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#132 キミと居れた幸せ

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『キミと居れた幸せ』
――冥府

ズモモモモモモモモ
アンデッド「――」
ポンポン
アンデッド「!」
サタン「や、魔王様」
アンデッド「サタン……」
サタン「いやぁ…それにしても驚いちゃったよ私は。まさか契約してた子が魔王にまで成り上がっちゃうんだからね」
アンデッド「魔王…まだ実感湧かないけど」
サタン「ふふん!そりゃそーだ!」
アンデッド「…」
サタン「魔王ってのは悪魔の王様だよ?そんな簡単にはなれるようなものじゃないんだから!」
アンデッド「…一応悪魔の純血では無いんだけどな」
サタン「そんなとこ今更気にする?ルシファーだって元々天使なのに」
アンデッド「まぁ…そりゃそうだけど」
サタン「それよりさ」
スタッ
サタン「君の闇をメドゥーサが解き放った…今この冥府では新しい魔王を歓迎するかのように無数の悪魔達で溢れてる」
アンデッド「…あぁ、なんか感じる」
サタン「もっかい聞くよ。今の気分は?」
アンデッド「……」
サタン(…頼む。言ってくれ)
アンデッド「いいんだサタン」
サタン「!」
アンデッド「お前が俺の気持ちを汲んでくれてるのは分かってる。だけど俺はもう…大丈夫だから」
ニコッ
サタン「………!!」
サタン(違う…違うんだよ…私が見たいのはそんな苦しい笑顔じゃない)
サタン「…分かった。伝えたくなかったけど――」
ザッザッザッ
アンデッド「…?」
サタン「キミがさっき何か感じるって言ったのは無数の悪魔達の闇だ」
アンデッド「……あぁ」
サタン「でも今その悪魔達の闇が冥府で蠢いてるのは…新しい魔王を歓迎してるからじゃない。侵食してきたから自分達の王を守るためだ」
アンデッド「いぶ…つ……?」
サタン「耳を澄ましてごらんよ」
ニコッ
アンデッド「――――!!」
キィン
アンデッド「は……?」
サタン「ルシファーとメドゥーサが気づいたのはついさっき。だけど私はこうなるって分かってた…だからその時って言ったんだ」
アンデッド「…………ッ!!!」
サタン「ぜーんぜん付き合いの無い私でも分かったんだよ。だからキミが分からないはずないじゃないか」
アンデッド「でも…だって……ここは冥府で――」
サタン「もし冥府だからって理由で確信してたんならお門違いだ」
アンデッド「……!!」
サタン「そんな理由じゃ止まらない。は――そういう子でしょ」
ーーーーーー
ッドドォォォォォォォォォン

「はぁ…はぁ…!!」

ヨロッ
ボタボタ

「すぅーーー……ふぅ」

ゴォッ
ジョーカー「どこだああああああああっ!!!!アンディーーー!!!」
悪魔「ぎぃっ!!なんで天使がこんな所に…!!」
ジョーカー「はぁ…っ…はぁ…っ…」
悪魔「関係ねぇやっちまえ!!魔王様に近づけるな―」
ガッ
ッドドォォォォォォォォォン
悪魔「べぶ――ッ」
ジョーカー「どけ…邪魔だ!!!アタシの前に――立つんじゃねぇ!!」
ッドドドドドドドドォォォォォォォォォォォォン
ーーーーーー
ルシファー「……まさか本当に」
メドゥーサ「サタンちゃんの言っていた通りになったわね」
スタッ
サタン「おい2人とも!」
ルシファー「!」
サタン「助けに行け」
メドゥーサ「あら」
ルシファー「行け…って貴方」
サタン「ごちゃごちゃうるさい!!だ!!!」
メドゥーサ「魔王…命令……?」
ルシファー「まさか…」
サタン「…ふん!」
メドゥーサ「ふふっ」
ルシファー「はぁ…それはもう伝えたのですか…?」
サタン「言わないよ。これは私の選択なんだから」
メドゥーサ「似たもの同士ね」
ルシファー「…そうですね」
クスッ
サタン「ほらほら行け行け!行けったら!」
グイグイ
ーーーーーー
アンデッド「なんで…ジョーカー……!!!」
ドクンドクン
アンデッド「冥府に…ッ」
ーーーーーー
ボタボタ
ジョーカー「はぁ…はぁ…げほっ」
ガクッ
悪魔「ぎぃっ!!天使にとって冥府は地獄そのものだ!こんな所でまともに息出来るわけないだろ!!」
ジョーカー「うる……せぇ…!!!」
ググッ
ジョーカー「アタシは…止まらねぇ…死なねぇ……ッ!!!」

ーーー
キノコ「そんな…アンデッドさん…!!!」
ケイパン「お、俺達で何とか出来るはずだよ!!」
ポイズン「あぁ…とりあえずオーディンさんに」
ジョーカー「…大丈夫」
ポイズン「!」
ジョーカー「あのとき約束したんだ…次はアタシが守るって」
スッ
ジョーカー「ケルベロス」
ボフンッ
ラムネ「呼ばれた!!」
ラルク「…眩し」
ワスプ「…なんか用かよ」
ケイパン「え…ケルベロスって」
ジョーカー「アタシが契約したからな」
ポイズン「そういえば言ってたような…」
ジョーカー「頼みがあるんだ」
ラムネ「なになに?」
ジョーカー「――アタシを冥府に連れてってくれ」
ラムネ「へ…?」
ケイパン「は…ちょ、ちょっと待てよジョーカー!!」
ジョーカー「…って今考えてるんだ」
キノコ「!」
ジョーカー「皆はどう思う?」
ポイズン「ずっと…心に決めてたのか」
ジョーカー「アンディの前では言えなかったけどな」
ケイパン「どう思うって……そんなの」
キノコ「…行けるなら私だって行きたい」
ケイパン「キノコ…」
キノコ「まだ言い足りない事が沢山あるんだ…怒りたいことだって」
ジョーカー「……」
キノコ「でも…でも行くのは私達じゃないって分かる」
ググッ
キノコ「冥府には…ジョーカーが行くべきだよ」
ジョーカー「…ありがとう」
ポイズン「でもジョーカー…冥府って」
ケイパン「ケルベロスって天界に居たのに冥府に連れて行けるのか…?」
ラムネ「うん!元々は冥府の番犬だったからね!大丈夫だよ!」
ガッ
ラムネ「あうっ」
ラルク「待て。勝手に話を進めんな」
ラムネ「ぁいたたたた……」
ラルク「冥府に行く?自分で何言ってんのか分かってんのか」
ジョーカー「…あぁ」
ラルク「冥府は天使にとって猛毒渦巻くただの地獄だ。そんな所に単身で乗り込むって?目的は?」
ジョーカー「仲間がそこに囚われてんだ。助けに行く」
ラルク「…駄目だ。話にならねぇ…さっさと俺達を戻せ」
ラムネ「えっ…えっ?連れて行ってあげないの?お願い事なのに」
ラルク「お前は黙ってろ」
ラムネ「なんでよ!」
ジョーカー「頼む…頼れるのはお前達しか居ねーんだ…」
ラルク「話にならねぇと言ったろ」
ジョーカー「…」
ラルク「理由によっちゃ考えたが仲間を助けるだ?馬鹿馬鹿しい…そんな事で自分の命を賭けるってのか」
ケイパン「馬鹿馬鹿しいってなんだお前……!!!」
ガッ
ジョーカー「いいよケイパン」
ケイパン「でも…!!」
ジョーカー「馬鹿馬鹿しくても構わねぇ…誰になんて言われてもアタシはこの意見を変えねぇぞ」
ラルク「……冥府がどんな場所か教えたろうが。甘い考えで生き残れる様な場所じゃねぇんだぞ?」
キノコ「そんなことジョーカーも重々承知で―」
ラルク「それが甘い考えだって言ってんだ!!!」
キノコ「…ッ!!」
ビクッ
ラルク「この際だからハッキリ言うぞ…理由がどうとかの問題じゃねぇ。冥府に天使が行くこと自体が禁止行為タブーだって言ってんだよ!!!お前らがまだ天界に居た頃に冥府に言って生きて帰ってきた天使が居た」
ケイパン「な、なんだ…過去にも居たのか…」
ラルク「そいつは…死を以上経験したんだぞ」
キノコ「……!!!」
ラルク「お前に覚悟がある無いの話をしてんじゃない。お前は不死身ではねぇんだろうが。1度死ねばお陀仏のお前が冥府の中で仲間を助ける?」
ガッ
ラルク「夢は自分テメェの中で抑えとけ!死なれても寝覚めが悪ぃんだよ!!」
ラムネ(ラルク……)
ワスプ「…こっち来いよジョーカー。冥府の門開いてやるから」
ジョーカー「え…」
ラルク「!?」
ザッザッザッ
ガッ
ラルク「何言ってんだお前…殺す気かよ!!」
ワスプ「なんだ今更…死ぬ気の提案だろどう見たって」
ラルク「そういう話をしてるんじゃねぇ!冥府に行かせてどうする!」
ワスプ「はぁ…私がそんなところまで知るかってんだ」
ラルク「……ッ」
ワスプ「死なれても寝覚めが悪ぃのは同感」
ザッザッザッ
ワスプ「だから絶対に死ぬな」
ジョーカー「……あぁ、約束する」
ワスプ「ラルクよォ…仲間のために賭けたかくごだろ」
ラルク「……」
ワスプ「私達が口を挟める道理がどこにあんだ」
ラルク「…ちっ」
ジョーカー「…確かに言われるまで軽い気持ちだったことは認める。けどアタシ達はアイツの命を諦めたくねぇんだ!!」
ラムネ「うん…うん……っ」
グスッ
ワスプ「なんでお前が泣いてんだよ」
ラムネ「泣いてないもん…ッ!!」
ワスプ「言っとくけど私達は冥府まで行けねぇからな」
ジョーカー「あぁ。分かってる」
ワスプ「それじゃあ始めんぞ」
スッ
ラムネ「…!!」
ラルク「あぁ…分かったよ」
ガシッ
ゴゴゴゴゴ
グモオオオオオオオオオ
キノコ「これが……冥府の門」
ケイパン「入り口見るだけで恐ろしい…これじゃ俺らは無理だよな」
ポイズン「……情けねぇ」
ジョーカー「大丈夫だ」
ザッザッザッ
ジョーカー「……必ず生きて帰る」
ワスプ「門の開閉は無限じゃねぇ。約束は守れよ」
ジョーカー「…分かった」
ゴゴゴゴゴ
ジョーカー「待ってろ…アンディ」
ーーー

ジョーカー「アタシは約束したんだ…必ず守る。絶対に生きて帰る」
コォォォォォォォォォォォ

ーーー
ジョーカー「…ここじゃないんだ。アタシの覚醒は」
ーーー

ジョーカー「許可をくれ!!オーディンさん…アタシに!!助けるための力を!!!」
ーーーーーー
――建物カルデアから少し離れた森奥

オーディン「……!!!」
スッ
オーディン(…きっと私が何を言っても貴方は向かったのでしょう)
ビカァッ
オーディン(ですからせめて―無事に生き抜いて)
ーーーーーー
――冥府

ジョーカー「あぁ絶対――約束する」

――覚醒の条件を満たしました
1分間のゾーン状態に移行します

ジョーカー「――………」
ザッザッザッ
悪魔「な、なんだお前…何が変わった…?」
ジョーカー「…死にたくねぇ奴らは全員下がれ。これ以上アタシの邪魔をすんなら――この冥府ごと浄化する!!!」
ビカァッ
ジョーカー「おおぉぉぉぉぉおおおおおお――ッ!!!」
ジョーカー『三種さんしゅ神器じんぎ八咫鏡やたのかがみ』ッ!!!
ッドドドドドドドドォォォォォォォォォォォォン
悪魔「ぎぃぃあああああ――……ッ!!」
ジョーカー「どけぇ!!!アタシはアイツに……会うんだァ!!!」
ビカァッ
ジョーカー『三種さんしゅ神器じんぎ草薙剣くさなぎのつるぎ』ッ!!!
ッドドドドドドドドォォォォォォォォォォォォン

ーーー
アンデッド「…いつもありがとな、ジョーカー!」
ーーー

ジョーカー(違う…アタシはお礼を言われるほどの事をしてない……お前がそっち側に行く必要なんかねぇんだ!!!)
ググッ
ジョーカー「アタシは…アタシ達は!!!」
ビカァッ
ジョーカー「まだお前と…一緒に居るんだ!!!!!」
ジョーカー『三種さんしゅ神器じんぎ八尺瓊勾玉やさかにのまがたま』ッ!!!
ッドドドドドドドドォォォォォォォォォォォォン
ジョーカー「……っはーー……っはーー」
ヨロッ
ドサッ
ジョーカー(…っくそ…力が入らねぇ……!!!!)
ググッ
悪魔「な、なんて威力……だがもう力尽きたみてぇだ!!今のうちだ!!やっちまえお前ら!!!」
グモモモモモモモモモモ
ジョーカー「――ッ!!」
スッ
ッドドドドドド
悪魔「ぎぃ――ッ!?」
ジョーカー「!」
ルシファー「ここまでやるとは…遅くなり申し訳ございません」
メドゥーサ「あともう少しだけ頑張れる?」
ジョーカー「お前…ら」
ルシファー「ここの悪魔達は無限…故に私達が引き受けます。貴方は奥へ向かってください」
メドゥーサ「振り返らずに進んでちょうだい。会うべき人は…魔王はあの先よ」
ジョーカー「…………ッ!!」
ググッ
ジョーカー「あぁ…助かった……ッ」
ダダッ
悪魔「ぎぃっ!?魔王様の元なんか行かせるか!!」
ギュルルルルル
ガシッ
悪魔「!?」
メドゥーサ「どこに行くの?もう少し私達と遊んでちょうだい」
悪魔「な…何を――」
ルシファー「いつぶりでしょうか…悪魔殺しは」
ズババババッ
悪魔「ぎぃああああああ――ッ」
スタッ
メドゥーサ「お見事!」
ルシファー「…余所見はしないでください」
悪魔「な、なんだお前ら!悪魔のくせに…なんで」
ルシファー&メドゥーサ「……魔王命令」
ッドドォォォォォォォォォン
ーーーーーー
アンデッド「――!!」
サタン「目を瞑ったら駄目だよ」
ポンポン
サタン「現実から逃げたら駄目だ…ほら」
アンデッド「!!」
ザッザッザッ
ジョーカー「はぁ…はぁ…見つけた……アンディ!!」
アンデッド「ジョーカー…俺……!!」
ググッ
アンデッド(俺のせいで……こんな目に)
アンデッド「なんで来たんだよ!!!」
ジョーカー「!!」
アンデッド「俺は…冥府に幽閉されるんだぞ!!お前…天使のくせに冥府まで来て……なん―」
ジョーカー「仲間だろうが!!!!」
アンデッド「――ッ!!」
ジョーカー「何を……言ったって構わねぇ!!」
ザッザッザッ
スッ
ジョーカー「文句も全部!!こっから出たらいくらでも聞いてやる!!!だから今はこの手を掴めアンディ!!!」
アンデッド「でも……俺は…ッ」
ジョーカー「泣き顔見に来たわけでも…死にに来たわけでもない!」
ググッ
ジョーカー「お前を助けに来たんだ!!!」
アンデッド「……ッ!!」
サタン(…自分に正直になっていいんだよ)
アンデッド「…ごめん……ジョーカー…!!」
ジョーカー「!」
アンデッド「自分が情けねぇ…馬鹿な真似ばっかしてる…言う資格なんか無いと思うけど……!!!」
グスッ
アンデッド「助けてくれ……ジョーカー…!!!!」
ジョーカー「…っしし!それが相棒だろ!!」
ガシッ
アンデッド「あぁ…!!」
ズォオオオオオオオオオオ
アンデッド「!?」
ジョーカー「な、なんだ…後ろの手が…うぉっ…!?」
グモモモモモモモモモモ
ジョーカー「やべ――息――が」
アンデッド「ジョーカー!!!なんだこれ…いつ……!!」
サタン「…冥府はキミを魔王にしようとしてるからね。逃がさないように必死なんだよ」
アンデッド「!!」
サタン「…だから冥府からは出られない」
アンデッド(そんな…じゃあ結局俺は)
サタン「
フワッ
アンデッド「は…?」
サタン「……多分1回しか出来ないけど」
サタン『絶対強制解除アブソリュートキャンセル
パッ
ジョーカー「…げほっ」
アンデッド「ジョーカー!!」
ガシッ
アンデッド「無事か!?」
ジョーカー「あ、あぁ……!!」
アンデッド「サタン…今」
ドスッッッ
アンデッド「――――!!」
サタン「……」
ジョーカー「…!?」
サタン「…キミの役目はここでおしまい」
アンデッド「なん…サタン……?」
サタン「ふふっ…はは…あっはははははは!!!!キミの中の闇は全部私が奪ってやった!!!もうキミに悪魔の力は存在しない!!!」
アンデッド「は…?」
サタン「後はキミとの契約を切れば…私は晴れて魔王になれる。キミの闇を全て吸収してね」
アンデッド「何言って――」
グイッ
サタン「意見なんかさせないよ?全て私が企てた事なんだから」
ニヤッ
ジョーカー「サタン…お前……」
サタン「ほらほら早く!キミの口から契約破棄と告げてよ!!そしたら私の夢だった魔王になれるんだから!!後はキミの契約破棄だけ!!」
アンデッド「……!!!!」
バッ
サタン「想えば長かったね!!最初は特級悪魔に啖呵切ったもんだから私も期待してなかったな!!」
アンデッド「あぁ…そうだな。お前が居ないと俺は駄目だったよ」
サタン「それからは面白がってかキミを観察して!!いつの間にか生意気にも私の中でキミを見てる時間が増えていった!」
ググッ
サタン「キミは…ずっとさ……自分の事なんか…後回しでさ……ッ」
ポロッ
アンデッド「!」
サタン「自分1人犠牲になればそれで済むって思ってる!!馬鹿だ馬鹿!大馬鹿野郎のあんぽんたん!!ばーかばーか!!頭も小さい!!!」
アンデッド「……サタン」
ガシッ
アンデッド「…こんな相手でごめん」
スッ
アンデッド「……だ…!!」
サタン「…………ッ!!!」
グスッ
サタン「気づくのが……遅いんだよばか………!!!!!」
ガバッ
ギュッ
サタン「これで最後…最後最後最後最後最後!!!!!」
ギュウウウウウウッ
パッ
サタン「……連れてってジョーカー」
ジョーカー「!」
サタン「闇の手はもう…私を魔王って認識した」
アンデッド「――!!」
サタン「キミ達はもう冥府から出られるよ」
ジョーカー「…そっか」
サタン「……キミとは変革者のあの子達より先に出会ってた。私はキミの最古参だからね」
アンデッド「……あぁ」
サタン(出るな…出るな涙!!)
グイッ
サタン「――キミと居れて幸せだったぞっ!!!!!」
アンデッド「……!!!!!」
アンデッド(俺は……何人の人に守られれば気が済むんだ)
アンデッド「あぁ…俺もずっと幸せだった……サタン…!!」
パァァァァァァァァァァァ
シュゥゥゥゥ
サタン「――はは、冥府に光が差すのをこの目で見ちゃうなんて」
グシッ
サタン「……
サタン(今までも――これからも)
ーーーーーー
――荒野の荒地

グモモモモモモモモモモ
ケイパン「!」
ドゴッ
ジョーカー「…いてっ」
アンデッド「……ッ」
ポイズン「!!」
ケイパン「あ…あぁ…!!」
キノコ「――ッ!!」
ラムネ「うっ…うううう…!!」
ワスプ「…っはは」
ラルク「……当然だろうが」
ジョーカー「…っしし」
アンデッド「俺……冥府…から」
ギュッ
ケイパン「ああああああ!!!アンディ!!!!!」
アンデッド「ぅぐ…っ」
ケイパン「良かった…良かった!!ああああああああぁぁぁ!!!」
ポイズン「ったく2人して……無茶ばっかしやがって…!!」
ガクッ
ジョーカー「キノコ…言いたいこと沢山あるんだろ」
キノコ「……!!!!」
ダダッ
ガバッ
キノコ「うわああああああああん!!!!馬鹿ああああああ!!!!」
アンデッド「…ッ」
アンデッド(異界を開く術…とかじゃない。もう俺の中に皆が居ない事が分かる……!!)
ググッ
アンデッド(…違う。悲しむために送り出してくれたんじゃないよな)
アンデッド「ジョーカー。ポイズン。ケイパン。キノコ」
ジョーカー「!」
アンデッド「……ただいま」
ニコッ
全員「おかえりっ!!!」

キミと居れた幸せ ~完~
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