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回避不可能
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とても不本意だけれど、仕方なく。そう仕方なく(重要なことなので二回言いました)
送ってもらっている
できれば巻いて逃げたい。
「巻いて逃げようとか考えてないよね?」
「えっ!!あっ!!そ、そ、そ、そんなこと考えてませんよ~あはははは…」
怖い。なんなの怖い。
「お腹とか減ってない?」
「いえ、大丈夫です」
「そっか。今日の納品のことなんだけどさ」
なんか不手際とかあったかな!?それともお姉さんを困らせるなんて!とか!?!?
「君が作ったの?」
「へ?あ、えっと私が作ったのはネックレスとブローチ、あとは指輪です。その他は父が作りました」
「ふーん。そっか」
ラウルさん、その笑顔なんかたくらんでそうで怖いです。はい。
「ところでエリーゼのお店は修理なんかも受けているのかい?」
「受け付けてはいますが、あまり高価すぎるものだったり私たちの手に負えない物以外でしたら大丈夫です。やはり実物を見ないと何とも言えませんが」
「個人的に直してもらいたいものがあるのだが、いずれお願いしよう」
「ふふっ、お待ちしておりますね」
「うん」
その笑顔、ファンの方が見たら倒れるレベルの破壊力。劇団の顔というだけあるよね…
様々な雑談をしつつ歩いているとあっという間に自宅前。
「送っていただいてありがとうございます。本日の納品で不具合がもしありましたら、何なりとお申し付けください」
そう、言って家へと入ろうとしたのだが、またもや腕を捕まれた
「あ、待って、これを」
「これは…チケット?」
「そう。明後日から七日間行う公演、【リーゼンの姫】の最終公演。最終公演は一番派手で、いつもより内容が多めなんだ。エリーゼが作った物を君自身に見てもらいたいんだ。二枚あるからお父さんとどうだい?」
「でも父は今骨折で遠出は出来なくて…」
「そう…か。では君だけでもどうかな」
さらっと一枚チケットを手に乗せ、私が返事をしないうちに人混みへ消えてしまった。
「うーん」
☆
納品の翌日、私は宣言通りお昼まで寝倒し、気力体力ともに全回復した。
お父さんは店番以外仕事ができず、製作については私一人なので必死に働いているともう明日は最終公演。
「うーん。んー。どーーーーしよっかなーーー
」
「エリーゼ、なにぶつぶつ言ってるんだ?なんかの呪文とか?」
「なでもない~」
「だったら少し静かにしてくれ。今、精密な作業してんだから」
この怒っているのは私の一つ下の弟、アレン=カザリル
隣国から商売を終えて帰ってきている。できればもっと早くに帰ってきてくれれば私は楽だったのに。
しかもいくら私のことをお姉ちゃんと呼ぶように言っても全然聞いてくれない。お姉ちゃん悲しい。
「はぁ~」
「エリーゼうるさい。なにそんな悩んでるんだよ」
「この間、依頼された劇団あったでしょ?その公演を観に来てくれって言われたんだけどね~
服がない」
「はぁ、そんなこと?買ってきたらいいじゃないか。お金も入ったことだし」
自分が作った物の晴れ舞台は見たいけれど、公演自体にあまり興味はないし、多少着飾っていかなくてはならない。
格式張ったドレスというわけではないが、ドレスはドレス。作業着に比べれば動きづらいし、重い。ドレスでずーっと座りっぱなしなんて嫌だ。
「ドレス…ドレスかぁ…」
「せっかくチケットあるなら行ってきなって。ほーっらっ!!」
アレンに外へ投げ出されてしまった。なんて弟だ。
ドアを閉められ、服を買ってくるまで帰ってくるなということだろう。
仕方なく、知り合いのお店へ行き、
動きやすくて、軽くて、走れそうなドレスと靴、バッグを揃えた。
そして私のこの色合わなかったからちょうどいいと理由で化粧品もいくつか貰ってしまった。今度なにか奢ろう。うん。
そして、公演当日いつもより一段と、いや、数段綺麗にして会場へと向かった。
送ってもらっている
できれば巻いて逃げたい。
「巻いて逃げようとか考えてないよね?」
「えっ!!あっ!!そ、そ、そ、そんなこと考えてませんよ~あはははは…」
怖い。なんなの怖い。
「お腹とか減ってない?」
「いえ、大丈夫です」
「そっか。今日の納品のことなんだけどさ」
なんか不手際とかあったかな!?それともお姉さんを困らせるなんて!とか!?!?
「君が作ったの?」
「へ?あ、えっと私が作ったのはネックレスとブローチ、あとは指輪です。その他は父が作りました」
「ふーん。そっか」
ラウルさん、その笑顔なんかたくらんでそうで怖いです。はい。
「ところでエリーゼのお店は修理なんかも受けているのかい?」
「受け付けてはいますが、あまり高価すぎるものだったり私たちの手に負えない物以外でしたら大丈夫です。やはり実物を見ないと何とも言えませんが」
「個人的に直してもらいたいものがあるのだが、いずれお願いしよう」
「ふふっ、お待ちしておりますね」
「うん」
その笑顔、ファンの方が見たら倒れるレベルの破壊力。劇団の顔というだけあるよね…
様々な雑談をしつつ歩いているとあっという間に自宅前。
「送っていただいてありがとうございます。本日の納品で不具合がもしありましたら、何なりとお申し付けください」
そう、言って家へと入ろうとしたのだが、またもや腕を捕まれた
「あ、待って、これを」
「これは…チケット?」
「そう。明後日から七日間行う公演、【リーゼンの姫】の最終公演。最終公演は一番派手で、いつもより内容が多めなんだ。エリーゼが作った物を君自身に見てもらいたいんだ。二枚あるからお父さんとどうだい?」
「でも父は今骨折で遠出は出来なくて…」
「そう…か。では君だけでもどうかな」
さらっと一枚チケットを手に乗せ、私が返事をしないうちに人混みへ消えてしまった。
「うーん」
☆
納品の翌日、私は宣言通りお昼まで寝倒し、気力体力ともに全回復した。
お父さんは店番以外仕事ができず、製作については私一人なので必死に働いているともう明日は最終公演。
「うーん。んー。どーーーーしよっかなーーー
」
「エリーゼ、なにぶつぶつ言ってるんだ?なんかの呪文とか?」
「なでもない~」
「だったら少し静かにしてくれ。今、精密な作業してんだから」
この怒っているのは私の一つ下の弟、アレン=カザリル
隣国から商売を終えて帰ってきている。できればもっと早くに帰ってきてくれれば私は楽だったのに。
しかもいくら私のことをお姉ちゃんと呼ぶように言っても全然聞いてくれない。お姉ちゃん悲しい。
「はぁ~」
「エリーゼうるさい。なにそんな悩んでるんだよ」
「この間、依頼された劇団あったでしょ?その公演を観に来てくれって言われたんだけどね~
服がない」
「はぁ、そんなこと?買ってきたらいいじゃないか。お金も入ったことだし」
自分が作った物の晴れ舞台は見たいけれど、公演自体にあまり興味はないし、多少着飾っていかなくてはならない。
格式張ったドレスというわけではないが、ドレスはドレス。作業着に比べれば動きづらいし、重い。ドレスでずーっと座りっぱなしなんて嫌だ。
「ドレス…ドレスかぁ…」
「せっかくチケットあるなら行ってきなって。ほーっらっ!!」
アレンに外へ投げ出されてしまった。なんて弟だ。
ドアを閉められ、服を買ってくるまで帰ってくるなということだろう。
仕方なく、知り合いのお店へ行き、
動きやすくて、軽くて、走れそうなドレスと靴、バッグを揃えた。
そして私のこの色合わなかったからちょうどいいと理由で化粧品もいくつか貰ってしまった。今度なにか奢ろう。うん。
そして、公演当日いつもより一段と、いや、数段綺麗にして会場へと向かった。
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