう戯け」
霞「もう冬華!そういうこと言わないよ!」
陽夏「危なかったでござるな!黒髪殿!」
黒髪「あり…がとうございます」

ーーーーーー

ディアブロ「随分信頼しているんだね…幼い人の子達を」
オーディン「…個を信頼しているのではありません。大切なのは」

ーーーーーー
ポイズン「…」
ドロロロォォ
四神「!」
パラパラ
シュゥゥゥ
ババッ
ケイパン「ッ!!」
キノコ「……!!」
ッドゴォォォォォォン
四神「……」
ガッ
四神「…!?」
アンデッド
     「――!!!」
ジョーカー
ーーーーーー

オーディン「絆です」
ディアブロ「くふっ…っはははは」
スッ
ディアブロ「ありがと時間稼いでくれて。ある程度は回復したよ」
オーディン「……」
ディアブロ「君もでしょ?」
オーディン「はぁ…どこまで貴方は」
ディアブロ「待った」
オーディン「!」
ディアブロ「さっきの話聞いて気になった。私も知りたくなったよ。人の子達の絆」
パチンッ

ーーーーーー
シュシュシュシュン
无名「!?」
満桜「これは…悪魔達が消えた…!?」
ーーーーーー

ディアブロ「うん、今外の悪魔達全員消したよ」
オーディン「!?」
ディアブロ「ここ外してよ?2人で外に出よう」
オーディン「何を馬鹿な―」
ディアブロ「どの道ここじゃ決着つかないよ。君が全部の力を使い切ってここに留まれなくなったとしても私を殺すまでには至らない…それはもう分かってるんでしょ?」
オーディン「…!!」
ディアブロ「なら君の言う事にかけてみよう。人の子の強さを」
ザッザッザッ
ディアブロ「ははっ死ぬのかなぁ私」
オーディン「何を…言ってるんですか貴方は…!!」
ディアブロ「?」
オーディン「めちゃくちゃな言動…世界を壊したいだの言っておいて今の貴方からは殺気なんて感じられない……貴方は何を考えて――!!」
ディアブロ「娯楽だよ」
ニヤッ
オーディン「!」
ディアブロ「君達を殺して楽しいならそれで済ます。でもさっき死の淵まで送られて初めて…君に人の強さを説かれて初めて…戦いにおける死の愉悦を知ってしまった」
スッ
ディアブロ「ははっ…ははは――!!!」
オーディン「…そうですか」
ガタガタ

オーディンの震えは恐怖や畏怖では無い
圧倒的な倫理観の欠如

改めて分からされた
彼女は―絶望と愉悦を求めるのなら死すら厭わない存在と

パチンッ
ズァアアアアアアアアアアアアアア
オーディン「…!!」
ウリエル「オーディン様!!」
ダダッ
オーディン「あ…貴方達…どうして……!?」
ウリエル「オーディン様と同じ方法です…息苦しさはありますが」
ミカエル「それよりも…!!」
ザッザッザッ
ディアブロ「…増えたね人」
メドゥーサ「…」

この場に集まる戦力
ブラッド率いる――PREDATOR組4名
不仁丸率いる―――神の代弁者4名
鬼姫率いる――――鬼組8名
藍菜率いる――――神格者15名
オーディン率いる―天使と悪魔7名

相対するは闇の根源
――ディアブロただ1人

ディアブロ「37…か」
咲良「…!!」
ディアブロ「やぁ、久しぶりだね咲良」
藍菜(咲良…今までどこに)
ルシファー「……」
ディアブロ「君が匿ってたんだ。偉いね」
ルシファー「…」
咲良(あり…がとう。ルシファー)
ディアブロ「…君は覚えてるかな?自分に起きた過去」
咲良「…ッ」
ゾクッ
ディアブロ「私に勝てたら教えてあげるよ!」
トントン
ディアブロ「私が消させたその記憶」
ニヤッ
ババッ
ズッダァァァァァン
ディアブロ「うおっ」
シュゥゥゥ
ブラッド「……」
カウ「……」
ホワイト「……」
鬼姫「……」
藍菜「……」
黒龍「……」
満桜「……」
紅玉「……」
ギロッ
全員「ぶっ殺す――!!」
咲良「みん…な…ッ」
ディアブロ「っはは…」
ドクン
ディアブロ(これが…人の絆か)
スッ
ディアブロ「うん!楽しくなりそうだねオーディン」
オーディン「…!!」
ディアブロ「全員手加減せずおいで」
ズァアアアアアアアアアアアアアア
ディアブロ「殺すから殺せ」
ニヤッ

終戦編 終わりの始まり ~完~
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