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ダークエルフの隠れ里⑥
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結果的に僕はダイダロス様の腹の中に入ることはなかった。それどころか里のみんなが僕のことを里を救いし勇者様だと持ち上げてくれる。こんな気分がいいことは中学校でみんながやりたがらなかった清掃委員をやって以来だとしみじみ思った。
「あのぅ、皆さんが喜んでくれるのはいいんですけどいったいいつからこのオアシスの水は枯れてしまったんですか?」
するとリミリさんが少し深刻な顔をして答えてくれた。
「はい、実は三ヶ月ほど前からです。この地域はめったに雨は降らないのですが地下に水脈があって、そこから水が湧き出ていたのですが三ヶ月ほど前から水が徐々に湧いてこなくなってしまったんです。我々は井戸を掘って水を得ようとしたのですが硬い岩盤の下に水脈があるようでそれ以上井戸を掘り進めることができなくて困り果てていたのです。」
「なるほど、そんなことがあったんですか。でも僕の持っている蛇口で水が手に入りますからもう心配いりませんね。」
「、、、いえ、確かにヤマダ様の魔道具のおかげで窮地を脱することはできました。しかし、問題の根本が解決したわけではありません。あの蛇口という聖なる魔道具から出る水の量では私たちが飲む量の水には困らないでしょうけど、作物を育てるのには十分とは言えず、このままでは、里の皆は飢えて死んでしまうでしょう。」
「そんなぁ、どうすればいいんですか。僕にできることがればなんでもおしゃってください。なんていったって僕は勇者なんですから!」
「まあ頼もしい、さすが古の石板に刻まれし勇者様ですわ。」
リミリさんの泣きそうな顔と、この嬉しそうな顔が本当にずるい。僕だって食べ物が食べれないのは困るし里の人たちが苦しむ姿は見たくない。でも、それ以上にこんな美しい人が泣きそうになっていたり、僕のできることで嬉しそうにしてくれるなら僕だって話をすこし盛ってしまうじゃないか。
そしてリミリさんからこんな言葉が投げかけられた。
「オアシスの水が枯れ果ててしまうと主であるダイダロス様もきっとお怒りになってこの里に下りてくるかもしれません。それも、このままでは遠い未来ではないでしょう。それまでにヤマダ様!井戸の底の岩盤を何とか砕いてくださいませんか?」
しまった。僕にできることがあれば何でも言ってくださいって言うべきではなかった。里のダークエルフの若者が掘れない岩盤を一般の高校生である自分に掘ることができるだろうか。しかもダイダロス様なんてパワーワードを出されたら引くに引けない。僕の中でダイダロス様はさっちゃん家のお父さん並みに怖い存在になってしまっている。
翌日、僕はダークエルフのみんなが掘っている井戸に案内された。
「これが今、我々が掘っている井戸です。」
「結構深そうですね。」
底が見えない。試しに近くにあった小石を井戸に投げ入れてみる。
ヒューッ、、、カラン。
三秒はあっただろうか、、、、、。結構じゃなくて相当深い。
「おい誰か、勇者様が下に降りられるために縄を持ってこい。」
降りるってまだ言ってないんですけど。
するとリリムさんが縄を持ってきてくれた。そして、その縄を僕の腰に巻き付けると、「頑張ってください」と一言。そして僕はつるはしを持たされそのまま井戸の底に降ろされていった。
「あのぅ、皆さんが喜んでくれるのはいいんですけどいったいいつからこのオアシスの水は枯れてしまったんですか?」
するとリミリさんが少し深刻な顔をして答えてくれた。
「はい、実は三ヶ月ほど前からです。この地域はめったに雨は降らないのですが地下に水脈があって、そこから水が湧き出ていたのですが三ヶ月ほど前から水が徐々に湧いてこなくなってしまったんです。我々は井戸を掘って水を得ようとしたのですが硬い岩盤の下に水脈があるようでそれ以上井戸を掘り進めることができなくて困り果てていたのです。」
「なるほど、そんなことがあったんですか。でも僕の持っている蛇口で水が手に入りますからもう心配いりませんね。」
「、、、いえ、確かにヤマダ様の魔道具のおかげで窮地を脱することはできました。しかし、問題の根本が解決したわけではありません。あの蛇口という聖なる魔道具から出る水の量では私たちが飲む量の水には困らないでしょうけど、作物を育てるのには十分とは言えず、このままでは、里の皆は飢えて死んでしまうでしょう。」
「そんなぁ、どうすればいいんですか。僕にできることがればなんでもおしゃってください。なんていったって僕は勇者なんですから!」
「まあ頼もしい、さすが古の石板に刻まれし勇者様ですわ。」
リミリさんの泣きそうな顔と、この嬉しそうな顔が本当にずるい。僕だって食べ物が食べれないのは困るし里の人たちが苦しむ姿は見たくない。でも、それ以上にこんな美しい人が泣きそうになっていたり、僕のできることで嬉しそうにしてくれるなら僕だって話をすこし盛ってしまうじゃないか。
そしてリミリさんからこんな言葉が投げかけられた。
「オアシスの水が枯れ果ててしまうと主であるダイダロス様もきっとお怒りになってこの里に下りてくるかもしれません。それも、このままでは遠い未来ではないでしょう。それまでにヤマダ様!井戸の底の岩盤を何とか砕いてくださいませんか?」
しまった。僕にできることがあれば何でも言ってくださいって言うべきではなかった。里のダークエルフの若者が掘れない岩盤を一般の高校生である自分に掘ることができるだろうか。しかもダイダロス様なんてパワーワードを出されたら引くに引けない。僕の中でダイダロス様はさっちゃん家のお父さん並みに怖い存在になってしまっている。
翌日、僕はダークエルフのみんなが掘っている井戸に案内された。
「これが今、我々が掘っている井戸です。」
「結構深そうですね。」
底が見えない。試しに近くにあった小石を井戸に投げ入れてみる。
ヒューッ、、、カラン。
三秒はあっただろうか、、、、、。結構じゃなくて相当深い。
「おい誰か、勇者様が下に降りられるために縄を持ってこい。」
降りるってまだ言ってないんですけど。
するとリリムさんが縄を持ってきてくれた。そして、その縄を僕の腰に巻き付けると、「頑張ってください」と一言。そして僕はつるはしを持たされそのまま井戸の底に降ろされていった。
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