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第1章 光るバッハ
第5話 王道も悪くないわ!
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深夜。
どういう交渉を経たのかは不明だが、
金井たちは警備員と話し合い、
堂々と3-Aに忍び込むことに成功していた。
「さて、と。どういう怪現象が起こるかなっと」
夜だというのに、
全く臆することなく教室内を懐中電灯で照らしている。
金井だけではない。
赤坂、青崎も同様にしていた。
「うーん、昨日の今日なら何か見付かると思ったけどなぁ」
「やっぱり、あの警備員の見間違いなんじゃないか?」
特に変わった様子などなく、
ただ暗くて誰もいないだけの教室があるだけだった。
面白いことなんて何もない。
幽霊なんていない。
そう結論付けて3人が帰ろうとした時だった。
「油断した時が、一番のウィークポイント……ってね!」
「ぬわぁあぁぁぁっ!?」
「ど、どうしたっ!?」
「何があったっ!?」
金井が奇声を上げて飛び上がる。
背中をゴシゴシ擦りながら転げ回りもする。
「お、落ち着け!」
「なぁ、何があったんだよ!?」
2人に肩を揺すられて、
金井はハッと我に返る。
でもその表情は暗くてもわかる程に青く、
ガクガクと全身が震えていた。
「な、なぁ、ここって屋内だよな?」
「当り前だろうが」
「馬鹿になったのか? 驚かすなっての」
「そ、そうじゃねぇよ! お、俺の、俺の背中を冷たい何かが伝ったんだよ!」
金井は上着を脱いで2人に見せる。
特に何ともない。
それもそのはずだ。
痕跡が残るようなことは、これからするのだから。
「ほーら、次、いくわよ?」
聞こえないのをいいことに、
耳元でしっかりと警告しながら、
次のターゲットである赤坂の背中に「それ」を入れる。
「うぉおぉぉぉっ!?」
「うひゃぁあぁぁぁっ!?」
「だぁあぁぁぁっ!?」
赤坂も、金井に負けないくらい飛び上がる。
そして鳴り響く。
ボト、と、何か硬い物が落ちる音が。
「これ……氷か?」
青崎はそれを恐る恐る摘まみ上げる。
氷だ。
何の変哲もない、
コンビニで売っていそうな、
四角いただの氷だ。
「はぁっ!? 氷!?」
「青崎! お前がやったのか!?」
金井と赤坂は怒りながら詰め寄る。
氷なら幽霊なんかじゃない。
悪戯をしたんだろう。
そう主張しながら。
勿論、青崎は否定する。
「ふざけるな! ここに来るまでの間に溶けちまうよ!」
そう、今は真夏。
3人は一度金井の家で集まってから、
どこにも寄ることなく学校にやって来た。
氷を隠し持っていても溶けてしまっているだろう。
「そ、それじゃあ、これは何なんだよっ!?」
「そうだ! お前じゃなくて、他に誰がっ!」
「俺が知るかよ!?」
効果はてきめんである。
まさか氷1個でここまで愉快なことになるなんて。
「あぁ……し・あ・わ・せ……っ!!」
ユーコは余りに愉快で、
いやもはや耐えられない程の快楽を感じて、
艶めかしく身をよじりながら、
恍惚とした表情を浮かべた。
「この人……狂っている……っ!」
死神はようやく、そして改めて理解した。
この顔は心から悦んでいないとできない。
ユーコは正真正銘の狂人なんだから、と。
「さぁ、フィナーレといきましょうか! 死神!」
「は……はいっ!」
ユーコが10粒、死神が5粒。
それぞれ手に持つと、
口論する3人の背中に放り込んでやった。
「にゃぁあぁぁぁっ!?」
「嘘だぁあぁぁぁっ!?」
「ぬぅおぉぉぉっ!?」
3人はあちこちに体をぶつけながら、
我先にと押し合いながら、
それでまた転びながら、
一目散に逃げて行ったのだった。
どういう交渉を経たのかは不明だが、
金井たちは警備員と話し合い、
堂々と3-Aに忍び込むことに成功していた。
「さて、と。どういう怪現象が起こるかなっと」
夜だというのに、
全く臆することなく教室内を懐中電灯で照らしている。
金井だけではない。
赤坂、青崎も同様にしていた。
「うーん、昨日の今日なら何か見付かると思ったけどなぁ」
「やっぱり、あの警備員の見間違いなんじゃないか?」
特に変わった様子などなく、
ただ暗くて誰もいないだけの教室があるだけだった。
面白いことなんて何もない。
幽霊なんていない。
そう結論付けて3人が帰ろうとした時だった。
「油断した時が、一番のウィークポイント……ってね!」
「ぬわぁあぁぁぁっ!?」
「ど、どうしたっ!?」
「何があったっ!?」
金井が奇声を上げて飛び上がる。
背中をゴシゴシ擦りながら転げ回りもする。
「お、落ち着け!」
「なぁ、何があったんだよ!?」
2人に肩を揺すられて、
金井はハッと我に返る。
でもその表情は暗くてもわかる程に青く、
ガクガクと全身が震えていた。
「な、なぁ、ここって屋内だよな?」
「当り前だろうが」
「馬鹿になったのか? 驚かすなっての」
「そ、そうじゃねぇよ! お、俺の、俺の背中を冷たい何かが伝ったんだよ!」
金井は上着を脱いで2人に見せる。
特に何ともない。
それもそのはずだ。
痕跡が残るようなことは、これからするのだから。
「ほーら、次、いくわよ?」
聞こえないのをいいことに、
耳元でしっかりと警告しながら、
次のターゲットである赤坂の背中に「それ」を入れる。
「うぉおぉぉぉっ!?」
「うひゃぁあぁぁぁっ!?」
「だぁあぁぁぁっ!?」
赤坂も、金井に負けないくらい飛び上がる。
そして鳴り響く。
ボト、と、何か硬い物が落ちる音が。
「これ……氷か?」
青崎はそれを恐る恐る摘まみ上げる。
氷だ。
何の変哲もない、
コンビニで売っていそうな、
四角いただの氷だ。
「はぁっ!? 氷!?」
「青崎! お前がやったのか!?」
金井と赤坂は怒りながら詰め寄る。
氷なら幽霊なんかじゃない。
悪戯をしたんだろう。
そう主張しながら。
勿論、青崎は否定する。
「ふざけるな! ここに来るまでの間に溶けちまうよ!」
そう、今は真夏。
3人は一度金井の家で集まってから、
どこにも寄ることなく学校にやって来た。
氷を隠し持っていても溶けてしまっているだろう。
「そ、それじゃあ、これは何なんだよっ!?」
「そうだ! お前じゃなくて、他に誰がっ!」
「俺が知るかよ!?」
効果はてきめんである。
まさか氷1個でここまで愉快なことになるなんて。
「あぁ……し・あ・わ・せ……っ!!」
ユーコは余りに愉快で、
いやもはや耐えられない程の快楽を感じて、
艶めかしく身をよじりながら、
恍惚とした表情を浮かべた。
「この人……狂っている……っ!」
死神はようやく、そして改めて理解した。
この顔は心から悦んでいないとできない。
ユーコは正真正銘の狂人なんだから、と。
「さぁ、フィナーレといきましょうか! 死神!」
「は……はいっ!」
ユーコが10粒、死神が5粒。
それぞれ手に持つと、
口論する3人の背中に放り込んでやった。
「にゃぁあぁぁぁっ!?」
「嘘だぁあぁぁぁっ!?」
「ぬぅおぉぉぉっ!?」
3人はあちこちに体をぶつけながら、
我先にと押し合いながら、
それでまた転びながら、
一目散に逃げて行ったのだった。
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