【R18】紅薔薇の棘に口づけ

紅薔薇の棘

一束と八輪＊

　ロワきゅんの指が、アンネローゼの秘裂を優しく撫でる。
　ちゅ、と瞼に口づけられたと思えば、今度は唇に口づけられた。　ぬるりと舌を使ったキスは、気持ちよくて体の力が抜ける。
　その瞬間、だった。
「んっ！？」
　脚の間から、身体の中心に向かって違和感があり、思わず声を上げる。


　何か、何かがはいっている、感じがする！


　アンネローゼが驚きに身を強張らせていると、ロワきゅんの唇が、アンネローゼの舌先を吸って離れる。
　舌先がじんとする以上に、お腹の奥がじんとして、何かがはいっていることを強く意識する。
「ぁ…」
　ため息が漏れると、気づかわしげな表情のロワきゅんが、アンネローゼに尋ねてくる。
「痛い、ですか？」
　痛いなんて、あるわけがない。
「…気持ち、いい、です…」
　アンネローゼは脚をロワきゅんに向けて広げたまま、顔を両手で覆ってか細い声を出す。

　その間、指の間からチラ見したロワきゅんの安堵したような笑顔が可愛くて、お腹の奥がきゅんきゅんする。
　萌えきゅん死にするかもしれない、と両手で顔を覆ったまま天を仰いだアンネローゼだったが、きし、と小さくベッドが軋んだのに気づいて前を見る。
　そして、ぎょっとした。
「ぇ、あ、ロワ、きゅ」

　ぎょっとして、制止の声を上げるも間に合わず、ロワきゅんがアンネローゼの脚の間に顔を埋めたところだった。
「ふぁ、あ！」
　ぬるり、と生温かくぬめった感触は、まさかとは思うが、舐められている、のだろうか。
「ん、っぅ」
　くちゅくちゅ、ちゅるちゅると耳に届く淫らな水音が、体内を指で刺激している音なのか、ロワきゅんが口舌愛撫を施している音なのかはわからない。　いや、そのどちらも、だろうか。
　そういう仕方があるというこを、知識としては知っていたけれど、でも、実際されるとなるととても強烈だ。

「ぁ、ロワ、きゅ…、いやでは、ない、ですか…？」
　初めての刺激に翻弄されて打ち震えながらもアンネローゼが問えば、ロワきゅんはふっと笑ったようだった。　吐息が、濡れた秘所にかかって、アンネローゼは再び震える。
「いやだったら、しませんよ？」
　すぐに、生ぬるくて柔らかな刺激が花蕾に加えられて、アンネローゼはぶるっと大きく反応してしまった。　それを隠したくて、アンネローゼは、口元に手を当ててシーツを握りしめながら問う。
「っ…匂い、とか…、味とか」
　ロワきゅんは、恐らくアンネローゼの花蕾を舐めしゃぶりながら、なのだろう。　視線だけを上げて、微笑んだ。
「…全部、好きです」


　一瞬にして、アンネローゼの顔は熱くなる。
　なんて場所で、なんてことを、なんて表情で言うのだろう、このロワきゅんは！


　アンネローゼがロワきゅんのスパダリ力にやられてもじもじしていると、ちゅ、と太腿の内側に口づけられる。
「指を、増やしますね…」
「ぇ、…あ…」
　アンネローゼがいいともいやとも言わないうちに、一度体内に埋められていたものが引き抜かれ、先ほどよりも窮屈な感じのするものが押し込まれてきた。　恐らく、一本から二本へ、指が増やされた。
　だが、指二本でこんなに窮屈なのに、本当にロワきゅんのものなど受け容れられるだろうか…と不安になっていると、また、秘所を舐められた。
　アンネローゼの感覚が間違えていなければ、指が差し込まれているその入り口を、舌先が擽っている。
　しばらくロワきゅんはそうしていたのだが、ゆったりと、指を動かし始めた。
「ん、く」

　内側を撫でるようにされたり、軽く叩くように刺激されたりする。
　もちろん抜き差しもされ、かき回すように動かされもした。
　くちゅくちゅと、粘性のある音と、吐息、時折漏れる声、ベッドが軋む音が静かな室内に響く。

　丹念に、丹念にそこを愛撫されているのは、わかる。
　最初の窮屈な感じが嘘のように、ロワきゅんの指は自在に動かされているのだから。
　ロワきゅんも、アンネローゼと同じように、判断したらしい。
「大丈夫、そう、かな…」
　敬語ではないその呟きは、独り言だったのだろう。
　もう一度、慣らすように旋回させた後で、指を引き抜いた。

　そこにあったものがなくなったことに、何となく物足りなさを感じる。
　アンネローゼはふとロワきゅんを見て、その肉棒の状態に目を奪われた。

　女性が濡れるのは知っていた。
　男性の象徴から、白い体液が放出されることも、知っている。
　けれど、男性の象徴から、透明な液体が滲み出ることは知らなかった。
　見た目の粘度からの判断でしかないが、あれは尿ではないだろう。

「…殿方の、も、濡れるのですね…」
　アンネローゼが知らなかったことなので、意外でロワきゅんに問えば、ロワきゅんは頬を染めた。
　そんな照れ方するのなんて、アンネローゼのロージィちゃんかロワきゅんくらいだろう。

　ロワきゅんは視線を逸らしながら、自身のそれに手を添えて、先端から染みだして垂れそうになっている液体を塗り込めるように動かした。　ぬめりを纏ったそれは、とても淫靡に見える。
「…貴女と、ひとつになりたくて…。　いい、ですか…？」
　ロワきゅんは、赦しを乞うように、アンネローゼを見つめる。
「痛かったら、言ってくだされば、すぐに止めます、から」


　ロワきゅんのものの先端からは、また、透明な液体が垂れそうになっている。
　ロワきゅんは、アンネローゼが「よし」と言わない限り、「待て」の状態を続けるつもりなのだろう。


　ロワきゅんが、アンネローゼに挿入したくて、アンネローゼとひとつになりたいのであれば、アンネローゼだって同じだ。　ロワきゅんに挿入してほしくて、ロワきゅんとひとつになりたい。
　だから、頷いた。
「…はい」

　ロワきゅんは、にじり寄るように、アンネローゼの方に膝を進める。
　そして、そのものをアンネローゼの秘裂に沿って擦りつけるように、腰を動かした。

　思いの外、それはずっしりとしていて、重い感じがする。
　あったかくて、擦りつけられるたびに、くちゅくちゅと音がする。

　まだ、いれないのだろうか。
　そんなことを考えていると、ロワきゅんのものが、先ほどまでロワきゅんの指がいれられていた場所に、押し当てられた。