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第1章 偽りの騎士
第8話 緊急速報 5
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国の名前だけでは断定できなかったが、これはもう確定的。聖リリス帝国には、俺がイチから創造した3人の内、絶対防御と空間支配を目的としたサポート特化型の配下、聖少女リリスがいる。王として君臨しているのか、ただ単に協力しているだけなのかはまだわからない。だが国の名前が聖リリス帝国なのだ。きっと王の座に就いているだろう。
「我が君……」
「あぁ、こいつは……厳しいものがあるな」
リリスは攻撃手段をほぼ持っていない。だが断言しよう。ウロボロスたちオラクル・ナイツだけでは勝てない。俺が加わってようやく何とかなるレベルだ。この件は早急に調べなくてはならない。そして同時に、対抗策の準備も始めなければ。
「ウロボロス、直ちにアザレアへ連絡を。オラクル・ラビリンスのあらゆる施設を好きに使っていいから、あれの開発を始めて貰って欲しい」
「畏まりました。少々、失礼します」
脳内では思い描いていたさ。身内での大戦争は。そうやって弱点を無くして、改良に改良を加えた装備やアイテムで補いながら、皆を育成して調整していったものだ。その中で思い付いた、対リリス戦において恐らく切り札となりうるアイテムがある。まさか、それを本当に開発する日が来るとは。
落ち着こう。仮にリリスが敵になっていたとしても、あの怪現象は絶対に別の誰かの仕業だ。なぜなら、そんな魔法もスキルもアイテムも持たせていないからだ。いや、俺の知らないところで成長していたり、誰かと結託していたりしたらその限りではない。でもゼルエルは心配ないって言っていたし。
いけない。まだ思考が空回りしている。そうであって欲しいと心のどこかで願っている自分がいる。駄目だ、今はアデルに集中しろ。この子は本当に被害者なだけかもしれないのだから。
「なぁ、アデル。どうしてそんな凄い物を持っているんだ?」
そう、まずはそこを聞くべきだった。四大将軍に贈られる証だぞ。きっと最上級の勲章のようなもので、間違っても譲渡なんてされないだろう。アデルが奪い取ったとは考えにくいし、たまたま落ちていたのを拾ったのなら返せばいいだろう。
するとアデルは小さく、そして寂しげに笑う。
「これはお父さんの形見です。皆さんは私じゃなくて、お父さんを慕ってくれているんです」
お父さんの形見。そうか、アデルの父親は元四大将軍だったのか。これでひとつ不思議に思っていたことが解決した。なぜアデルのような少女が村長の代理を任されているのか。それは元村長の娘という肩書きだけではなく、四大将軍の娘という大層なネームバリューもあったからなのだろう。勿論、それはきっかけに過ぎない。親の七光りがあろうとも実力が伴わなければ人は付いて来ない。元の規模がわからないものの、それでもまだ村が保てているのはアデル自身の力があってこそだが。
「それで村長代理なのか。何か悪いことを聞いちゃったな」
「いえ、私は大丈夫です。お父さんの事を大切に思ってくださって、感謝の気持ちしかありません」
いい子じゃないか。きっと父の代わりになれるよう、一生懸命に生きているんだろう。
一生懸命に、か。勝手なイメージで悪いが、四大将軍の娘ともなれば育ってきた環境はさぞ恵まれていたのだろう。習い事や勉強に日々明け暮れていたに違いない。その証拠といっては少し弱いかもしれないが、アデルは何冊も本を貸してくれている。あれは余所から借りた物だという話だ。当り前だが、借りるためにはそういう本があると知らなくてはならない。つまり、アデルはある程度の知識を持っていることになる。
そうなると、アザレアに対して技術提供した件もおかしな話ではなくなるかもしれない。少なくとも父親が生きていた頃は勉強も頑張っていて、その過程で様々な知識を得たとすれば、アザレアに技術提供、とまではいかなくても、こんな感じと伝えることはできたのかもしれない。俺たちがテレビや電子レンジというものがある、と言えるように。
「どう思う、ウロボロス?」
あっと、まだウロボロスは連絡中らしい。恐らく具体的にどこをどう活用するのか話し合っているのかもしれない。ここはもう少しだけ自分の力で考えてみるか。
こんなにも不自然な点が解消されていくアデルが脅威とされる理由を他に考えるとすれば、知ってはいけないことを知ってしまった可能性か。アデルの父親は四大将軍だった。ならば、普通の貴族や豪族なんかよりもずっと高等教育を受けられたに違いない。国一番の図書館だって自由に出入りできたんじゃないだろうか。その中で、絶対に開けてはならない書物を知らない内に紐解いてしまって、得てはならない知識を身に付けたという線はないだろうか。
そういえばロアは言っていたな。大災厄の原因かつ解決策になりうるものがあの村にあったと。そしてアデルに気を付けろ、と。その大災厄とやらの原因がアデルの得た知識から始まっているのだとすれば、確かに、アデルを始末すれば解決するのかもしれない。
「我が君……」
「あぁ、こいつは……厳しいものがあるな」
リリスは攻撃手段をほぼ持っていない。だが断言しよう。ウロボロスたちオラクル・ナイツだけでは勝てない。俺が加わってようやく何とかなるレベルだ。この件は早急に調べなくてはならない。そして同時に、対抗策の準備も始めなければ。
「ウロボロス、直ちにアザレアへ連絡を。オラクル・ラビリンスのあらゆる施設を好きに使っていいから、あれの開発を始めて貰って欲しい」
「畏まりました。少々、失礼します」
脳内では思い描いていたさ。身内での大戦争は。そうやって弱点を無くして、改良に改良を加えた装備やアイテムで補いながら、皆を育成して調整していったものだ。その中で思い付いた、対リリス戦において恐らく切り札となりうるアイテムがある。まさか、それを本当に開発する日が来るとは。
落ち着こう。仮にリリスが敵になっていたとしても、あの怪現象は絶対に別の誰かの仕業だ。なぜなら、そんな魔法もスキルもアイテムも持たせていないからだ。いや、俺の知らないところで成長していたり、誰かと結託していたりしたらその限りではない。でもゼルエルは心配ないって言っていたし。
いけない。まだ思考が空回りしている。そうであって欲しいと心のどこかで願っている自分がいる。駄目だ、今はアデルに集中しろ。この子は本当に被害者なだけかもしれないのだから。
「なぁ、アデル。どうしてそんな凄い物を持っているんだ?」
そう、まずはそこを聞くべきだった。四大将軍に贈られる証だぞ。きっと最上級の勲章のようなもので、間違っても譲渡なんてされないだろう。アデルが奪い取ったとは考えにくいし、たまたま落ちていたのを拾ったのなら返せばいいだろう。
するとアデルは小さく、そして寂しげに笑う。
「これはお父さんの形見です。皆さんは私じゃなくて、お父さんを慕ってくれているんです」
お父さんの形見。そうか、アデルの父親は元四大将軍だったのか。これでひとつ不思議に思っていたことが解決した。なぜアデルのような少女が村長の代理を任されているのか。それは元村長の娘という肩書きだけではなく、四大将軍の娘という大層なネームバリューもあったからなのだろう。勿論、それはきっかけに過ぎない。親の七光りがあろうとも実力が伴わなければ人は付いて来ない。元の規模がわからないものの、それでもまだ村が保てているのはアデル自身の力があってこそだが。
「それで村長代理なのか。何か悪いことを聞いちゃったな」
「いえ、私は大丈夫です。お父さんの事を大切に思ってくださって、感謝の気持ちしかありません」
いい子じゃないか。きっと父の代わりになれるよう、一生懸命に生きているんだろう。
一生懸命に、か。勝手なイメージで悪いが、四大将軍の娘ともなれば育ってきた環境はさぞ恵まれていたのだろう。習い事や勉強に日々明け暮れていたに違いない。その証拠といっては少し弱いかもしれないが、アデルは何冊も本を貸してくれている。あれは余所から借りた物だという話だ。当り前だが、借りるためにはそういう本があると知らなくてはならない。つまり、アデルはある程度の知識を持っていることになる。
そうなると、アザレアに対して技術提供した件もおかしな話ではなくなるかもしれない。少なくとも父親が生きていた頃は勉強も頑張っていて、その過程で様々な知識を得たとすれば、アザレアに技術提供、とまではいかなくても、こんな感じと伝えることはできたのかもしれない。俺たちがテレビや電子レンジというものがある、と言えるように。
「どう思う、ウロボロス?」
あっと、まだウロボロスは連絡中らしい。恐らく具体的にどこをどう活用するのか話し合っているのかもしれない。ここはもう少しだけ自分の力で考えてみるか。
こんなにも不自然な点が解消されていくアデルが脅威とされる理由を他に考えるとすれば、知ってはいけないことを知ってしまった可能性か。アデルの父親は四大将軍だった。ならば、普通の貴族や豪族なんかよりもずっと高等教育を受けられたに違いない。国一番の図書館だって自由に出入りできたんじゃないだろうか。その中で、絶対に開けてはならない書物を知らない内に紐解いてしまって、得てはならない知識を身に付けたという線はないだろうか。
そういえばロアは言っていたな。大災厄の原因かつ解決策になりうるものがあの村にあったと。そしてアデルに気を付けろ、と。その大災厄とやらの原因がアデルの得た知識から始まっているのだとすれば、確かに、アデルを始末すれば解決するのかもしれない。
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